誕生日プレゼント
よろしくお願いします。
真夏の陽が沈む頃、俺は自宅マンションに帰宅し、ドアを開けた。
「もわ~ん」と聞こえそうなほどの熱気に不快感を覚え、すぐさまリモコンの電源ボタンを押した。
エアコンから送られてくる涼しい風は火照った体にはとても心地よく感じられた。
「クソ暑いっ、だいたいなんで日曜休日、しかも誕生日に出勤しなくちゃいけねーんだよ」
そう愚痴をこぼしながら、お風呂の湯を沸かしにバスルームに向かおうとした時、インターホンが鳴る。
「ピンポーン!」
「はーい」と強く返事をかえし、玄関へ向かう。
「お届けものです」
ドアを開けると二人の配達員が汗だくになりながら、重そうに大きな箱を抱えている。
「とても重いので廊下に置きますね」配達員の爽やかな笑顔に翔馬は少し尊敬の念を抱くとともに、強く返事したことを後悔し、申し訳なさげな顔になった。
「桐生翔馬様でお間違いないでしょうか?お間違いなければここに印鑑お願いします」
荷物を置いてもらい、印鑑を押して、配達員に礼を言い、ドアを閉めた。
「なんなんだこの荷物は?って、親父からかよ」
伝票の品名欄には、誕生日プレゼント、精密機械につき取り扱い注意と記載されていた。
「精密機械?こんなに重い機械ってなんだ?だいたい誕生日プレゼントって、俺もう26だぞ・・・でも親父からもらうのは初めてだったか」
そう呟きながら、翔馬は少し嫌な予感がしたが、とりあえずシャワーを浴びることにした。
入浴を終え、髪を拭きながらリビングが快適な温度になったことを感じる。冷蔵庫を開け、日課である風呂上がりのコーヒー牛乳を口に含んだとき。異変に気付く。
知らない少年がテレビゲームで遊んでいる。
「ブゥゥゥゥゥー!!!だっ、誰だ、お前えええええええええ」
「ん?俺か? 俺はお前の誕生日プレゼントだけど」
「いやいや、ちょっと何言ってんのかわかんねーんだけど」
「あ、そうだ!!博士からメッセージがあるんだった ちょっと待てよ」
そう言うと、少年は立上り目から光を放った。
すると、3Ⅾプロジェクターのように翔馬の父親が映し出された。
「うわっ、おやじ」翔馬は思わず声をあげてしまう。
「久しぶりじゃの翔馬、元気か?さぞかし驚いとることじゃろう」
「驚くに決まってんだろーが」
「その子は今うちの会社が極秘製作してる超高性能人型ロボットS-AT04じゃ、わしらはサトシと呼んでおる。まぁ、細かい説明は省くが人間社会で生活することでサトシにどの様な影響があるか調べるテストをすることになってじゃな、・・・まぁそう言うことじゃから翔馬、サトシの世話頼んだぞ・・・・・じゃまた」
「え、それだけ?あのクソ親父消えやがった、いやマジかよ、ふざけんなよ、何が誕生日プレゼントだよ、こんなのただのお世話係じゃねーかぁぁぁぁぁ」
こうして翔馬とロボットサトルの騒がしい新生活が始まるのであった。
ご精読ありがとうございました。
なるべく投稿頑張りますのでお付き合いいただければと思います。