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戦国時代のお城の話② お城の種類

 突然ですが、八王子城というお城が東京都にございます。

 大久保長安ゆかりの城としても有名な同城。

 都心からのアクセスもよく、城を手軽に楽しむにはもってこいの立地です。

 

 しかし実際に行ってみると……。

 

 単なる『山登り』じゃん!!

 

 と誰もが感じるでしょう。

 そして帰る頃には足腰がガクガクしてしまうこと必至です。

 

 ……という体験談を、著名なイケメン城郭写真家(ググれば一発で出てきます)と、某城ブロガー女子に話したところ……。

 

――友理さん、八王子城なんて初心者コースっすよ


――三日以上かけないと攻略できない山城なんてくさるほどありますからねぇ


――ははは! 日帰りで攻略できる城の方が少ないかもぉ


 ……とのこと。

 

 

 みなさん、お分かりでしょうか。

 

 

 お城とは「ハード」なものなのです!

 

 

 さて、本題の「お城の種類」ですが、ざっと分類すると下記の通りになります。

 

・山城


・平山城


・平城

 

 

 ちなみに先の八王子城は『山城』と呼ばれる部類にあたります。

 

 まあ、なんとなく言葉だけで想像がつくでしょう。

 つまりお城の種類は、「どこに建てられたのか」ということを示すのです。

 

 山なら『山城』。

 

 平地と山の間あたりや、低い山なら『平山城』。

 

 平地なら『平城』。

 

 

 前回の通りに、城の防御を考慮し、はじめは『山城』が多かったと考えられます。

 有名所では上杉謙信の居城である『春日山城』。

 山そのものを城塞化してしまったといっても過言ではないほどに、広大かつ堅牢な城郭です。

 

 もちろん大名の居城が山の中にあるのですから、家臣たちも山の中に住むようになっていきます。

 そのため、山そのものが城塞化していきました。

 

 このあたりの遺構が残っていると、とても一日では回りきれないというのは何となく想像ができますね。

 

 しかし、武器の多様化や貿易の活発化に伴い、農耕ではなく商業が重視されるようになると、山の上に本丸を構えていては、商人たちの活動が監督できなくなっていきます。

 

 例えば先に登場した上杉謙信。

 春日山城という断崖絶壁の中にある城を居城としていた訳ですが、商業の発展にともなって大いに困りました。

 

――山の頂上にいたんじゃ何もできねぇし!!


 と……。

 

 そこに都合よく、元関東管領の上杉憲政なる人が逃げ伸びてきたのです。

 

――こいつは使える! くくくっ!


 と、謙信がほくそ笑んだのは言うまでもないでしょう。

 なぜなら彼は『元お偉いさん』の上杉憲政の為と表して、『平地』に城を建て始めたのですから。

 

 こうして完成したのが『御館』というお城でした。

 

 表向きは上杉憲政の隠居場所。

 しかし、実際には謙信とその家臣たちが入り浸り、政治を行っていったのですから、上杉憲政さんもゆっくりと隠居生活、とはいかなかったでしょうね……。

 

 

 さて……ちょっと脱線いたしましたが、このように少しずつ大名たちにとって政治が行いやすい場所に城がたてられていくようになっていきます。

 

 そこでまず増えてきたのは『平山城』でした。

 

 例えば豊臣秀吉が居城としていた『姫路城』や『大坂城』。

 また、徳川家康の『江戸城』も同様です。

 それらの城の前には大きな城下町が整備され、大いに町が賑わいました。

 


 さらに時代が進み、戦乱が収まってきた戦国末期や江戸期となると『平城』が中心に造られました。

 『名古屋城』や『駿府城』などがそれにあたります。

 

 もちろん武田信玄の居城『躑躅ヶ崎館』のように、戦国前期でも平城が存在していなかった訳ではありません。

 

 しかし、時代の移り変わりとともに、城の役割の持つ役割や建てられる場所が変わっていったというのは、大変興味深いことだと思うのです。



 では、みなさま。良い歴史小説の読書ライフを!



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