観音
雨がしとしとと、壊れかけた軒を打ち続けている。
風も強くなってきた。
ここは山間の村。秋の空のことだ、朝には晴れるかもしれない――お通はそんなことを考えながら、まだ帯も解かずに座っていた。
寝つきの悪そうに夜具の中でごそごそしていた城太郎も、いつの間にか眠りに落ちている。
ぽと、ぽと……どこかで雨漏りの音が響く。雨粒が戸に打ちつける音が、がたがたと聞こえる。
「城太さん」
お通はふと、彼に声をかけた。
「――ちょっと、目を覚ましてくださいな。城太さん」
何度呼びかけても、目を覚ましそうな気配もない。無理に起こすのもどうかと、彼女はためらった。
ふと彼を起こして、訊ねたいと思ったのは、お杉ばばのことだった。
城太郎が途中でも河原でちらっと話していたが、この激しい雨の中で、彼がばばに与えた罰はあまりに酷い。かわいそうだ。
(こんな雨風に濡れれば、きっと冷えてしまうだろう。年を取った体には堪える。悪くすれば朝までに命を落とすかもしれない……いや、何日も人目につかずにいたら、餓死してしまうのは目に見えている)
お通は、ばばの身を案じ始めた。仇とは思わず、憎む気持ちもない。ただ雨音と風音が激しくなるほど、独りで胸が痛むばかりだった。
(あのばば様も、根っから悪い方じゃないのに……)
彼女は天を仰ぎ、ばばの代わりに庇ってやりたいような気持ちになった。
「こちらが真心をもって尽くせば、いつか真心はどんな人にも通じるはず。……そうだ、城太さんに後で怒られるかもしれないけれど」
ついに、お通は何かを決意した様子で、雨戸を開けて外に出た。
空は暗闇に包まれていたが、雨が白くしぶいている。
土間に置いてあったわらじを履き、壁に掛けてあった竹の笠を頭にかぶると、お通は裾を折り、蓑をまとった。
ざざ、ざざと軒先を伝う雨に打たれながら、彼女は歩き出した。目指すのは、宿場のそばにある山神堂への高い石段が続く山道。
夕方に麻屋の万兵衛と一緒に登った、あの石段は雨で滝のように流れていた。登り切ると、杉林がごうごうと吠え、宿場よりも遥かに風が激しく吹きつけてきた。
「どこだろう? おばばさんは」
お通は詳しい場所を聞いていなかった。ただ、どこかこのあたりに懲罰として置いてあると、城太郎が言っていたのだが――
「もしかして……」
御堂の中を覗いてみた。また、床下にもいないかと呼びかけてみたが、返事はない。
祠の裏へ回り込み、風に吹きつけられながら、じっと立ち尽くしていると――
「おうーいっ。誰か来てくれないか……誰か、この辺に人はおらんか……ううむ、ううむ」
うめき声とも叫び声ともつかない音が、途切れ途切れに風と雨に乗って聞こえてきた。
「おお、ばばさんに違いない。――ばば様あ、ばば様あ」
お通も声を張り上げ、風に向かって呼びかけた。
お通の呼びかける声は、雨風にさらわれ、暗い虚空へ消えていった。
だが、彼女の心は、見えない闇の中の誰かに届いていたのかもしれない。
「おうっ、おうっ。誰ぞそこらにおいでの方やある。助けてくだされよの。ここじゃあ、ここじゃがのう。――助けてたもようっ」
ばばの声が、まるでお通の呼びかけに応えるように、途切れ途切れにどこかから聞こえてきた。
その声も雨風にかき乱され、はっきりとした言葉にはならないが、ばばが必死に叫んでいることは、お通の耳にすぐに分かった。
お通は探しながら声を張り上げたが、喉もすでに嗄れ果てていた。
「……どこですかあ? どこですか? ばばさんっ、ばば様あ」
彼女は御堂のまわりを駆け巡った。
そして――
御堂から杉の木陰を曲がって二十歩ほど先、奥の院への崖道の入り口に、大きな岩で閉じられた熊の巣穴のような洞穴を見つけた。
「……ここに?」
お通は急いで中を覗き込むと、ばばの声が確かにその洞穴の奥から漏れてくるのが聞こえた。
だが、洞穴の口には彼女の力では動かせそうにない大きな岩がいくつも積み重ねられ、出入りを塞いでいた。
「どなたじゃ!……それへ来たのはどなた様じゃ! もしやこのばばが信仰する観世音菩薩の化身ではおわさぬか。あわれ、お助けなされませ。――外道のために、この難儀な目に遭おうた不憫なばばを!」
ばばは岩の隙間からお通の影を見つけ、狂喜して叫び出した。
泣くように訴えるように、そして信仰する観音の幻影にすがる思いで、生き延びようと祈り続けた。
