第十話 再開は突然に
改札を済ませ、駅を後にしようとしたその時
誰かにぶつかった
「「!! ごめん(なさい)!!」」
見事に声が重なる
ぶつかった相手は僕に瓜二つだった
相手の姿を見て二人とも驚く
数秒、沈黙が二人を包み込む
僕にこんなにそっくりな人は一人しかいない
「まさか…………」 「もしかして…………」
「香奈!?」 「海兄ちゃん!?」
中学に入る少し前に何処かへ行ってしまった僕の弟……………白川香奈だった
因みに香奈の名前が女みたいなのも母さんのせいだ
「「どうして此処に!?」」
とりあえず香奈が何で急に消えたのかを聞く
「で、つまり……… あの時は一人暮らしをしに行ったと」
「まぁそういうことになるかな」
「………… 一人暮らしって中学に入る直前の人がやる行為か? 大体金はどうやって貯めたんだよ!! それに家は?」
「お金は父さんが送ってくれたし家はアパート かなり安い場所だけあって少しボロかったけどね」
「あの馬鹿親父〜〜〜〜〜〜〜!!僕に内緒で…………」
「それより……… 何で海兄ちゃんはあそこにいたの?」
「あぁ 隣町に買い物に行った帰り 今ちょっとある寮に住んでて………」
「え? その寮ってもしかして………」
「? まさか香奈も父さんに?」
「僕の場合母さんから手紙が着たけど」
「へぇ……… その手紙見せて」
「あ、 うん!」
その手紙には父さんが僕に言ったのと同じようなことと、父さんが僕にくれた地図と同じものが書いてあった
「香奈もはめようってか………」
「? 何のこと?」
「………行けばわかるさ」
「行くって………」
「当然 この地図に書いてある場所だよ 父さんに転校しろとか言われてね………」
「へぇ やっぱり海兄ちゃんもそうなんだ」
「まぁ尤も、僕はもうそこに住んでるわけなんだけどね」
「それよりもさっきっから嫌な予感がするんだけど大丈夫なのかなぁ」
香奈も僕と同じ境遇に遭っている為に、こういう予感は鋭い
「あぁ……… たぶんその予感……… 外れてないと思うよ」
「え? どういうこと? 何かものすっごい不安なんだけど」
「大丈夫 僕がついてるから」
「……それでも心配だよぅ|(半泣き)」
「これくらいで泣くなって」
因みに香奈はかなり気が弱いのである
その為に守りたいと言う気持ちが大きいのだが、どうしても力になれない上に巻き添えをくらってしまうというパターンが多い
「ほら 行くよ!! 地獄へ」
「地獄ぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
あ…
つい本音が
ますます泣き出す香奈
「うわちょっと………… どうしよう………」
泣いている香奈を落ち着かせようと頑張る僕であった
双子の弟ということにしちゃいました(笑
何だか海菜と少しキャラがかぶっているような気がするけど気にしない
なかなか面白い設定ではあると思うんですけどね……