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第四話 たまによく親は子どもも驚くことをしでかす

ダンジョン活性化の影響か、それともワイバーンが暴れているからか、ワイバーン集団の解体依頼を受けて森の中を南西に進む途中で、もう一頭グレートワームが出たので倒した。

正直、この頻度であの町にワームを持ち込んでも消費しきれないと簡単に予想できる。

だからといって、持ち歩きたいものでもない。

たとえアイテムボックスの中だろうとも、巨大ミミズなんぞ嫌だ。

そこで、思い出したので聞いてみた。


「まるごと1匹なんだけど、使う?肉は発酵させれば肥料になるらしいの」

『「んな、なんとっ!!?グレートワームっ!!それはすばらしいです魔王様!ワームの骨で作った鍬はとてもよく土に馴染むので、耕すにはもってこいなのです!皮は高級品ですし、爪も牙も刃物としては一級品です!本当によろしいのですかっ?!」』

水晶の向こうで、ゴブ村長の顔が出入りしている。

水鏡の前でも、相変わらず土下座を繰り返しているのだ。

その証拠に、ゴッ、ゴッ、と鈍い音も一緒に響いてくる。

「もらってくれると本当に助かるのよ。こっちでは使いようがないから」

『「そういえば、魔王様のご夫君は長剣使いであらせられましたね。グレートワームとはいえ、長剣を削り出すには牙の長さが足りませんか……。包丁などでしたら作ることもできますが?」』

「いいよいいよ。道具類は一通りあるから。それより、これからも魔獣を倒して人の街に卸すのがめんd……問題があるときには、そっちで引き取ってくれるかしら?あ、もし欲しい素材があるなら言ってちょうだい。絶対人の街に渡さないといけないってことはないし、引き取りは私が頼んでいることだから」

しまった、うっかり本音がポロリしかかった。

聞いていたらしい哲人てつひとは、ベッドで寝ている勇人ゆうとの隣に座ったまま苦笑している。

相変わらずゴブ村長の言葉は分からないようだが、ゴウゴウ言う声の雰囲気と私の言葉からだいたいのことは分かるらしい。

『「とっ!とんでもございませんっ!!さすがにドラゴンの素材を処理できる技術はありませんが、ベヒモスくらいの堅さまでならどうにかいたしますので!!いつでも、何でも、お任せくださいっ!!!」』

「ありがとう。助かるわ」

『「うぅぉぅふぅ、とんでも、ござい、ばぜんっ!ぅありがとうござぃばずぅぅぅううう!!!」』

感激したゴブ村長は、とうとう泣き出した。

そして鈍い音が激しい音の連打に変化した。

ちょっと、その床割れたりしないでしょうね?

普通の報告とか会話ならこのところ土下座だけで済んでたのに。

分かってたけど、お礼言っただけで泣くなんて相当ね。

服従度上がってるんじゃないの?


上がってました。

ていうか、そもそも120%っていうのもおかしかったのに。

今は200%ですって。

名前はゴブ村長になっていた。

もはや固有名詞扱い。

こんなことになるなら、もうちょっとまともな名前をあだ名にしておけばよかったかな?

そして「魔王様の篤信者」という称号が新しくできていた。

なんだ、篤信者って。

私は神様か?



通信の後、ワームをゴブリン村に転移させて一息ついた。

そして、哲人にゴブ村長の称号の話をした。

「彼らにとってはそうなんだろうねぇ」

と、苦笑いされた。

どういうことだ。

「だって邪栄やえちゃん、本気で嫌がってはいないし。むしろ、勇人を育ててるのもあって、母性本能刺激されてるんじゃない?」

「誰がゴブリンの母親だ」

「痛っ、ちっがう、懐かれて懐に入れちゃう的な?慕われて姐御になっちゃう的な?いつもの邪栄ちゃんなら、割とドライに通り過ぎちゃうでしょっ?!」

ダイニングの机の下で、軽く脛を蹴った。

確かに、めんどくさそうなことには関わらないでスルーしちゃうとこはあるよ。

でも、母性本能ではないと思う。

「あえて言うなら、魔王様補正だと思う」

「魔王様補正?」

哲人が不思議そうに聞いた。

私も不思議だ。

「うん。今のところ、出会ってきた魔獣は守るものに入らない。でも、魔人は守るものに入る。その辺の感覚は分かるけど、具体的な説明ができないのよね。本能的な感じっていうか」

