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第二話 親は子どもの安全を一番に考えるものである

2016/03/08 誤記修正

1.いい人っぽい姿勢で、爺さんからいろいろ聞き出す。

2.私は、3歩後ろに引いた感じでこっそり警戒しておく。

3.勇者が誰か聞かれないなら哲人がそれっぽく対応する。

4.勇人ゆうとは抱っこしたまま寝かしておく。

方針が決まったので、部屋の魔法を解いて、元の部屋に戻った。


「お待たせしました」

「いえいえ、お気になさらず。おや、お子様は眠られたようですね。ベッドをご用意しましょうか?」

「いえ、離れると起きると思うので、膝の上で大丈夫です」

「分かりました。もしお辛くなったら遠慮なくおっしゃってください。あなた方にお過ごしいただく部屋は、すでに準備しておりますので」

「ありがとうございます」

哲人てつひとが受け応えしている。

どうやら、囲い込みの用意はでき上がっているらしい。

とりあえず聞きたいことは聞いておかないと、こちらの出方も決まらないよね。

私たちが聞きたいのは大体こんな感じ。


・これまでの勇者が残した記録はあるのか

魔法があるのだから、何らかの方法で記録が残っていると思いたい。

もし存在するのに見せてくれないなら、召還(誘拐)黒と断定するしかないかも。

やましいことがなければ、もちろん見せられるよね?


・勇者は元の世界に戻れたのか

これはごまかされるかもしれない。

でも、帰れないならはっきり教えるのが誠意だと思うの。


・解決までどれくらいの期間かかったのか

ざっくりでいいから、期間は知っておきたい。

元の世界に帰れるなら早いほうがいいけれど、私が魔王様だからなぁ。

時間がかかるならこちらもゆっくり考えていいはずだし、早いなら急いで対策するべきだ。


・国からのサポートはあるのか

お金が出るのか、サポート要員がいるのか。

もしくっついてくる人がいたら面倒だと思うけど、お金は欲しいな。


・ここはどんな国なのか

王国だろうと思うけど、貴族が一国の大名的な扱いなのか、地域のまとめ役の領主的な扱いなのか知りたい。

それによって、移動した先での動き方も変わる。

まぁ、ざっくり聞くだけだから、今聞けるのは国の体勢と身分制度くらいかな。


・魔王を倒すのか、話し合いでは解決できないのか

もし話し合いで解決できたという過去があったのなら、安全もある程度保証されるはず。

もちろん、私たちの。

え?

国の安全?

一国をどうこうできるほど(魔王様)って力ないでしょ、多分。


・そもそも魔王がいることでどんなデメリットがあるのか

ここは重要。

デメリットがあるなら具体的に記録しておくべき。

災害みたいなもんだと考えるなら、今後も対策って必要だよね。

でも私が何かの災害になるとは思えないんだけれど……。

もしデメリットがないのに呼び出したのだとしたら、どうしてくれようか(笑)


・私たちの生活基盤や身分証明などはどうなるのか

お世話になりっぱなしだと借りを作り続けることになるから、できれば自活したい。

あと、街に入るごとにどこの誰か分からなくて牢屋入りとかマジ勘弁。


・生活レベルはどんなもんなのか

電気はなさそうだけど、ガス・水道はまだ分かってない。

トイレとお風呂も大切だよね。

そもそも魔法があるし、どの程度便利なのか。

ここは多分快適な場所だから、普通の人がどんなもんか知りたい。

場合によったら飯の種になる。


・魔法の鍛錬方法

ざっくり使えてしまうから迷うところだけど、知っておいて損はないはず。

特記事項に魔法自作可能ってあったから、もしかしたら普通は作れなくて、教科書みたいなものに書かれた魔法しか使えないのかもしれない。

だとしたら、自作できることは奥の手として黙っていた方がいいかも。

あとは、学ぶ姿勢っていい人っぽさが出てて油断してくれそうだし。


もう1つ考えたのは

・勇人が勇者だけど、ぶっちゃけ両親が強くて対応できそうだから気にするな、いいな?

