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対能力犯罪部隊 AAC  作者: 法村七士
第1章:変化
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2.異変

数日後。悠真は、天穀産業の本社ビルを出て街路を歩いていた。

空はすでに茜色から群青に移ろい、街灯がひとつ、またひとつと灯り始めている。

大通りには仕事を終えた人々があふれ、車のヘッドライトが光の帯を描き出していた。


日常的な喧騒。

だが、そのざわめきに混じって、どこか不穏な響きが耳に届いた。


「誰か倒れてるぞ!」

「早く医者を呼べ!」


叫び声とともに、人々の流れが一点に集中していく。

悠真は思わず足を止めた。

心臓が小さく跳ねる。何か嫌な予感が、背筋をひやりと撫でた。


彼は人だかりの方へと歩みを進めた。


ただの事故だよな?と心の中でつぶやく。


しかし、群衆の顔には驚きと恐怖が入り混じっている。


「また……疑似食品か?」


誰かのつぶやきが風に紛れて届いた瞬間、悠真の呼吸が詰まった。

――まさか。


悠真は焦る気持ちを抑えきれず、群衆をかき分けて中央へ進んだ。

肩がぶつかり、非難の声が飛んできても気にする余裕はない。

胸の奥で脈打つ鼓動が早まり、嫌な汗が背中を伝う。


視界が開けた瞬間、悠真の心臓は強く締め付けられた。


路上に、ひとりの男が崩れ落ちていた。

灰色のスーツは乱れ、ネクタイは外れかけ、シャツには濁った液体が染みついている。


その顔を見た瞬間、悠真の足が止まった。


「……陽介?」


高校からの親友であり、酒場で「支払いを頼む」と苦笑していたあの陽介が、冷たい舗道に横たわっていた。


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