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鎌と繭 〜送る者と未来の希望と。  作者: チギレタ=モゲル
エリア1 「見捨てられた研究所」
7/16

服は、なんだか優しいにおいがする。



かくして、

エトの為の女性用の下着と

シルクのワンピースが完成する。

ワンピースに宿った魂は

下着越しにエトに触れられて多分喜んでいるだろう。

だが直接エトに触れるのは許さなかった。

なんか嫌だった。


着せている最中に天元突破しそうになったが、

何とか鋼の意志で踏みとどまる事が出来た。

偉いぞ、偉いぞエシュタント。


「ふわふわ」

「だろう?我ながら超イケてると思うぜ」


余った繊維はショルダーベールのように

肩から掛ける物として製作したので

ある程度の天候差でも行動できるだろう。



使った魂はお気づきだろうか、

あの【お父さん】である。

ヤツも自分の娘の服になれて本望だろう。

この服が存在してる間来世には向かえないが

まぁ、用が済んだら俺がちゃんと

服から引き剥がして送ってやるつもりだ。


無責任にこの終わった世界でガキのお守りを、

よりにもよって死神に頼んだんだ。

最期ぐらい役に立って貰うぜ、『お父さん』よ。


ぐぅぅぅ……。


「…とりのやつ、まだ…?」


そう、服の問題は解決した。

次の問題は…食糧問題だな。


ーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあ、しょくじ?もう無いの?」

「あぁ、少なくとも鳥のやつはもうねぇな」


最後の鳥の缶詰を食べ終わったエトに、

エスはカードキーをちらつかせる。


「だが、もしかしたらこのカードキーで開く場所のどっかにはまだ残ってるかもしれねぇ」

「探しもの?」

「まぁそうだな」

「そっか!」


エトは無邪気に笑う。


「そんなに楽しいもんじゃねぇぞ?あるか分かんねぇ物を探すのはな…探してる時が一番暇なんだ」

「……うん!」

「分からないのに返事をするのは悪い事だからやめような」



二人は医務室を離れると、

念の為手を繋ぎながら施設内を探索する事にした。

何が襲ってきても、

これならエスがエトの盾になれるからだ。


エトは今、心臓の鼓動がある【生きている】生物で、

エスは魂のエネルギーを糧にする【精神的な】生物だ。


あのワケの分からないモンスターが襲ってきても

多少のダメージならエスは耐えられる。

ただ、それで無茶をして天命が尽きた時に

エトを一人にしてしまうと言うヘマだけは

絶対に阻止しないといけない。



「チッ、ここも空振りかよ。クソッ」

「おこらないで…?」

「おっと、悪いな」


だいぶ時間をかけて捜索してはいるが、

食糧倉庫のような場所に行きつかない。

まさかエスがエトと出逢う前、

一部屋あたりを付けていた、あの倉庫が

この施設全ての食糧を貯蔵していた倉庫だったとか、

まさかそんな事はないだろう。

…ないよな?


「地図でもありゃあ良いんだが…」

「ちず?」

「どこに何の部屋がある、とか。ここは何に使う部屋だぞー、っとか書いてある紙、もしくは壁のことな」

「…あれのこと?」


エトが突然立ち止まって壁を指差す。

怪訝な顔でエスは近寄ってみるが、

何の変哲もない、苔むした壁だ。


「何も書いてねえじゃねえか?」

「ちがう、この向こう」

「は?」


エトは壁をつんつんとつついている。


「向こう、しかくとかがいっぱい書いてる、これ、地図?」

「…向こうって」


壁をよく見るが、穴が空いているわけでも、

窓がついてるわけでもない。

…正真正銘、ただの壁なのだ。


いや、まさかな。


「エト。この壁の向こうに、見えるのか」

「うん」



透視能力!?だと!?

エトの光る黄緑の目は暗視能力が有るのは知ってた。

でも物を透視する事も出来るとなると…!


「すげぇ…!すげぇじゃねぇか!!でかしたエト!!」

「…耳がキンキンする」

「そうと決まればこの壁の向こうに行く手段だな…おっ」


もしかしなくてもキーカードの出番だな…!


エスは鼻歌を歌いながらキーカードを差し込む。

壁越しに透視出来る能力をエトが持ってるなら、

地図さえ分かれば壁越しに見てもらって

敵の有無、物資の有無を教えてもらえば

効率がバカ上がりだ!


「エト、大体あの壁の向こうに地図があるって言ってたよな?」


キーカードによって施錠された自動扉が

小さな機械音をたてて横に開いていく。


「うん、ちょうど…


きゅうしょくのひとも居るから、


きいてみてもいいと思うよ」

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