これは、私たちのステータスを確認されてしまった場合の言い訳にする予定だ。

まぁ、聞かれなければ哲人が勇者であるかのように対応してもらうつもり。

確認しない方が悪いよね?


もしも、隷属とかそういう方法を取りそうな場合、魔法で逃げて魔王の領土を目指すことにしている。

危機回避って大切。

妊娠中にネット小説読み漁ってた甲斐があったね。

私の魔法レベルは多分規格外だから、魔法戦なら選択を間違わなければ負けることはないだろう。

転移の魔法は、さっき小部屋の中で短距離移動して確認した。

場所の名前は分からなくとも、転移したい場所が見えていれば大丈夫らしい。

触れていれば言葉にしなくても一緒に行ける。

ほんとに便利なもんだ。

というわけで、部屋の窓から見える場所なら、ぱっと転移できるはず。

小高い場所にあるから、ここは偉そうなおじさんが言っていた通り城なんだろう。

窓の外には森らしい場所が遠くに見え、手前には町並みがある。

町だと捕まりそうだから、森の中一択だ。

また、魔法発動の準備をして待機させておけば、無詠唱のような使い方もできると分かった。

このあたりは、なぜか哲人が知っていた。

賢者の効果なのか、どこかから頭の中に情報が入ってくるらしい。

すごいけど、なんか怖いな。

私にも、何か魔王様の効果があるのかもしれないけれど、今それを調べるのは危険だ。


「そうですな、いろいろとお知りになりたいのはごもっともです。前回は200年ほど前と記録がありますが、そのときの勇者様が書かれた日記がございます。こちらは、明日にでもお持ちいたしましょう」

爺さんからの答えは以下の通り。


・勇者が残した記録

→ 明日本を持ってくるよ


・元の世界に戻れたのか

→ 帰ったらしいという伝説がある

  本にも書いてある


・解決までどれくらいの期間か

→ 数年かかるっぽいけど人それぞれ


・国からのサポートは

→ 国(テヌ・ホキムというらしい)がお金出すし、城にいる間は爺さんがヘルプするよ

  あと、部屋付きのメイドさんが当面生活サポートするよ


・どんな国

→ 王国で、さっき見た青いローブの偉そうなおじさんが王様

  貴族社会だよ


・倒すの?話し合いは?

