さらば劇場! ~いつか何処かの劇場で、また逢おうと誰かが言った~
お芝居はお好きでしょうか?
いわゆる舞台演劇という奴ですが、どうでしょう?
私事ですが、お客さんとしては観るのは好きです、作り手としては才能のなさもあってコリゴリといったところです。
さて、演劇というと敷居が高いとか料金高とかイコール貧乏なイメージがついて回っている気がするのは気のせいでしょうか?
敷居が高く感じてるのは、おそらく生活様式が激変したからと思います。
お芝居は興行です。昨今は収入形態は変化していると思いますが。
基本的には、人が見て楽しめるモノを用意して、人を集めそこから収益を得ます。エンターテイメントってやつですね。
興行に熱中するのは若者です。十代から三十代前半もしくは二十代後半です。
気持ちが若くてもコレばっかりはどうにもならないように感じます。
いきなりですが、時代の変容説明すっとばして、お芝居演劇の流れを掻い摘まんで説明しようと思います。時代の流れの中で、若者が何に熱中してきたかの説明にもなると思いますし、osusi。
その昔、お芝居演劇は一強でした。
映画が生まれて、やがてライバルになりました。
ラジオがやってきましたが、お芝居演劇は人気をとられることはないと気にかけませんでした。
そのうちテレビが生まれ、いつの間にかお芝居演劇は人々の視界の端に追いやられていました。
インターネットがやってきて、お芝居演劇は少数派のエンターテイメントになっていました。
スマホが生まれ、お芝居演劇はその画面の中に入る込む余地があまりなく困り果てているのでした。←イマココ
異論は認める。
個人的すぎる偏見にまみれた私論なので、怒られる方がいらっしゃるとも思います。が、若者と呼ばれるその時代の世代の人たちが何に熱中してきたかという個人的な説明なのでご容赦ください。
あと蛇足ですが、音楽やビデオゲームといったエンターテイメントをいれると、色々と語りたくなるモノが長くなってしまうので泣く泣く排除して思索しました。本当に泣く泣くです、馬謖なみに泣く泣くですよ。
今や、手の中にエンターテイメントがやってくる、もしくは存在る時代です。
暇な時分に、何かを待つ合間に、タッチしてスワイプしてたら、ゲームができ、音楽が聴け、昨日見逃したドラマや映画が観れる世界なのです。
そんな時代に、わざわざ劇場に行くために交通費を払い、チケット代を払い、椅子に座り、数時間拘束される。始まったら、演目はチラシや前情報を持っていなければ、何が始まるかわからない。出演する役者が自分の好みの芝居をするかもわからない。上演中はトイレに行くためにも気楽には立ち上がれない。
etc.はあるのですけど、書き始めると止まらなくなって言いたいことがブレそうなのでこの辺にしときます。
言いたいことは、敷居が高いのではなく敷居が低いエンターテイメントが多くなったということだと思うのです。お手軽なエンターテイメントの方が取っつきやすいに決まってます。若者離れの要因の一つと思われます。
詰んでね?演劇。
いやいや格式と伝統がある限り滅びん、滅びはせんよ!(CV:池田秀一)。
とか思いながら、観劇帰りの喫茶店でボンヤリこの文章をポチポチ書いているのです。野暮な例えですが、今日のお芝居の値段プライスレスとか言いたいのですが、交通費¥200と少し、チケット代は、¥5,000前後。交通費は往復なので¥400と少しと言ったところでございやす。
高くね?と、素直に思うのです。
いや、お値段がかかる理由は解っているつもりではあります。
時間と銭がかかる作品形態なのでございます。
劇場代、人件費、機材レンタル費、舞台装置費、練習場のレンタル費。広告代。
どれもお金がかかります。
劇場は仕込みという作業のために公演日の前日から借りなければなりませんし、人件費はその仕込み要員だったり演者に支払ったり、公演に関わる人に払わなければなりません。機材レンタルは照明機材や音響機器、それに衣装や小道具、といった様々な物を借りたりと演目に必要な物がかかってきます。舞台装置は幕から書き割り、箱馬平台、映像機器から特許がある機械装置までと様々です。そして練習場のレンタル費、これを支払うのは宿命ではないでしょうか。広告は宣伝費ですね。
まぁざっと知る限り覚えている限りの金銭のことを記しましたが、これらが必要ない場合もあります。大手の劇団だったり劇場付きの劇団、場合は様々です、あしからず。
しかし、お金がかかることは事実です。そして時間もかかります。
練習=稽古がかかります。その時間はまちまちですが、数ヶ月、長いもので一年ほど。
故に興行代で賄おうとします。するとチケット代は高くなります。高くなると、若者は観に行きづらくなります。必然的に興行者は高齢の方の集客が増やそうとします。増やすために高齢の方向けの演目を選び公演をします。高齢者向けの演目は、若者の興味をなくしやすくします。
劇場にきて貰ってなんぼの興行媒体に、足が遠のくスパイラルってヤバない?いや、それだけ熟成した芸術なんでぇぃ!と思ってしまったら、それまでなのですが、劇場に行かない世代が増えるとヤバない?と思うのです。
いやいや、若者が若者による若者向けの公演もしていますよ。
チケットはお安いです。
劇場は小さいです。30席から70席とすこし狭いものが多いです。
交通費はかかりますが、だいたい¥2,000前後ですし帰り道にでも買い物やお茶できます。
演目も若者の向けです。未熟で荒削りな戯曲ですが、勢いがあります。物語の発想の鋭さがあります。現在日常で使われている言葉の妙があります。思いつかない演出手法があります。才気にあふれた若い荒削りな役者がいます。金がかかる媒体が好きで、好きすぎて貧乏を苦ともしない若者がいます。
アニメがお好きなら、2.5次元なんてジャンルもあります。アニメ作品を舞台化した興行です。ザ・エンタメってなぐらいエンターテイメントな舞台作品です。なろうを読んでいる方は、こちらから観た方がよいかもしれません。ただ、少し値がはります。
そんな手間も金もかかる興行から背を向けた人間が言うのは、甚だ筋違いなのかもしれません。
ただ不意に観劇をして喫茶店にて筆をとった拍子に、謝罪に似た、いえ釈明にも似た感情に襲われたのです。そして自己満足な駄文を散らかしただけなのでしょう。久しぶりに観劇して懐古に浸っただけなのでしょう。
あえて言います。
ぜひ一度、劇場に足を運んでみては如何でしょうか?