「――嬉しや、嬉しや。ばばの善心を日頃から哀れんで、この大難に仮の御姿で救いに降りてくださったのですか。大慈大悲、南無、観世音菩薩――南無、観世音菩薩」
ばばの声はそれきり、静かになった。
ばばは一家の長として、また子の母として、自分を善人であると信じている。自分の行いはすべて正しいと確信しているのだ。もし自分を守らない神仏がいるなら、それは神仏のほうが悪いに違いない、とさえ思うほどだ。
――だからこそ、風雨の中、観音菩薩の化身が助けに来ても、ばばにとってそれは不思議なことではなく、当然のことに思えたのだ。
しかし、その幻覚が幻ではなく、誰かが本当に近づいてきたと知った瞬間、ばばの気が緩んでしまい、そして「ああ」と声を上げたまま気を失ったのかもしれない。
「……?」
洞穴の外にいるお通も、あれほど狂気じみていたばばの声が急に途絶えたことで、不安が募った。
早く洞穴の口を開けようと必死の力を振り絞ったが、その岩のひとつすら彼女には動かせなかった。
竹笠の紐は切れ、黒髪は蓑とともに雨風に吹き散らされていった。
どうしてこんな大きな岩を、城太さんが独りで動かしたのか、とお通は思った。
体で押してみたり、両手で岩に力を込めてみたが、洞穴の口は一寸たりとも開かなかった。
お通は力を使い果たしながら、
(城太さんも、あんまり酷いわ)
と、心の中で恨めしく思った。
自分が来たからよいものの、このまま放っておけば、ばばは中で気が狂い、死んでしまうかもしれない。
それに、急に声が聞こえなくなったのも、もしかしたら、もう半分死にかけているのではないかという不安が湧いてきた。
「ばば様。お待ちなさいよ……気をしっかり持って! 今! もうすぐにお助けいたしますから」
お通は岩と岩の間に顔を寄せて声をかけたが、返事はなかった。
もちろん、洞穴の中は暗闇に包まれ、ばばの姿も見えない。
――だが、かすかに聞こえてきた。
或遇悪羅刹
毒龍諸鬼等
念彼観音力
時悉不敢害
若悪獣囲繞
利牙爪可怖
念彼観音力
ばばの唱える観音経の声が微かに届いてきた。
ばばの目にも耳にも、お通の声や姿は届いていなかった。ただ、彼女には観音菩薩が見え、その御声が聞こえている。
ばばは合掌し、安心しきった表情で、今は涙を流しながら、ふるえる唇から観音経を唱え続けていた。
しかし、お通には神通力などなかった。積み重ねられた三つの岩の一つも動かせなかった。
雨は止まず、風も収まらず、やがて彼女の蓑も千切れ果て、手も胸も肩も、ただ雨と泥にまみれていくばかりだった。
しばらくして、ばばもふと不審に思ったのか、隙間に顔を寄せて外をうかがいながら、
「誰じゃ? 誰じゃ?」
と叫んだ。
力も尽き、どうしようもなく風雨の中で身を縮めていたお通は、
「おお、ばば様か。――お通でございます。まだそのお声ではお元気のようで」
と答えた。
「何?」と疑うように、
「お通じゃと?」
「はい」
「…………」
少し間を置いて、もう一度、
「お通じゃと?」
「はい……お通でございます」
ばばは愕然としたように、まるで幻覚から叩き出されたかのようにして、
「ど、どうして、汝がここへ来たぞよ……ああ、さては城太郎めが、後を追ってきたのか」
「今、お助けいたします。ばば様、どうか城太さんのことはお許しくださいませ」
「わしを、救いに来た……?」
「はい」
「汝が……わしを」
お通は言葉を続けた。
「ばば様。どうか今までのことはすべて水に流して、お忘れくださいませ。幼い頃にお世話になったことは覚えておりますが、その後の憎しみやお叱りは、決して恨みに思っておりませぬ……わたくしのわがままもあったことで」
「では、目が覚めて前非を悔い、本位田家の嫁として戻りたいとでもいうか」
「いえ、いえ」
「では、何しにここへ来たのか」
「ただ、ばば様があまりにもお可哀そうでなりませんゆえ」
「それを恩に着せて、以前のことは水に流せとでも言うのか」
「…………」
「頼むまい。誰がそなたに助けを求めたか。――もし、このばばに恩でも着せて、怨みを解くとでも考えたのなら、大間違いじゃぞ。たとえ苦しみの底におろうとも、ばばは命欲しさに意気地を曲げはせぬ」
「でも、ばば様。どうしてあなたのようなお年を召した方が、こんな目に遭われているのを見過ごせましょうか」
「上手を言うて、汝も城太と同じ腹か。ばばを騙してこうしやったのは、汝と城太だ。もしこの洞穴から出られたなら、必ずこの仕返しはしてみせるぞ」