→ 代々倒してきたという記録

  話し合いに応えてくれる魔王だったという記録は見たことがない

  本で確認してね


・魔王のデメリット

→ 魔物が活性化するっぽい?から、魔物による人的被害が増えてるらしい

  明日資料持ってくるよ


・生活基盤や身分証明

→ 冒険者組合があるからそっちに登録してもらうよ


・生活レベル

→ 明日以降見られると思うよ


・魔法の鍛錬方法

→ 明日本を持ってくるよ


要するに、明日以降がほとんど。

勇者の日記は、禁書とまではいかないけれど重要な本らしく、持ち出しの申請をして持ってこられるのが明日だとか。

これは理解できるし、むしろお役所仕事だと思ったら早いのかも。

身分証明は国の管轄外になる冒険者組合に丸投げ。

犯罪者登録されていなければ誰でも登録できるらしい。

なので、私たちも当然登録できる。

その冒険者組合への登録も、今日は時間的に厳しいので明日以降。

勇者の話や魔王についてはよく分からんっぽい。

役に立たないな。

「勇者様がたも、突然のことで驚かれたでしょう。落ち着かれるためにも、今日はお部屋でお休みください。案内させますので」

「そうですね……魔法など我々の世界にはいなかったものですし、やはり混乱しています。落ち着く時間をいただけると助かります」

「助けていただきたいのはこちらですから、お気になさらずに。そうそう、何かあれば部屋付きのリネに言ってくだされ。可能な限り便宜を図らせてもらいましょう」

爺さんが哲人に言うと、いつの間にか部屋の隅に控えていたメイドさんらしき妙齢の女性が膝を軽く折って礼を取った。

結構な美人さんだ。

「お世話係を申し受けました、リネと申します。何でもお申し付けください」

「リネさん、ですね。私は哲人といいます。こちらは私の妻の邪栄やえと、寝ているのが息子の勇人です」

「お世話になります」

寝ている勇人を抱いているので軽く頭を下げたが、見事にこちらを見ない。

勇者と思しき哲人にだけ礼を取っている。

ちょっとムカっときたけど、男尊女卑が染み付いてる文化なのかしら?

それとも、ムカつかせることが目的なのかしら?

実はほかに理由があったりするかしら?

なんでもいいけど、魔王様を敵に回しちゃうとまずいと思うよ。



部屋に入ってすぐ、リネさんがお茶を入れてくれた。

私も哲人もさっき出されたお茶は飲んでいなかったが、そろそろ喉も渇いてきた。

どうしようかな、と思っていたら哲人が小声で魔法を使った。

「<自分と邪栄と勇人、飲食による攻撃全無効、飲食による状態異常全無効>」

おぉ。

これでお腹壊さなくて済むね。

「どれくらい持つか分からないから、とりあえず食事ごとにするよ」

「ん」

こっそり会話して、ソファに身を沈めた。

私の横にクッションを置いて、それを枕に勇人をそっと寝かせてみた。

起きた。

「んにゃーあ、やああーん、あーん」

「はいはい」

抱っこしたら泣き止んだ。

現金なヤツめ、可愛いな。

「お可愛らしいですね。おいくつですか?」

リネさんが、哲人に聞いた。

「そろそろ7ヶ月になります。可愛いでしょう」

ちょっと哲人、勇人を見てる顔が変態になってるよ。

リネさんがちょっと引いてるじゃないか。

「ええ、可愛い盛りですね。隣の寝室にはお子様用のベビーベッドをご用意しておりますので、お使いください」

おぉ、引き攣ってるけど笑顔を崩さず答えている。

さすがプロですね。

そしてなんと、リビングと寝室の2間続きの部屋を用意してくれていたようだ。

「あぁ、ベビーベッドは使わないので必要ありませんよ」

「それでは、お下げしておきますね。お食事は、こちらに運ばせていただきますので、それまでおくつろぎください」

「ありがとうございます」

「いえ、私は部屋付きですので、当然のことです」


そういえば、勇人のおむつとかおやつとか離乳食とかどうしよう。

布おむつだとめんどくさいけど、なんとかできるか。

離乳食はまだ朝晩の2回くらい。

飲み物はストローじゃないとまだ飲めないから、困るな……。

あと、洗濯はどうなるのかな?

ていうか、私たちの着替えとかは用意してもらえるかな。

いつまでも寝間着って辛いし、下着もどうすればいいのやら。

これはリネさんに相談したらいいのかな。

「あの、リネさん」

「なんでしょう」

あ、返事した。

表情と声が冷たいのは気のせいかな?

「すみません、この子のおむつや離乳食についてなんですが」

「こちらの布をお使いください。使い方は分かりますか?」

ちょっと古いタイプの布おむつっぽい。

これなら使えるかな。

「多分大丈夫です。ありがとうございます」

「離乳食ですが、ご指定いただければご用意いたします」

「そうですね……お米ってありますか?」

「米でございますか。南の国の特産品ですが、少しならございます」

「では、水が多めのおかゆをお願いします。ほんの少しだけ塩で味付けをして、長く炊いて舌でつぶせるくらいの柔らかさで。量は、お米がティースプーン1杯程度で充分です」

「……かしこまりました」

めんどくさそうな顔だな。

仕方ないでしょう、ここにキッチンがないのが悪い。

「それから、私たちの着替えや洗濯のことはリネさんに相談すればいいですか?」

「用意してございます。お着替えは寝室の箪笥に。洗濯物はバスルームの籠に入れていただければ、次の日には洗ってお返しいたします」

淡々と述べてるけど返事はきちんと返ってくる。

なんかさっき哲人とやりとりしてたときよりも、こっちの方が生き生きしてる感じがする。

要するに、哲人に対しては猫を被ってるというか、頑張って媚を売ってるというか……?

