表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

第14話:運に恵まれし少年ザザン

「誰だ?!」

男3人組がエルに向かって銃を向ける。しかし銃が発砲される前に剣が走る。


「……遅い。」


エルは柄で一人の顎を打ち、もう一人を肘で沈める。

そして残った一人の首に剣の刃先を当てながら聞く。


「あなたたち、こんな隠れたところで一体何を企んでるの?」


「へっ、誰が言うかよ……。俺は組織を売るほど廃れた男じゃねぇ……」


男がそう答えるとエルは獣のような目で睨んでみせる。


「ひぃぃぃっ!言います言います!薬の密売ですー!ボスの部屋はこのビルの最上階ですー!殺さないでー!」

男は先ほどまでの威勢をどこに捨てたのだろうか、情報を差し出した。


「……殺さないよ。私、無抵抗な人をいじめるほど落ちてないんだけど……」


エルは男を柱に縛り付け進もうとする。


「あ、忘れてた。」

エルは足を止め懐から一枚の写真を取り出す。


「この人、知らない?探してるんだけど」


縛り付けられてる男は写真を見る。

「こいつは……この前ボスが薬を打ったはず……」


その言葉を聞いた瞬間エルは男の襟首を掴む。


「その薬の正体は?この人は今どこにいる?……言わないと次は斬る……!」


エルの右の赤い目がまるで獣のように光る。


「ひっ……!薬の名前は…λです!そしてこいつは今ボスの部屋にいますぅぅ!」

そう言って男は気絶した。


「……ちょっと脅しただけなのに。まぁいっか。……ミヤビ。聞こえた?λについて調べて。」


「……えぇ。一部始終全部見てたわ。エル。あんた容赦ないわね。」

ミヤビが苦笑いしながらλについて調べる。


「……あったわ。λ。最近裏組織の間で出回っている薬ね。接種すると凶暴になるみたい。マイさんの旦那さんもそれが影響で凶暴化したみたいね。」


「これはただの人探しでは終わらないね。とりあえずボスの部屋に行くね。ミヤビ、他のみんなにも伝えて。ボスの部屋で合流だ、って。」


「自分で言いなさいよ……。一応複数人同時に会話できるんだから……。」


「やだ。私、説明苦手。それにミヤビが説明してくれた方がきっとみんなもわかりやすいはず。」


その言葉を聞いてミヤビは少し顔を赤らめ

「んもう、しょうがないわね。わかったわ。伝えとく。」


 一方アキヤマは大暴れしていた。

「よう。」


「うわ!誰だ貴様!」

護衛が殴りかかりにくる前にアキヤマは蹴飛ばす。


「一応ノックはしたぞ。」


護衛たちが一斉に銃を向ける。


「侵入者だ!やれ!」


「遅せぇよ」


アキヤマが突っ込む。拳、肘、蹴り。銃口が上がる前に人が倒れていく。


「数が多くてもこれじゃあ意味ねぇな。」


「……ミヤビよ。みんな聞こえる?」


「よう。聞こえるぞー。」


「エルから伝言。ボスの部屋で集合ですって。この事件、λが関わってる」


「λ?波長か?」


「薬の名前よ。あまり詳細がわからないから分かり次第連絡するわ。」


「おう。それじゃボスの部屋にでも行くか。……そーいやアヤカは?」


「通信が繋がらない。けど位置情報を見る感じちゃんと生きてるわ。」


「アヤカのやつ……通信機落としやがったな……まぁとりあえず目指すところは同じだ。大丈夫だろ。」


そう言ってアキヤマは歩き出す。



「あれ?耳につけてたインカム無くなっちゃった?!」


アヤカはその頃狭い排気ダクトをザザンとともに進んでいた。アヤカが突然止まったためザザンは危うくアヤカのお尻に顔面をぶつけて構図が最悪になるところだった。


「……ってわっ!急に止まらないでよ……あ、何かあったのかね、歌姫?」


「インカム落としちゃったの……これ絶対ミヤビに怒られる……」


「クッ……これも全て幻影の使徒たちの罠だと言うのか……(※ちがいます)」


するとその時下から笑い声が聞こえた。護衛の声だ。アヤカは咄嗟に今にもクシャミをしそうなザザンの口をおさえる。


「おい、何か聞こえなかったか?」


「気のせいだろ。第一このビルには総勢156名いるんだ。侵入者が入ってきたらそいつには同情するよ。なんせλを打たれてぶっ壊れちまうんだからなぁ!」

護衛二人が笑う。


「……ウックルシイ、アヤカサンシンジャウ……」


アヤカに口を封じられているザザンは今にも気絶しそうだ。


「シッ!護衛さんたちが行くまで静かにしてよう……あれ、鼻がむずむずしてきた……クシュン!」


「誰だ?!」


護衛たちが声を荒げる。


「ひぇぇぇっ!見つかったぁ!シヌゥぅぅ!」


「まだ死なない。行くよ!ザザン!」


アヤカとザザンは排気ダクトから飛び降りる。

護衛は二人。殴りかかりにくる。アヤカはブーメランを投げた。護衛二人にヒット。


「……ふぅ。たすか……」


ザザンが安心したのも束の間、騒ぎを聞きつけた護衛たちがやってくる。総勢10人。


「いやぁぁぁぁぁっ!いっぱい来たぁぁぁぁ!」

ザザンは悲鳴をあげる。とても綺麗とは言えない悲鳴。


「ザザン!下がって!」


アヤカはザザンを背にブーメランを構える。


「ふっ……嬢ちゃんが相手かぁ?情けないな?女の子の後ろで震えてるガキはぁ?」


護衛たちが嘲笑う。その瞬間ザザンはハッとしたのかアヤカの前に出た。しかし、足は恐ろしいほど震えている。


「ぼ、僕だって、やる時はやるんだぁぁぁぁ!」

そう言って取り出したのは機関銃。ザザンは敵に向かってあちこちに銃弾を打ち込む。が全く当たってない。


「下手くそだなぁ?一発も当たってねぇじゃねか。それじゃあ武器も泣いちまうなぁ?買い直したらどうだ?」


「くっそーーーっ!これが1番やすかったんだよぉぉぉ!」

そう言いながらザザンはもう一度連射する。


「だから当たるわけ……」

見張がいい終わらないうちに


ドォォオン!

天井が崩れた。しかも護衛たちの頭上だけ。


「……あ、あれ、助かっちゃった?」

ザザンが丸い目をする。


「すごぉぉぉい!ザザン!これが封じられた力?」


「え、あ。ククク……そうだ。全ては計画通り……。(危ねぇぇ!今ので絶対寿命縮んだよ!たまたま助かったけど!)」


「とりあえず、このビルで1番偉い人探そう!……でもどこにいるんだろう?」


「最上階じゃないか?」


「すごい!そんなことまでわかるなんて!やっぱりザザン、とっても強いんだね!」

アヤカがキラキラした目でザザンを見つめる。


「え、あ、あぁ。この先も僕に任せろ……!(もういいや……今更戻れない……)」


 運に恵まれた男と天然な少女。一番大変なコンビができてしまった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