「今に――今に――わたくしの気持ちが、きっとばば様に分かっていただける日もございましょう。ともかく、そんな所にいてはまたお体を害してしまいます」
「よけいな戯言を。うぬ、城太と一緒になって、わしをからかいに来おったのだろう」
「いえ、いえ、見ていてください。わたくしの一心で、きっとお怒りを解いてみせます」
お通は再び立ち上がり、岩を押した。
動かない岩を、泣きながら押し続けた。
すると、絶対に動かなかったはずの岩が、その時、涙の力で動いた。三つの岩のうちの一つが、どさっと地面に落ちたのだ。
それからもう一つの岩も、思いがけず軽く揺れ動き、ついに洞穴の入り口が開いた。
それはお通の涙の力だけでなく、ばばも中から力を加えていたからであった。
ばばは、まるで自分の力だけで岩を突き破ったかのような勢いで、血相を変えて洞穴の外へ飛び出してきた。
一心が通じ、岩が除かれた。
お通は、押し動かした岩とともに、よろめきながら心の中で「うれしや!」と叫んだ。
しかし――
ばばは洞穴から飛び出ると、いきなりお通の襟元に飛びかかり、力任せに彼女を地面に引き倒した。それが、この世へ戻ってきた第一の目的であったかのように。
「あれっ――ばば様っ」
「やかましい!」
「な、なんで……」
「知れたこと!」
ばばはお通を大地に引きずり倒し、容赦なく力を加えた。
それも当然のことかもしれないが、お通にとってはこの結果は想定外だった。真心をもって接すれば、相手も真心で返してくれると信じていたお通には、このような裏切りは予想していなかったのだ。
「さあ、おじゃい!」
ばばはお通の襟を掴んだまま、雨でぬかるんだ地面を引きずり回した。
雨は少し小やみになったが、それでもばばの白髪に煌めきながら降り注いでいた。
お通は引きずられながら手を合わせて懇願した。
「ばば様、ばば様、どうかお許しください。お叱りは受けますが、このまま雨に打たれては、ばば様のお体が悪くなってしまいます」
「なんじゃと? 図々しいことを言うて、泣き落としにくるつもりかいな!」
「逃げませぬ。どこへでも参りますから、どうかお手を……ああ……苦しい」
「あたりまえじゃ」
「は、離して……くく……」
喉が締めつけられ、お通は苦しみの中でばばの手をもぎ払おうとしたが、
「逃がすか!」
とばばはさらに彼女の黒髪を根元から掴み、白い顔が宙を向くと、そこへ雨が降り注いだ。お通は目を閉じたままだった。
「ええ、わが身のために、どれほど長い年月、辛苦をなめさせられたことか!」
ばばは罵りの言葉を投げつけ、お通が言い返そうとするたび、黒髪を引きずり、踏みつけ、打擲した。
しかし――そのうちに、ばばはふと「しまった!」というような顔をして、急に手を離した。
地面に倒れたお通は、虫の息も感じられなかった。
さすがに狼狽し、
「お通っ。お通やあ」
と呼びかけたが、雨に濡れたお通の顔は冷たく、まるで死んだ魚のようだった。
「……死んでしもうた」
ばばは茫然とつぶやいた。殺すつもりではなかった。決してお通を許す気もなかったが、ここまでやるつもりもなかったのだ。
「……そうじゃ。ともかく、一度屋敷へ戻って」
ばばはその場を去ろうとしたが、またふと引き返し、お通の冷たい体を抱えて洞穴の中へ運び入れた。
入り口は狭かったが、中は意外に広かった。昔、求道の行者が座っていた跡のような場所も見受けられた。
「おお、なんという酷いことを……」
ばばが再び洞穴から這い出ようとした頃、洞穴の入り口はまるで滝のようになっており、奥まで真っ白な飛沫が吹き込んできた。
出ようと思えばいつでも出られるようになった今、この豪雨の中を無理に出る必要もなかった。
「やがて夜も明けるだろう」
そう考えたばばは、洞窟の中で暴風雨が収まるのを待っていた。
しかし、真っ暗な洞窟の中で、お通の冷たい体と一緒にいるのが、ばばには恐ろしく感じられた。
白い冷たい顔が、自分を責めるように、いつもこちらを見ているように感じる。
「何事も、約束事じゃ。成仏してたもよ……怨むなよ」
ばばは目を閉じ、小声で経を誦じ始めた。経を誦じている間は、罪悪感も恐れも忘れることができた。幾刻もそうしていた。
チチ、チチと、小鳥の声がふと耳に染み入った。
ばばは目を開けた。
洞窟が見え、外から射し込む白い光が、荒れた土の肌を照らしていた。夜明け頃から雨も風も止んだらしい。洞穴の入り口には、金色の朝日が反射して輝いていた。
