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3話 『お互いだけが拠り所』

 掴む私の力に負けてくれ、なんとかその場に留まってくれた焔ちゃんと、私は今後についての話をまずはする事にした。


「もう、結局私がいないとダメなんだから! ま、私も雫がいないと正直生きていける自信ないけどさー」

「そうそう、そこはお互い様なんだから、とりあえず装備とかステータスを見てみようよ」


 この世界にもステータスは存在する。

 それは事前情報通りであり、ステータスの見方については簡単だ。

 ただ現れろと念じるだけ。


 ステータス


 名前:兎間雫

 レベル:1

 ギルド:所属なし


 HP:50/99999

 MP:10/99999

 STR:25/99999

 VIT:20/99999

 INT:25/99999

 MND:30/99999

 AGI:20/99999


 素質:MND上昇率20% INT上昇率10% STR上昇率10%


「んー、これが私のステータスか」


 ステータスの表記上、英語にはなっているものの、簡単に言えば上から順に、攻撃力、守備力、……これは賢さで良いのかな? あとは、魔法防御力と素早さだ。


「私はどちらかといえば魔法防御力特化って事かな?」


 ステータスを見れば分かる通り、素質によってその部分は少し上昇している。

 他のステータスがどれも統一されたように揃えられていることから、素質以外のところは初期ステータスって事で間違いないだろう。

 ただ、勿論人によって素質の面は違う。


 例えば素質が全て50%という人間が居たのなら、考えれば分かる通り、私なんかよりも圧倒的に強くなる。

 ……まぁ居たとしたらの話だけども。


「雫のステータスはどうだった〜?」

「あー、ちょっと待って。パーティー申請しなきゃ他の人にステータスを見せられないみたい」


 どうしてパーティーじゃないとステータスを見せられないのかについては深く考えずに、元々一緒に行動する気だった私たちは躊躇なくパーティーを組んだ。

 当然。パーティーリーダーは焔ちゃん……ではなく、私だった。


「はっ? なんで焔ちゃんじゃなくて私がリーダーなの?」

「まぁまぁ。私は考えるのとか苦手だからさ、雫のがリーダーに向いてると思ったの!」

「はぁ、まぁ良いや。それじゃ、ステータスを比べよっか」


 それから少しの間お互いのステータスを見合い、比べてみた所、やはりというべきかおおよそのステータスは同じだった。

 違う点はやはり素質だ。

 焔ちゃんはまさかのスピード特化。それも、AGI30%に加え、STR15%という、総合的に見れば私より素質は上だった。


「むー、焔ちゃんのが私より強いんだけど」

「いやー、こればっかりは私に言われましても。ま、モンスターを倒せば強くなれるから大丈夫でしょ! それに、武器とかによってももしかしたら違ってくるかもしれないしさ!」

「そんな焦んなくても。冗談だって。焔ちゃんのが私よりゲームやってたし、運動神経も良いんだから強いのは当然だし!」

「ちょっ、急に褒めないでよ! 照れるじゃん!」

「はいはい。さ、装備の確認とアイテムの確認するよー」

「えぇ!? 急に塩対応!?」


 イジけてる焔ちゃんは放っておいて、私は自身の装備を確認した。

 と言っても、装備しているのは布の服とズボン、それに鉄の短剣だけだ。

 これぞ初期装備って感じの装備が今の私と焔ちゃん。


 アイテムに関してはポーションが5つに、お金が1500Gのみ。


「雫! あそこに武器屋があるよ! お金もあるし揃えないと!」

「えっ? なに言ってんの? 今ここで使ったらこの先の生活はどうするの? 多分このお金じゃ家とかは借りれないんだよ?」

「大丈夫! お金はモンスターを倒して稼ぐから!」

「はぁ。とりあえず見るだけだからね。買うかはどうかは見てから!」

「はーい!」


 焔ちゃんを引き留めてはいるものの、内心私も武器が気になっているのは言うまでもない。

 更に言ってしまえば、短剣という武器の短さにおいて、モンスターを倒すには危険な気がしていたのだ。

 せめてもう少し遠距離から攻撃できる武器が欲しいっていう気持ちもあった。

 だが、今回は見るだけだ。

 そう、買うつもりはない。


「ありがとうございました〜!」


「あぁ、やってしまった。ついつい買ってしまった……」

「ま、まぁまぁ、最初から強そうな武器入手したんだし良いじゃん! 初期投資は大事だよ! それにほら、弱い武器で冒険なんかしたら、何処からともなく『そんな装備で大丈夫か?』ってお告げがくるはず!」

「バカ! 他のゲームのネタを今使うんじゃないの!」

「えっへへー。でもさ、ホントに武器は買って良いと思うよ。雫だってまさかそんな武器があるとは思わなかったでしょ?」

「まぁそうだけど…….」


 私が手に持っているのは、どこからどう見ても()だ。

 まさかこの世界にあるとは思っておらず、むしろ存在して良いのかさえ考えてしまう。

 しかし、NPCである店員さんによれば、この世界には魔法はあるものの、どれもが銃を使って使うとの事だった。


 つまり、魔力を込めて弾を作り出し、それを銃に込めて撃つという事。

 とはいえ、魔力を込めるというのも簡単ではなく、それを専門とした職業もあるくらい難しいのだ。

 いつか私も出来る様になるかもしれないけど、素人がやるくらいなら、結局のところ専門の人がやった方が威力も高くなる。


 まぁでも、銃以外に魔法を使う方法はないものの、銃自体は普通に攻撃手段としても使える。

 普通に売っている弾を買ったりすれば、弓矢と同じように距離を取って戦う事は可能だ。

 だから、自分が魔法を込められなくても特に問題はない。


「そういえば、この世界ってスキルとかないんだよね?」

「そうみたいだね〜。このゲームが出る前は色んな所でスキルはあるって言われてたけど、ステータスにもスキル欄がないみたいだし、スキルはないって事で良いと思うよ」

「うーん、って事は特殊な武器とか入手したら固有スキルとかではなくて、素質に追加されたりするのかな?」

「それは難しいかも。素質はあくまでも素質だし、入手してみるまでは分かんないかな。だから、早く冒険に行こっ!」


「ちょーっと待った! 私がまだ弾を買ってないでしょ! どうやって私は戦えば良いのさ!」

「あはは。ごめんごめん」


 武器をなんとか手に入れた私たちは、所持金が既に半分以下になっているという事実から目を逸らし、ひとまずはアイテムが売っている場所へと歩き始めた。

今回は初回なのでステータスを載せましたが、基本的にステータスは後書きか、文末に書こうと思います。


それとも作中の方が良いですかね?

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