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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た2  作者: 椎家 友妻
第二話 ずぞぞぞぞ
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9 矢代は人気者

 商店街を歩いていると、

 「おーっ!矢代(やよ)ちゃんやないか!久し振りやな!」

 とか、

 「何年ぶりかしらねぇ~、すっかり大きくなって」

 とか、

 「また昔みたいに遊びに来てや、矢代ちゃん」

 という具合に、商店街のおっちゃんや道行くおばちゃんが、親しげに矢代先輩に声をかけて行き、矢代先輩もそれに気軽に受け答えしている。

 矢代先輩って地元でも人気があるんだなぁ。

まあこの人の性格なら、何処(どこ)でも誰とでも仲良くなれるんだろうけど。

 そう思いながら、俺は隣を歩く矢代先輩に声をかけた。

 「人気者ですね、矢代先輩」

 すると矢代先輩は、何やらバツが悪そうに頭をポリポリかきながら言った。

 「ウチのおじいちゃんが、この街では結構有名やから」

 「そういえば、さっき矢代先輩が指さした住宅街は結構高級そうでしたけど、矢代先輩って、実はお金持ちのお嬢様だったんですか?」

 俺がそう(たず)ねると、矢代先輩はこれまたバツが悪そうに、

 「う~ん、まあ、家はそれなりに大きいかなぁ」

 と言って頭をかいた。

やっぱり、矢代先輩はお金持ちのお嬢様だったんだ。

でも、矢代先輩のこのバツの悪そうな素振(そぶ)りは何なんだろう?



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