「なんじゃろ?」
立ち上がろうとしたばばは、ふと顔の前に浮かび上がった文字に目を奪われた。それは洞窟の壁に刻まれた誰かの願文だった。
天文十三年、天神山城の御合戦に、浦上殿の軍勢に森金作という十六の子を立たせて、ふた目とも見ざる悲しさのあまりに、諸所の御仏を尋ねさまよい、今ここに一体の観音菩薩を据え奉ること、母の身に狂いの種ともなり、金作がために後生を願い奉るに侍る。
幾世の後、ふと訪う人もあらば、哀れと念仏なしたまわれ、今年金作が二十一年の供養なり。
施主 英田村 金作が母
所々風化して読めない箇所もあるが、天文や永禄の時代といえば、ばばにも古い記憶が蘇る。
その頃、この近郷一帯の英田、讃甘、勝田の諸郡は、尼子氏の侵略を受け、浦上一族は各地の城から敗退を続けていた。ばばの幼い頃の記憶にも、空が煙に曇り、畑や道ばた、農家の近くまで兵馬の死骸が幾日も放置されていたことが残っている。
金作という十六歳の子をその戦に送り出し、その後一度も会えなかった母親は、二十一年経っても悲しみを忘れられず、亡き子のために諸所を巡って供養を続けていたようだ。
「……さもあろう」
又八という子を持つばばには、この母親の気持ちがひしと伝わった。
「南無……」
ばばは岩の壁に向かって手を合わせ、嗚咽こそこらえたが、涙が止まらなかった。
しばらくそうして泣き暮れていたが、我に返ると、その涙の合掌の下に、お通の顔があった。
お通は、既にこの世の朝の光も知らず、冷たくなって横たわっていた。
「お通っ……悪かった。このばばが悪かったぞよ。許してたも……許して……たも」
そう呟きながら、ばばは突然お通の体を抱き上げ、叫んだ。悔悟の色が彼女の顔に溢れていた。
「恐ろしい、恐ろしいのう。親ゆえの闇とはこのことか……わが子可愛さに、ひとの子には鬼となっていたのか……お通よ、そなたにも親があったのじゃろう。そなたの親御から見れば、このばばは子の仇、羅刹のようであったじゃろう……ああ、わしの姿は夜叉にも見えたであろう」
洞窟の中、彼女の声は反響し、彼女自身の耳に帰ってきた。
ここには、人の目も世間もない。ただ、あるのは闇、いや、菩提の光だけだった。
「――その羅刹にも夜叉にも見えようわしを、そなたは長い間、怨みもせず、ただばばを救おうと、この洞穴まで来てくれた……。おう、今思えば、そなたの心は真実であった。それを、ばばは邪な心で誤解し、恩を仇で返して憎んだのも、すべてわしの心がねじれていたからじゃ……許してくれ、お通」
そして、お通の顔を抱き寄せ、自分の顔をぴったりと寄せて言った。
「こんなにも優しい娘が、わが子にもあろうか……お通よ、もう一度目を開けて、ばばが詫びる姿を見ておくれやれ。もう一度、ばばを罵り、気を晴らしてくれよ……お通よ」
お通へ向けて悔悟の思いが溢れ出す中で、過去のさまざまな自分の姿が懺悔の対象となって浮かび、ばばの心に深い後悔が噛みついてくる。
身も世も忘れ、
「許してたべ……許してたも」
ばばは、お通の背を抱きしめ、共に死のうと思いつめたが、
「いや、嘆いている間に早う手当をしたら、もう一度、生き返ることもあるかもしれん……生きてあれば、若い春の長いお通じゃ」
ばばはお通の体を膝から下ろし、よろめきながら洞窟の外へ飛び出した。
「あっ」
急に朝の陽を浴び、眩しさに思わず顔を覆い、
「――里の衆!」
と叫んだ。
そのまま駆け出し、
「里の衆! 里の衆――来てくだされや!」
すると、杉林の彼方からがやがやと人声が聞こえ、やがて、
「いたぞうっ!――おばばが無事で、あれにおるぞっ!」
と叫ぶ声がした。
見ると、本位田家の一族や身寄りの者が十名近く集まっていた。
昨夜、佐用川の河原から血にまみれて戻ってきた郷士の一人が知らせたため、豪雨をものともせずばばを捜しに出た人々だった。皆、蓑笠を身にまとい、ずぶ濡れの様子だった。
「おお、ばば殿」
「ご無事だったか!」
駆け寄ってくる人々が安堵の表情を浮かべる中で、ばばは喜ぶ様子も見せず、
「わしではない。わしはどうでもよい。早く、あの洞穴の中にいる娘を手当してたも……助けてたも……もう気を失ってから時間が経っているから、早くしないと……早く薬などを……」
まるで夢中のように洞穴を指さし、言葉も舌がもつれるほどに、異様な悲しみに涙を浮かべていた。




