ホフマン全作品リスト、および簡単な作品解説 ドイツロマン派の妖星、あるいは狂気と幻想のカルト作家 ETAホフマン
ETAホフマン全作品リスト
☆ カロー風幻想曲(Fantasiestücke in Callots Manier、1814年)初期の短編小説集
ジャック・カローという銅版画家にちなんでホフマンがカローにインスパイアーしたこれは短編小説集です。全7作品
・騎士グルック(Ritter Gluck)
・クライスレリアーナ(Kreisleriana)
・ドン・ジュアン(Don Juan)
・犬のベルガンツァの最近の運命に関する報告
(Nachricht von den neuesten Schicksalen des Hundes Berganza)
・磁気催眠術師(Der Magnetiseur)
・黄金の壺(Der goldne Topf)
へまな大学生アンゼルムスがアトランティスの王女で緑の小蛇に化身している
セルペンティーナと奏でるファンタジーラブロマンス
・大晦日の夜の冒険(Die Abenteuer der Sylvesternacht)
シャミッソーの「影を失った男」に対抗して書かれた妖艶な美女に騙されて「映像を失った男の運命」を描きます。
オッフェンバックの「ホフマン物語」の原作。
☆悪魔の霊液(Die Elixiere des Teufels、1815年)悪魔の美酒 悪魔の霊酒 悪魔の霊薬
言わずと知れたホフマンの代表作ゴシック長編小説です。
魔女の呪いを受けた一家の血の因縁と贖罪の暗鬱なゴシックロマンスです。
このサイトで私が「悪魔の美酒」のダイジェスト版をアップしてますのでそちらでどうぞ
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☆夜景集(Nachtstücke、1817年)
これはゴシック系あるいはホラー系の短編を集めた作品集です。
ここにはホフマンお得意?の悪ふざけや諧謔は在りません。
まっとうなゴシック恐怖譚です。全8作品
・砂男(Der Sandmann)
自動人形 (オートマタ)に恋した大学生ナタナエルは現実と幻想の境界を踏み外して、
ついに気がくるってしまう。このサイトで私がダイジェスト版をアップしてますのでそちらで
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オッフェンバックの「ホフマン物語」の原作。
・請願(Das Gelübde)
・イグナーツ・デンナー(Ignaz Denner)
中世ドイツの黒い森を舞台に悪魔。盗賊団。マッドドクターなどが錯綜する
本家ゴシックロマンスです
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・G町のジェスイット協会(Die Jesuiterkirche in G.)
破滅型の芸術家、、のオハナシです。
・世襲権(Das Majorat)
北ドイツの荒れすさんだ古城を舞台の因縁劇
・荒んだ家(Das öde Haus)
・サンクトゥス(Das Sanctus)
・石の心臓(Das steinerne Herz)
☆劇場監督の奇妙な苦しみ(Seltsame Leiden eines Theater-Direktors 1819年)
☆ちびのツァヒェスまたの俗称をツィノーバー(Klein Zaches, genannt Zinnober 1819年)
ちびで無能なツアヒェスは魔女から特別の能力を授かる。それは隣の人物の能力がそっくり入れ替わってしまうという能力、これでツアヒェスは大出世するが、、ここに大学生バルタザール君が登場、彼はいつもへまばかりで恋が実らない。教授の娘に恋するがツエヒェスに奪われそうになるそこで魔法使いに相談にゆくと、ツアヒェスの秘密を知るのだった。
☆ゼラピオン同人集(Die Serapionsbrüder、1819年)
これはゼラピオン倶楽部という架空のクラブで会員たちが自由に物語を披露するという設定の短編小説集です。
・隠者ゼラピオン(Der Einsiedler Serapion)
・マルティン親方とその弟子たち(Meister Martin der Küfner und seine Gesellen)
・クレスペル顧問官(Rat Krespel)
オッフェンバックの「ホフマン物語」の原作。
・フェルマータ(Die Fermate)
・詩人と作曲家(Der Dichter und der Komponist)
・3人の友人の生活から一篇の断章(Ein Fragment aus dem Leben dreier Freunde)
・アーサー王宮(Der Artushof)
・ファルンの鉱山(Die Bergwerke zu Falun)
鉱物の楽園幻想と人間界の乖離を描く↓
http://ncode.syosetu.com/n0279cd/
・くるみ割り人形とねずみの王様(Nußknacker und Mausekönig、1816年)
あのチャイコフスキーのバレーでおなじみの原作ですが、、原作はちょっと違います。↓
https://ncode.syosetu.com/n9831by/
・歌合戦(Der Kampf der Sänger)
・幽霊譚(Eine Spukgeschichte)
・自動人形(Die Automate)
・ヴェネツィアの総督と総督夫人(Doge und Dogaresse)
・新旧協会音楽問答(Alte und neue Kirchenmusik)
・樽屋の親方マルティンとその若衆たち(Meister Martin der Küfner und seine Gesellen)
・見知らぬ子供(Das fremde Kind)
・さる有名な人物の消息(Nachricht aus dem Leben eines bekannten Mannes)
・花嫁選び(Die Brautwahl)
フェルッチョ・ブソーニによってオペラになっています。初演1912年
・不気味な訪問者(Der unheimliche Gast)
・スキュデリ嬢(Das Fräulein von Scuderi)
狂信的な金細工師のオハナシ、森鴎外の明治期の翻訳もあります「玉を抱いて罪あり」
・賭事師の運 (Spielerglück、1819年)
・男爵フォン・B.という人物(Der Baron von B.)
・シニョール・フォルミカ(Signor Formica)
・ツァハリーアス・ヴェルナー(Zacharias Werner)
・幻のごと現われしもの(Erscheinungen)
・物事の関連性(Der Zusammenhang der Dinge)
・ヴァンパイアリズム(Vampirismus)
「吸血鬼の女」、、と題して私が二次創作しています↓
https://ncode.syosetu.com/n4925cd/
・美的趣味のティーパーティー (Die ästhetische Teegesellschaft)
・王の花嫁 (Die Königsbraut)
野菜が主人公という破天荒なメルヒェン。↓
https://ncode.syosetu.com/n5427bx/
☆ブランビラ王女(Prinzessin Brambilla、1820年)
ボードレールが「これを読んで頭がくらくらしないやつはいないだろう」と激賞した
錯綜の極みのようなある意味シュールなファランドール的な物語、
http://ncode.syosetu.com/n0416by/
☆牡猫ムルの人生観(Lebensansichten des Katers Murr、1820年)
猫がクライスラーの原稿をバラバラにしてしまったというハチャメチャな物語です。
☆精霊奇譚 (der erementaargeist)1820
☆誤謬(Die Irrungen、1820年)
☆秘密(Die Geheimnisse、1821年)
☆ドッペルゲンガー(Die Doppeltgänger、1821年)
☆蚤の親方(Meister Floh、1822年)
金持のお坊ちゃん、ペルグリヌスチュス君は極度の女性恐怖症、それがある日美女と巡り合い
えー、いろいろグルグル錯綜して、、、ハッピーエンドというお話、
☆隅の窓(Des Vetters Eckfenster、1822年)
これはホフマンがもう執筆できないほど弱って病床で口述筆記させた絶筆になります。
人間界から乖離してすべてが自動人形の楽園、、ドールハウスと化してしまった
限界点を描く。↓
https://ncode.syosetu.com/n5477bx/