第18.5話:温かい日常
「で、ここはいつから幼稚園になったんだ?」
アキヤマが呆れて一人増えた探偵事務所を見る。
「アキラ、たい焼き食べたい。」
「はぁ?!さっき山ほど食ってたよな?!」
「あれは朝と昼の間の間食。次は昼と夜の間の間食用に食べるの。」
「バケモノなのか?お前の胃袋は!」
「アキラ。ドーナツおかわり。」
「フッ……僕の右目が疼く。これはきっと幻影の使徒の残党が暴れているな……!(※いません)」
「アキヤマさん、電気代の請求書。今月かなり上がったみたい(※ほぼミヤビが元凶)」
一方台所ではアヤカが何やら禍々しい色の液体をかき混ぜている。
「よぉし。みんな待っててね。今特性カレーができるからね!」
アキヤマはデスクの椅子に座りタバコをふかす。
総勢6人となった探偵事務所。アヤカとミヤビは学園の寮があるが、アキラとザザンはどうやら今までスラム街で食い繋いできたらしい。両親はいない。
「はぁ……エルだけでも食費が嵩張るんだがな……」
アキヤマは冷蔵庫を見る。空っぽ。
「おい。冷蔵庫が空じゃねぇか」
エルはドキリ。当然だ。冷蔵庫を空にした犯人なのだから。
「……しゃあねぇな。おい小僧、初仕事だ。たい焼き買うついでにスーパーに買い出し行ってこい」
「えぇ?!俺っすか?!てか俺まだ働くって決めたわけじゃ……」
「あぁ?つべこべ言わず働け。ここにいる以上は従業員だ。……それとな、2階の部屋、空いてるから使っていいぞ。エルとザザンが隣にいるがな」
アキラは目を丸くさせた。
「え、俺ここで住んでいいんすか?」
「当たり前だ。うちは給料は安いがその代わりちゃんとそれ以外のサポートはしっかりしてるんだ」
「給料もしっかり払ってください」
ミヤビが呆れて言う。
「無理だな!」
アキヤマは即答。エルはソファで寝転びながらアキラに言った。
「こんなに騒がしいのが私の家族。アキラ。ついてこれる?」
「へっ。当たり前だ。あの地獄みたいな生活と比べりゃ楽勝だ。エル。俺買い出し行ってくるわ。」
そう言ってアキラは扉を開ける。アキラは歩きながら思う。
(俺、久しぶりにこんな騒がしい声聞いたわ。こんなあったかかったんだな……)




