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第13話:荊に囚われし少年

 エルとアヤカとアキヤマは聞き込みをし男はスラム街を出入りしていることがわかった。

ミヤビはその調査をもとに街の防犯カメラをハッキングする。


 その後しばらくしてミヤビはパソコンの画面を見せた。それは街の防犯カメラ映像。


「スラム街周辺の防犯カメラ映像を洗いざらいハッキングした。そしたらあの女性、マイの夫と思われる男を見つけたわ。」

ミヤビが片手にドーナツを持ちながら話す。


「うわぁ!さっすがミヤビ!」

アヤカがミヤビに抱きつく。その時ミヤビの顔が少し赤くなったのをエルは見逃さなかった。


映像には依頼者の女性マイの夫らしき人物がいかにも堅気ではない集団に連れられ車に乗る様子。


「これは黒だね。確実に怪しい何かに巻き込まれてる」

エルが剣を準備する。


「うっし。大体の場所がわかりゃあ後は野となれなんとやらだ。エル、アヤカ、俺たちはスラム街当たるぞ。ミヤビ、指示は任せた。」

アキヤマの命令でミヤビは「任せて」と言う代わりに恐ろしいほど早いタイピング音が聞こえた。


 スラム街はネオトピアシティで最も治安の悪いとされている街だ。人影もほとんどなく時々飲んだくれの声が聞こえるだけだ。工場が点在しているためか排気ガスと油の匂いで充満しているため鼻の効くエルにとってはできればお近づきにはなりたくない街だ。


「相変わらずクセェ……おいエル大丈夫か?」

アキヤマはハンカチをマスク代わりにして今にも帰りたそうな表情をしているエルを見た。


「おじさん……定時だから帰っていい?」


「ダメだ。てかうちに定時という概念はない」


「エルが倒れそうだよー!」


(騒がしいブラック企業ね……)

ミヤビがこの会話を探偵事務所からインカム越しに聞いてため息をつく。


突然アキヤマが足を止める。


「ここだ……」


辿り着いたのは廃ビル。しかし入り口には護衛と思われる男が二人。


「……ミヤビよ。聞こえる?このビル、生体反応複数。推定150人。真正面から行くのは危険ね。」


「手分けして入った方が吉だね。ミヤビ。入れそうなところある?」

エルが聞くとミヤビは解析を始める。


「……三箇所あるわ。一つはあなたたちが今見てる入り口。二つ目は裏口。三つ目はダクトから入れるわ。ただ入り口が狭いから小柄な人しか入れないわね。」


「……よし。じゃあ3人に分かれて入るぞ。まず俺は警備が手厚な入り口から入る。エルは裏口からまわれ。アヤカは1番小柄だからダクトから入れ。全員いけるか?」


「問題なし」


「おっけい!」


エルとアヤカが武器を構える。


「おっし、お前ら。この依頼が終わったら今夜は打ち上げだ!」



 エルは裏口にまわった。そこには護衛が1名。

 「誰だ?!」


護衛の男がエルに向かってくる。がエルは軽やかな身のこなしで護衛を峰打ちした。


(……護衛が手薄すぎる……。)


エルは怪しんだもののそのまま建物に入って行った。


 アキヤマは入り口から正面突破。向かってくる護衛たちを軽々と交わし蹴り技を決める。彼は元保安局刑事なため多少の武術と射撃技の心得があるのだ。


「何だお前ら。でかい図体の割に拍子抜けじゃねぇか。」

そう言ってアキヤマはタバコに火をつけ建物内に入る。


 その頃アヤカは本来なら一人で排気口から侵入している予定だが……


「くっ……幻影の使徒により召喚された荊の魔獣に捕まるとは……しかしこの右目に封印されし力を解放すればこんな荊焼き切ってくれる……(た、助けて!絡まっちゃった!)」


アヤカは排気口にまわろうとした道中、フェンスに絡まった少年を発見したのだ。銀に近い灰色の髪。右目に黒い眼帯を巻いた男の子だ。


「ねぇ君、大丈夫?何してるの」

アヤカが声をかけると、その少年は少し嬉しそうな顔をしすぐに戻す。


「僕は今、この幻影の使徒と命をかけた戦いをしているのだ……。貴様はまさか、天空より舞い降りし歌姫か?!……ふっ、この戦いは勝ったな……(救世主きたぁ!この際女の子でもいい!僕を助けてくれ!)」


「この組織、幻影の使徒っていうんだね!すごい!組織の名前を知っているってことは、あなたも調査にきたの?」

アヤカがこの上ないほどの純粋な瞳で少年を見つめる。


「調査……?あ、あぁ。僕は今、この右目より封印されし力とともに幻影の使徒と戦っているのだ。」

少年はフェンスに絡まりながら右目を抑えて言う。

 

「すごぉい!じゃあ一緒に悪い人たちやっつけちゃおう?」


「ふっ……元からそのつもりさ。幻影の使徒はこの世界を征服しようと企んでいる……まぁ僕の右目の封印を解けばあいつらなど漆黒の闇に飲まれてしまうだろうがな……(しまったぁぁぁ!変な誤解させたぁぁ!)


「あなた強いのね!私はアヤカ。アヤカ・クリスティーヌ!あなたは?」


「ククク……僕の名前を聞きたいだと?いいだろう。僕は魔界より舞い降りし黄昏の竜騎兵(ドラグーン)の一人……ザザン・フレイムだ!」


「ザザンっていうのね!一緒にその幻影の使徒を倒しに行きましょう!」


そう言ってアヤカはザザンをフェンスから引っ張り出す。


「ア、アリガトウゴザイマス。ククク……幻影の使徒め……。僕がこの程度で倒れるとでも?!」

ザザンが決めポーズをするとアヤカはザザンの手を引っ張って歩き出す。


「よし!じゃあ行こっか!」


「え?行くってどこへ……?」


「幻影の使徒をやっつけに行くのよ!」


「えーと、そっちは本当の意味のアジトでは……?」


「そうだよー!あれ、なんか震えてる。大丈夫?」

アヤカが足を震わすザザンを見て言う。


「ハッ、ハハッ。これは封印されし悪魔が暴れているだけさ……案ずるな。これは戦いの前の前兆なのだ……」

ザザンが震える足を手で全力で止めながら言う。


こうしてザザンはアヤカに連れられ建物に入った。


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