プロローグ
俺は仕事を辞めて家に向かっていた。
夜になると真っ暗になる住宅街の外れの道を歩いていた。
最寄りの駅から家までの道ほとんどが暗い道なのでいつからか夜目が聞くようになっていた。
この暗い夜道を駅から降りた数人が歩いている、俺の少し前に同じくらいの年の女の子が二人並んで歩いている。
可愛いなと思いつつ仕事辞めた現実から目を背けていた。
あとから思う、後ろから見たら可愛いけど前からみたらあまり可愛くないことがよくあるなと。
そんなことを考えて現実逃避をしながら歩く、しかし現実からは逃げられない。
次になにをしようか、次の仕事につくのもいいけど、まだ18だから専門学校や大学にもいきたい。
しかし学校と名のつくところにいてもどうせ一人でいることのほうが多いのだから楽しくはないだろうな
そんなことを考えていると右の方の山道から黒いセダンが無灯火で走ってきた。
車で無灯火はまずいだろ、自転車の無灯火ならよくいるが。
黒い車を見ているとその先のT字路がある、二人の女の子がT字路に近づいていた。
二人は車に気づいてないようだ。
大丈夫だろうか?そう思い二人に足を早めて距離を詰める。
二人はふざけ合いながら歩いている。
一人がかたほうをふざけて肩を強く押す、その勢いで倒れそうになったところを肩を押したほうが手を取ろうとした瞬間
ドンッ ドサッ
鈍い音がした、跳ねられたか!?
急いで事故したと思われるところへ走る。
女の子が二人倒れていた、一人はすぐに起きて座りなにが起きたのかわかっていない顔をしている。
あんたぼーっとしてる場合じゃないでしょ、明らかに足が曲がってはいけない方向に曲がってるよ。
とか思っていたら駅から歩いて帰っていたと思われる女性が駆けつけて声をかけようとしていたのが見えた。
俺は倒れたままの女の子のほうへいった。
119番への指示やAEDの準備の指示は幸いほかの人がやってくれている。
息をしているか心臓が動いているか確認する。
唇が・・・・・エロい・・・・少しの振動で胸が揺れる・・・・非常にエロい。
18年間彼女もいなかったし女友達もいなかった俺にとって刺激が強すぎる。
しかし緊急事態なんだ、助けられる命を見放すわけにはいかない。
呼吸も心臓も止まっているようなので心臓マッサージと人口呼吸をはじめる。
申し訳ない気持ちと正義感でいっぱいだ。
一昨日自動車学校で応急手当は教えてもらったので一応できる。
柔らかい二つの霊峰の真ん中を押すときのドキドキと唇の感触を味わうたびに高鳴る鼓動が疲れと時間を忘れさせてくれた。
女の子が意識を取り戻したようだ、俺は上半身を起こしたとき女の子がゆっくり目を開ける。
目を開けたとき時「この子すごく可愛い」と思い、赤面し、数秒声が出なかった。
女の子が口を開いた「後ろ!」。
事故した黒いセダンが後ろから迫っていた、すごくスローモーションに見えるが体が動かない、声も出ない。
しかし頭だけは動いた運転手目を覚まし慌ててアクセルを踏んだか、追突でこの車は動いているんだろうと考えていた。
そうしているうちに意識が飛んだ二人まとめて死んだのだろう。