「なるほど、補正かぁ」

「それと、下僕は来るなら拒む必要感じないわ」

「邪栄ちゃん、本音出すぎ!!」

彼らにはぜひ獲りすぎた魔獣を処理してもらわねば。

あと、ほかのゴブリンたちを保護してもらわねば。

「んー、たう……たーたんたー!」

あ、勇人がお昼寝から起きた。

寝起きがすっきりしているらしく、ご機嫌でベッドの上をハイハイしてきた。

「てっぷ!あぶーぶーあ」

「ゆ、勇人!お前は、優しい子に育つんだよぉぉお」

ハイハイで寄ってきた勇人を、哲人は大事に抱き上げた。

勇人は嬉しそうにきゃっきゃと笑っている。

言ってることは許容できないけど、なんというかこういう瞬間は泣きそうになる。

口に出しては言わないけどね。





夜、久しぶりに音声通話で両親たちに連絡を取った。

勇人の写真とテキストメッセージは毎日のように送っているけれど、通話は久しぶりだ。

「それで、今は森の中を進んでいるところなんだ」

今は、哲人がお義母さんと話している。

「たうぅ、たう、たっ」

勇人の最近のブームは、机の下や椅子の下をハイハイで通過することだ。

たまにぶつかったり机の脚と椅子の脚の間に挟まったりしている。

なにあれ可愛い。

[森の中?それは大変そうね。ダニとか大丈夫なの?勇人ちゃんに怪我がなければいいんだけど]

スピーカー機能を使っているので、こちらにも声は聞こえている。

「それは大丈夫。魔法で虫よけしてるし、そもそも車で移動してるから」

[車で移動って……前にも聞いたけど、本当に大丈夫なの?聞いたことのない音で魔獣が寄ってきそうだけど]

「全然大丈夫。車っていうけど、エンジンとかないから。邪栄ちゃん、ふんわりしかエンジンの機構分からなかったみたいで、結局魔法で動いてるんだ。静かなもんだよ」

[あら、そうなの?ならいいんだけど。変な感じでしょうね、そっちに車が走っているなんて]

私は勇人を膝の上に乗せた。

ダイニングに座って紅茶を飲んでいたけど、私の足元でつっかえていたから。

勇人も冷めた紅茶は好きらしく、口元に寄せてあげると頑張って飲んでいる。

すごいなぁ。

スプーンを使わなくても、コップから飲めるようになってきたのだ。

もちろん、その様子は動画にとって両方の両親に送ってある。

「そうかな?あんまり見つからないように森の中を走ってるし、魔獣が驚いている間に通り過ぎられるからそういう意味では便利かも」

[あまりにも見慣れないからそうなるわけね……歩きなんかありえないわよねぇ]

お義母さんは、ため息をつきながらそう言った。

「まぁ、この車がない状態で計画してたときには、ちょっと広めの馬車の予定だったから。それよりは早いし広いしお風呂ついてるし、快適かな」

[それなら、なんだか楽しそうね]

私の母親と同じようなセリフがお義母さんから出てきた。

数十分前に通話した私の母親は、そっちに行ったら海岸に家を建てて父親に毎日釣りをさせてあげたいと言っていた。

一緒に来ること確定かよ。

「いやいや、こっちは必死だからね?できるだけ早く帰る方法を探してるんだから。前の勇者の日記とか読んで色々情報集めたりとかさ」

[え?やだ、日記なんてあったの?]