「分かりました。知らないことが多いのでお手数かけますが、お願いします」

「いえ、これが仕事ですので。では、キッチンに指示を出してまいります」

さっと頭を下げて、部屋を出て行った。

あれ、哲人が固まってる。

「どうしたの?」

「なんか、喧嘩してるみたいな会話だった……」

「そうかな……なんであんなに私に対しては冷たいのかしら」

「俺には若干にこやかだったのにね」

「確かに。私に喧嘩売りたいのかも」

「それはやめて欲しい、切実に」

「どういう意味?」

「だっだ!だーだ、だっだー!」

うん、勇人が応援してくれるなら、お母さんはだいたいの喧嘩に勝てる気がするよ。



寝室の奥には、トイレと、シャワーだけのバスルームが付いていた。

文明の程度が分からないけど、贅沢な部屋なんじゃないだろうか。

個人的には、湯船に浸かりたいけれど。

寝室の箪笥には、1段目に哲人のものらしい服が2セット、2段目に私のものが2セット、3段目に勇人のものが4セットと布おむつの替えがたくさん入っていた。

下着や服は、ゴムじゃなくて紐でサイズ調整するタイプだ。

勇人の着替えがちょっとめんどくさいけど、贅沢は言えないよね。

ベッドは、セミダブルくらいのものが2つ。

離れていたので哲人がくっつけようとしたが、作り付けらしくて動かなかった。

落ち込んでめんどくさかった。

とにかく、みんな寝間着から服に着替えさせてもらう。

首元がゆったりしたシャツと、哲人はズボン、私はロングスカート。

勇人の服もシャツとズボンだけど、ちょっと大きくて裾を折っている。

靴まで用意してくれていて助かった。

今まで裸足だったものね。

下着も一応あった。

ただ、ブラも伸びない生地だから授乳するときには不便だ。


「とにかく、明日にならないと判断つかないな」

哲人がお茶を飲みながら言った。

リネさんは部屋の外に待機しているので、私が淹れなおした紅茶っぽいお茶だ。

「うん。この国で人を助ける方に動くか、魔王の国に行ってしまうか、全部から逃げるか。どれがいいかまだ分からないわね」

「最悪、いろんなところから追われることになりそう」

「うーん……困るわね。そうなったら、魔王の国をぶっ潰して作り直して落ち着こうか」

「え?!なにその力技!ロードローラー邪栄ちゃんってシャレにならないよ想像ついたけど」

「ロードローラーだと?想像つかせるな」

げしげし蹴ったのに、紅茶は死守された。

哲人、蹴られるの慣れてきてない?

気のせいかな。

勇人は、ソファを背にしてラグを敷いた床の上に座らせている。

おもちゃ代わりに渡した木のコップで床を叩いてるけど、多分割れたりしないよね?

