表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/75

2 美鈴でお目覚め

 「う・・・・・・ん・・・・・・」

 重たいまぶたをこすりながら上半身を起こすと、俺の部屋の入口に、セーラー服を着たボブヘアーの少女が、腕組みをして立っていた。

彼女の名は河合(かわい)美鈴(みすず)

俺が現在住んでいるアパート、『(さわ)(なぎ)(そう)』の住人で、俺と同じ学校に通うクラスメイトでもある。

顔はまあ可愛いんだけど、いかんせん気が(あら)く、事あるごとに俺につっかかってきては、よく喧嘩(けんか)になる。

俺は別にこいつに(うら)みがある訳じゃないし、できれば喧嘩なんかしたくないんだけど、何故がそういう事になっちゃうんだよなぁ。

そんな事を考えていると、目の前の美鈴が、不機嫌そうに言った。

 「ったく、何で私があんたを起こさなくちゃなんないのよ。朝くらい一人で起きなさいよね」

 「へいへい、そいつはすみませんね」

 今までの経験上、ここで下手に言い返すとまた喧嘩になってしまうので、俺は素直に()びて立ち上がった。

するとその拍子(ひょうし)に、俺の目から涙が流れた。

さっきの夢のせいだろうか?

とか思っていると、美鈴がにわかに驚いた様子で言った。

 「な、何も泣く事ないじゃないのっ」

 美鈴は自分のせいで俺が泣いたとでも思ったんだろうか?

気はキツイのに、妙なところで繊細(せんさい)な奴だ。

しかし全く美鈴のせいではないので、俺は持っていたハンカチで目元を(ぬぐ)いながら言った。

 「ばーか、そんなんじゃねぇよ。あくびした拍子に涙が出ただけだよ」

 すると美鈴はそれに対しては何も言わず、ある一点に視線を集中させた。

その一点とはハンカチを持った俺の右手で、それを凝視(ぎょうし)しながら美鈴は言った。

 「ん?あんたが手に持ってるそれ、何?」

 「え?何って、ハンカチだよ、ほら」

 しかしよく考えると、どうして寝起きにハンカチを持っていたのか不思議だったが、俺はそのハンカチを美鈴の前に広げて見せた。

すると、何と、


 それはハンカチではなく、クマさんのイラストが描かれたパンティーだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