「うん。日本語で書かれてたから、よくわからないままに保管されてたらしいよ。結構重要な話も書いてあったし……」

[へえ、そうなのね。どんな話?]

お義母さんが食いついている。

そういうの好きな人だったっけ?

ほかの人の過去的なもの。

どっちかというと、哲人の日記が目の前にあっても読まないタイプだと思ったんだけど。

「勇者の剣の在処とか、勇者の剣で魔王が元の世界に帰ったらしいこととか、魔王も違う世界の存在らしいとかそういうの」

[あらそう。そういう話。ま、……さん……わね]

小さい声で、お義母さんの次の言葉が聞こえない。

「え?」

[どうかした?]

「いや、うん、なんでもない」

どうやら独り言だったらしい。

そういえば、私が魔王様だという話はしていないが、勇人が勇者で私たちもついてきたという話はした。

私の両親は孫が勇者だと聞いてなんだか嬉しそうだった。

あれは絶対面白がってる。

お義母さんには驚かれたし、初めは信じてもらえなかったが、哲人が勇者というよりはよっぽどそれらしいと納得してくれた。

ちょっと、あなたの息子さんなんですけど。


[あら、おかえりなさい]

[あぁ、ただいま]

話していると、どうやらお義父さんが帰ってきたようだ。

声を聞いたのはすごく久しぶりだ。

「父さん、お疲れ」

哲人が話しかけた。

やり手営業マンのお義父さんは、かなり夜も遅いし、海外に出張に行っていることも多い。

今日は珍しく早めに帰ってこられたようだ。

[ん?あぁ、電話してたのか]

[そうよ。ご飯すぐに温めるから、哲人と話しててね]

[分かった]

がたがたん、と椅子を引く音がした。

どうやら、向こうもスピーカーにしているらしく、遠くで食器の音が聞こえる。

[……元気にしているか?]

営業マンとしては適度にしゃべっているらしいが、プライベートでのお義父さんは、若干無口気味なナイスミドルだ。

最近は少しダイエットを試みようと思う状態らしいが、それでもかっこいい。

不思議なことに、顔は似ているのに哲人はイケメンじゃない。

遺伝子の謎だ。

「うん。勇人はなんだろう、やっぱ勇者だからかな?元気があり余っててすごいハイハイで歩き回ってて、俺と邪栄ちゃんも――」

[は?うん?勇人が、なんだって?]

「あぁ、勇人がハイハイ上手になってて、最近は片足立てじゃないハイハイが」

[そっちじゃない、勇人が、勇者?どういうことだ?]

[あらやだ、私ったら言ってなかったのね]

どこかお嬢様風のお義母さんは、たまにうっかりすることがあるらしい。

普段はかなりしっかりしているから、そういう抜けたところを見るとなんとなく可愛らしくてほっとする。

そのままお義父さんが遠くに話しかけ、さらに遠くからお義母さんの答える声がした。

がたん、と音がして、お義父さんとお義母さんの声がぼそぼそと聞こえた。

どうやら、お義父さんは勇者うんぬんの話を今初めて聞いているらしい。


しばらくして、また椅子を引く音がした。

[すまん、まだ繋がってるか?]

「うん、切ってないよ。母さん、言ってなかったんだね」

[あぁ、言ったつもりになっていたらしい……。とにかく、お前たちが異世界に呼ばれて、帰る方法を探しているということしか聞いてなかった。出張が増えて仕事が忙しかったのもあるが、分からない世界なら何もできないと思っていたんだ、すまんな]

「いやいや、大丈夫だよ。応援してくれればそれだけで十分」

[そうもいかんだろう。その世界に行ったんだから。人間の国はいくつあった?]

「え?」

[だから、人間の国はいくつあったと聞いてるんだ]

どういうことだろう?

人間同士の争いに巻き込まれることを考えているのかしら?

確かに、一番怖いのは簡単に裏切ることができる人間だと思うけど。

「えっと、人型っていうことなら、ドワーフの国とかエルフの里とかいろいろあるらしいよ。人間種だけの国なら、一つだったけど」

[そうか……。前回の勇者が来てから何年過ぎているんだ?]

