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人形少女の望み  作者: 無姫
2/13

主と人形

 それはとある午後のことだった。



 私はいつも通りあの方に午後のお茶をお出ししていた。


「どうぞ、エンキ様」


「ふん」


 私が給仕をすると彼、エンキは不機嫌そうに鼻を鳴らす。


 そして彼はティーカップに口をつけ、いつもと同じ言葉を呟く。


「相変わらずお前の茶は不味いなぁ。いつになったら上手くなるんだ?」


「申し訳ありません」


 嘲笑混じりの声に、私はただこの一言を言って頭を下げる。


 この方は私に対してよくこんなことを言う。


 端から見れば嫌がらせ以外のなにものでもないこれらを、エンキは全てあることを確かめるためだけにやっている。


「まぁ、人形に成長もなにもないか」


 エンキはそう言って、愉快そうに笑った。


 エンキにとって私は何も感じず考えないただの人形でしかない。いや、そうでなければならない。


 そう、8年前のあの日からずっと。


「私はエンキ様の人形でございます」


「ふん、当たり前だ」


 私の言葉に満足したのか、エンキは自らが不味いと言った紅茶に再度口を付けた。


 その時だった━━


 ドオォォォン


 城の下の方からひどい揺れと爆発音が響いたのは。

読んでくださり、ありがとうございました<(_ _*)>

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