表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢が溺愛エンドを迎えた世界に、魔法オタクが転生したら  作者: じうかえで
第一章 ヒロインらしくしなくてもいいよね?
5/67

5 異世界転生④




「では、これで今日は解散とします。明日から授業が始まるので、忘れ物をしないように」


 担任の先生が言い終わるがいなや、静かに座っていた生徒達が一斉にざわめきだした。

 入学式が終わり、教科書も配られて、重たい鞄を背負って教室を出る。


「まさか、五人ともA組だったなんてね」

「学園でもみんなで一緒にいられて嬉しいわ」

「そういえば、アリア嬢の属性って何なの?」


 ヘレンドが目を輝かせて訊いてくる。

 王太子や公爵令嬢・令息と、出会った時から物怖じせず話す私に興味津々のようだ。確かに、周りを見てみると、皆彼らからは距離をおいている。私のような人間は珍しいのかもしれない。


「私は、水と光です」

「うおっ、二属性か! 初めて見た!」

「しかも貴重な光属性ですね。僕も初めてお会いしました」


 四人揃って意外そうな顔をする。


「授業が楽しみね! 光魔法を見てみたいわ!」

「ふふ。光魔法はとても綺麗だから、きっと楽しんでもらえると思いますよ。皆さんの属性は何ですか?」

「俺は火だ! 髪や瞳の色と同じで、気に入ってるんだ!」

「僕は風だよ。王族は風属性が多いからね」

「僕は水です」

「ユーリは、よく俺が火を暴走させた時に水をかけてくれるんだよな!」

「危ないのでもうしないでいただきたいのですが、ヘレン」


 ユーリが溜息をついた。


「私もユーリさまと同じ水よ。ただ、魔法は少し苦手だけど……」


 カトリーアが語尾を濁す。


「苦手でもきっと大丈夫です! 魔法学園には、魔法を習うために来ているのですし!」

「それもそうね。……私、頑張るわ! 皆さま、ご指導よろしくお願いします!」


 満面の笑みが可愛い。悪役令嬢という役なだけあって、顔は超絶良いのだ。何も知らずに出会っていたら、女子でも一目惚れしてしまいそうなほどに。


「カティのそういう前向きなところ大好きだよ」


 王子が、なんでもないことのようにさらっと言い放つ。

 びっくりして顔を向けると、先程と変わらず、爽やかな甘い笑みを浮かべている。

 対してカトリーアは、頬を赤らめる。


「も、もうっ、ラギさま! 外ではおやめくださいと、あれほど……!」


 側近の二人は子供を見守る母のような微笑みを浮かべている。……穏やかな笑みの中に、諦めと似たような雰囲気が混ざっている気もするが。


「ふふ。夫婦仲がよろしいようで、何よりです」

「アリアさままで! それに、まだ結婚はしてませんわ!」


 さらに赤くなり慌てるカトリーア。仕草や表情が、いちいち可愛い。彼女を好きな殿下の気持ちが少しわかる気がする。




 彼女達とは、今日一日でかなり仲良くなった。実際に話してみても、私をいじめる気など微塵もなさそうだ。

 ストーリーの重要人物だらけだからこの先何か起きるかもしれない、という不安は無いわけじゃない。けれど、仲良くなった彼らを信じたいという思いの方が、私の中では強かった。

 カトリーア達は他の生徒への挨拶があるらしく、中庭で別れた。幼い頃から社交界にいる高位貴族の人々は、人付き合いも大変なのだろう。

暇つぶしに校内を散歩してみてもいいかとも思ったが、まだ住んでいた領地から王都に来たところで荷ほどきが終わっていなかったことを思い出して、寮へ続く道を一人、歩き出した。


 四人とも、とても良い人達だったと思う。カトリーアも原作とはかなり性格が違ったし、仲良くなれそうだ。早速友達ができたってハンナに報告しないと。

 わくわくしながら部屋のドアを開けると、ハンナが出迎えてくれた。

 ハンナは、領地から一人だけ学園に連れてきた私専属の侍女だ。私が幼い頃から、身の回りの世話をしてくれている。


「お帰りなさいませ、お嬢様」

「ただいま、ハンナ。紅茶を淹れてくれる?」

「承知しました。ところでお嬢様、お友達はできましたか?」


 ニヤリと意地悪く笑ったハンナに胸を張って告げる。


「もちろん! バートネット公爵家のカトリーアさまと、王太子殿下、それからユーリ・ハントベアさまと、ヘレンド・ヴァーネスさまと仲良くなったわ。皆同じクラスなの」


 それを聞いたハンナが、驚いたような、それでいて安心したような顔になる。


「それはよかったです。ハンナは、引きこもりで人見知りでオタクのお嬢様にお友達ができるか心配していたもので。それを聞いて安心しました。ああ、安心して涙が……ううっ、ぐすっ」

「ちょ、ハンナそれ、ディスってない?! 私、主人!」

「とにかく! お茶を終えたら、荷ほどきですよ。まだ四分の一ほど残っているので」

「あ、ハンナ逃げた! 心配しなくても、もう私も大きいんだから、自分で友達くらい作れますぅ!」


 頬を膨らませて言うと、ハンナがくすくすと笑った。

 少し拗ねながら、ハンナが引いてくれた椅子に座る。出された紅茶のカップを口に近づけると、ふわりとリコル草の香りがした。さすがハンナ。私の好みをよくわかっている。


「お嬢様、そろそろ荷解きの続きを」

「そうだね。早く終わらせちゃおう! そして早く魔法の練習をしたい!」


お読みいただきありがとうございます!

明日からしばらく、毎日18時に投稿予定です!


少しでも「面白いな」「続きが気になるな」「好きだな」と思ったら、ブックマーク・評価(☆)・リアクションをつけていただけると、作者がめちゃくちゃ喜びます。

さらに、感想・イチオシレビューも書いていただけると、作者が飛び跳ねて喜びます。



また、X(旧Twitter)で、投稿予定や物語の小ネタ、日々のつぶやき等をポストしております。

よろしければそちらもフォローしていただけると、作者がめちゃくちゃ喜びます。

X→ https://x.com/jiu_mapleleaf?s=21


何卒よろしくお願い致します!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