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人形少女の望み  作者: 無姫
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出会い

「ふぅ・・・」


 私は盛大なため息をついて、床の上にへたりこむ。


 エンキが衛兵と部屋を出て行った後、私は早々に自室に逃げ込んだ。


(怖かった・・・)


 部屋の扉に鍵をかけた今、ようやく人としての心が帰ってきた。


 エンキや他の者達の前では、私は人形でなければならない。


 しかし私や本来人形なんかじゃないのだ。


 ちゃんと心を持っているし、どうしても考えることはやめられない。


 なので私が唯一ひとりになるこの部屋では、少しだけ心を解放することにしている。


 エンキが私にあんなことをしようとしたことは、今までなかった。


 本や人伝で男女があんなことをするという知識はなんとなくあったが、実際にやられたら気持ち悪いのと怖いのとで泣きそうだった。


(次に会った時にまたやられるのかしら)


 そう考えると、怖くて今度こそ本当に涙が出てきた。


 人形である私が涙なんか流して良いわけなく、私は慌てて服の袖で目元を拭った。


 少し心を解放しすぎたらしい。


 私は気を取り直して服を着替えるために、クローゼットに歩み寄った。


 その時だった━━


「あんたが『混血姫』か?」


 いつの間に開いたのか分からなかったが、窓が開いて部屋に風が吹き込んだ。


 そしてその窓辺には、それは美しい一人の青年が腰掛けてこちらを見ていた。

読んでくださり、ありがとうございました<(_ _*)>

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