「えっと、確かこっちで200年くらい前だったと思うけど」

[なるほど。時間の経過は同じではないが、流れる方向は一定ということだな]

「父さん?さっきから一体……」

哲人が、眉を寄せた。

お義父さんは、興味があって聞いてる感じではない。

まさかまさか。

[すまんすまん。あー、俺は日記は書いていないがな。一番最近嫁を連れて帰った勇者っていうのは俺だ]

人間、本気で驚くと声も出ないらしい。



理解した哲人が言葉にならない言葉を叫び、勇人が驚いてひっくり返って頭を机の角で打ち、膝から落とさないように抱えたけどぎゃん泣きしてなんというか阿鼻叫喚。

お義父さん、爆弾発言すぎる。

ということは何?

哲人ってばこっちと地球のハーフだったの?

どこからどうみても黄色人種の日本人なのに?

確かに、お義母さんはちょっと凹凸がはっきりめの美人系だけど、やっぱり日本人のはず。

地球に行くときに肌の色が変わったのかしら……?

こっちの人は、どちらかというと白人系の色だからね。

というか、戸籍どうした。

前に、年金がどうこうって言ってたから日本国籍があるんだろうけど、お義父さんが頑張ったのかしら?

まさか裏組織的なところに頼んだの?

[俺の後は、兄貴だったか。その次が映一えいいちだった。映一は、10年くらい前に行方不明になったんだったかな]

映一とは、お義父さんのお兄さんの息子、つまり哲人の従兄らしい。

そんで……だめだ、情報が多すぎてパンクしそう。

お義父さんによると、どうやら竹峰家の男系にのみ引き継がれる不思議現象だそうだ。

このところなかったけど、それは映一さんのところに女の子しか産まれなかったからだろうということだった。

なんだそれは。


[知っている限り、俺の親父も、叔父もそっちに行ったことがあるな。だが、従弟は行かなかったと思う。詳しくは聞いていないが]

「なんで、俺が勇者として呼ばれなかったんだ」

[分からん。博行ひろゆきは呼ばれなかったから、何か理由があるんだろう。しかし、そういうことなら助けてやりたいんだが……]

博行とは、こちらに呼ばれなかったというお義父さんの従弟さんだ。

ちなみに、お兄さんは博信ひろのぶさん、お義父さんが博人ひろとさん。

命名はご両親ではなく祖父。

そんなに博士に憧れてたのかしら……。

あだ名は上から順に、のぶ、じん、ゆきだったそうだ。

お義父さんだけ跡形もない。

「うん、すぐどうこうできないんだよね。勇人が勇者だから」

[困ったな。あの剣は、本当に勇者以外が使用することはできないんだ。しかも、意志を持って魔王に使わないといけない。勇人にそれはまだ無理だろう]

かちゃり、と食器の音がした。

こちらが落ち着くまでの間に食事を終えたお義父さんは、お義母さんと一緒にコーヒータイムらしい。

勇人はそろそろおねむの時間なので、私がベッドで添い寝している。

ねむ……たくないもんね!とでもいうように必死に目を開けようとして白目をむいてる。

話し声が聞こえるからかな?

可愛いすぎる。

[でも、不思議ね。あなたのときは、こっちには1日で帰ってきたんでしょう?向こうには2年ほどいたのに]

お義母さんの声だ。

そういえば、母方の祖父母がいなかったと哲人から聞いたことがあるが、そりゃいないわな。

異世界だもんな。

あと、お義母さんの名前が若干キラキラしい意味も分かった。

ちなみに、沙理亜さりあさんという。

あの年代にしては随分ハイカラな名前だと思ったが、そういうことだったのか。

お義父さんがお義母さんを守っている感じがしているのも、多分そういうことだろう。

騎士っぽい感じがしてちょっといいなと思ってたけど、そりゃ守るわな。

異世界までついてきてくれた嫁だなんて。

「多分、スマホがあるのが大きいんじゃないかな?あとは、そこに俺たちの常識が染み込んでる」

[連絡が取れるから、時間も同じように進んでいることになっているのか]