「哲くんもいるし、私が治める国だっていうなら、作り直すくらいできそうじゃない?最悪その手段を取るよ、勇人の安全のために」

防音とか見張りを誤魔化す魔法は既に実行してある。

索敵もしてみたけれど、ドアの外にリネさんがいることと、寝室の壁に隠し通路があることくらいしか分からなかった。

隠し通路ってロマンだよね。

でも、怖いから箪笥を移動させて出入りできないようにしてみたよ。

「……俺も、勇人と邪栄ちゃんの安全のために動くから、無理はしないでね?」

「もちろんよ。私も勇人も、哲くんと一緒にいることが大事なんだから」

「邪栄ちゃ……」

「んー!んまーまーんーま!!んばーまーばー!」

哲人が私に抱きつこうとしたが、その前に勇人がこっちに訴えかけてきた。

コップを遠くに投げてしまって、取って欲しいらしい。

哲人の手を無視して、勇人に歩み寄ったらロングスカートの裾を掴まれた。

「んーだ、だー」

「抱っこ?はいはい」

「んまー!だだー」

勇人はコップを片手に持って、抱っこされてご機嫌のようだ。

哲人はしょんぼりしていたと思ったら、両手を広げてこちらに来た。

そのまま、私と勇人をまとめて抱きしめた。

「俺が守るからね!警護魔法の使い方がややこしいから、もうちょっと待って!」

「え?警護魔法ってややこしいの?」

抱きこまれたまま聞けば、哲人は頷いた。

「使い方がちょっとね……基本的には、『警護魔法、レベルなんとか』でいけるらしいんだけど、細かい条件があってさ」

「条件ねぇ……危険な人から守るって言ってもいろいろってこと?」

「そうそう。誘拐の場合どうするか、命の危険の場合も転移するのか攻撃を跳ね返すのか、悪意のある言葉はどうするかとか、全部指定しないと働かないらしいんだ。しかも、2重がけはできないから一文にまとめないと。かけ直しはできるらしいけど、毎回解除してかけることになるみたいで」

「めんどくさいわね……」

「その条件をまとめてるから、ちょっと待ってね。あ、でもとりあえず命の危険がある場合には跳ね返すってことにはしておこうか」

「そうね。とくに勇人は厳重にね」

「了解!!<警護魔法、レベル10、勇人は命を脅かす攻撃を100%跳ね返す><警護魔法、レベル10、邪栄は命を脅かす攻撃を100%跳ね返す>」

ふわり、と魔法がかけられた。

よく分からないが、薄いベールでも上からかぶったようなイメージだ。

それが触れると体に吸い込まれるように消えていった。

「哲人、自分にもかけておきなさいよ」

「もちろん。<警護魔法、レベル10、自分は命を脅かす攻撃を100%跳ね返す>」


どうやら、ほかの魔法と違って疲れるらしい。

魔法をかけ終わった哲人はソファに伸びている。

「ねぇ、レベルの差って何?」

「あぁそれは、俺のよりも強い魔法だと跳ね返せないことがあるってこと。レベル10が最高だよ」

「そっか。そのへんの説明も入ってくるの?」

「うん。ただ、情報を仕入れるごとに魔力とか体力を使ってるらしくて、体がもたない」

「それは不便ね……私の独自魔法のことも知りたいんだけど」

「多分、分かると思うけど……明日でお願い」

「はいはい。とりあえず明日ね」

「ごめんねぇ、不甲斐ない夫で」

「充分よ」

笑顔を向けて、勇人を抱っこしたまま連れて行くと、勇人が哲人の方に手を伸ばした。

だから、しゃがんで哲人の方に近づけてあげた。

「あぁ、勇人。パパは頑張るよっ!」

「だっだっだ!」

勇人はその手をぶん、と振った。

「痛っ!勇人、家庭内暴力反対!!」

哲人が頬に手を当てて叫んだ。

勇人の指先が、頬をかすったらしい。

「大きな声出さないでよ、勇人がびっくりするでしょ。それに、まだよく分かってないんだから仕方ないわよ。ねぇ勇人、びっくりしたわね」

「んーま、ぶあーあー」

「はいはい、ひっかいちゃだめよ?痛いからね」

「うぅ、父親なのに虐げられてるひどい」

「んーん、ぱぱぱーぱー、ぶあーぶあー」

「あ!今勇人がパパって言った!」

「いやたまたまでしょ」

「勇人、勇ちゃあああん!」

「んーまーんー、まー」

だめだこの父親、親ばかすぎる。

とにかく、明日まではくつろぎますか。

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