「うん、そうなってるんだと思う。普通考えないだろう?スマホでつながる相手の進む時間が違うなんて」

[確かにな……。しかし、年単位でこちらを空けるのは厳しいな。多分、念じればうまく時間も操れるだろうから、ちょっと間を空けて連絡してみた方がいいかもしれん]

「間を空けて?あ、なるほど。3日後に、『前回通話の1日後に通話をかける』みたいに指定したらいける、のか?うーん、うまく想像できるかなぁ。常識だからね、時間の進み方が一定だなんて」

哲人が腕を組んでうなった。

確かに、まさか一昨日に向かって連絡できるなんて誰も考えない。

しかもお義父さんの言葉からすると、時間そのものの不可逆性は変わらないようだ。

だから、今から一昨日のお義母さんに向かって通話をつなげるのはできない。

というより、私も想像できない。

だって、今から一昨日のお義母さんに連絡を取ったとしたら、今話しているお義母さんにその記憶があるはずで、でもまだ通話していない今は記憶がなくて、みたいなタイムパラドックスで訳が分からなくなる。

でも、お義父さんの提案はやってみてもいいかなぁ。

だってほら、何年だったっけ?

捜索願を出したまま、行方不明が数年続いたら死亡扱いになっちゃうんだったよね?

それは困るもんなぁ。


話し合って、一度試してみることにした。

「細かいことは、難しく考えると気が狂いそうだね」

「うん。魔法だから、で済ませておいたほうがきっと安全よ」

「だろうね」

通話を終えて、どうにか一息ついた。

本当はもっと詳しく聞きたいこともたくさんあったが、驚きすぎてまとまらなかったし、お義父さんも明日は仕事だ。

仕方ないのでまた後日、きちんと話すことにした。

勇人はもうすでにぐっすりだ。

それにしても、もし日にちをずらした通話が成功すれば、私の老化も止められるかもしれない。

うふふ。

若くいられるっていうのは女性の永遠のテーマよね。


「それにしても、ほんとにびっくりしたわね……」

淹れなおした暖かい紅茶にほっとする。

「あぁ。母さんの戸籍も、ありえないと思うんだけど」

「地球に行ったら日本国籍があったとかね。ほんと、どうにも意図的なものを感じるわ」

「ご褒美のつもりなのかも?どっちにしても、気分の悪い……そんな力があるんなら、自分たちでどうにかすればいいのに。できないとは思えないからな」

「そうねぇ。何か理由があるんでしょうけど、分からないわね」

無理やり手のひらで踊らされているような気分だ。

ほんと、どういう理由で、竹峰さんの一家を狙い打ちにしているのかしら。

しかも男性ばかり。

禄でもない理由なら、本気でぶっ潰すわよ。

私の表情を見て、哲人が若干顔を引きつらせながら口を開いた。

「ま、まぁ、できるだけ穏便に、ね」

「そうね、できるだけ(・・・・・)穏便にするわ」

「うん、イマイチ安心できないけどまぁいいや。それより、明日あたりそろそろワイバーンの群れと遭遇しそうだから、気を引き締めておかないと」

「あら、もうそんなに近づいたのね。……なんていうか、衝撃が大きすぎてちょっと忘れてたわ」

「そうだよね。色々考えたいし、ワイバーンはさっさと間引いてしまいたい」

なんか、哲人の発言が雑だ。

ワイバーンってそんな雑な扱いできるやつらだったっけ?

よく分からないけど、ぱぱっと片付けようか。

まさかの一周年。

長らくお付き合いありがとうございます。


お義母さんの聞こえなかった台詞

「ま、大雑把な博人さんは日記なんか書かないわね」

でした。

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