VS 佐竹工科
なんと初めての単独チームで2勝を挙げた野田高校野球部は大山県の中で一つの目安となるベスト64にたどり着いた。
これに勝てば夏の大会に優先枠が設けられるベスト32になる。
優先枠とは、シード権ではないが抽選時にシード校と当たるのが遠くなるブロックの枠のこと。
不運のブロックと呼ばれたこのブロックは強豪どころか中堅と呼ばれるレベルのチームすらいなく、まさに弱小が集まった。
佐竹工科も相手のミスなどを中心に勝ち上がってきた。
部員は14人で守備型チームという特徴があった。
1回戦10-42回戦7-5と決して守備も上手くないが運で勝ち上がってきた。
対する野田は奇襲力に長けているのが特徴だった。
1回戦ではいきなり外野を空っぽにして超前進守備。打たせて取るピッチングでほぼ完ぺきに抑えた。
2回戦では守備の要を投手にしたり9番バッターがいきなりセフティーバントを敢行、前の打席でホームランを打ったバッターがセフティースクイズを決めた。
奇想天外な戦略で相手を惑わしているというのがこれまでの世間の見解だった。
この試合の一つ前の試合は第一シード清明学園と堅守が持ち味の沢辺工業の試合だった。
試合は清明学園の打線が面白いほどに繋がり、沢辺工業持ち味の守りが発揮されることなく42-0で5回コールド。
この試合が降雨中断などで長引いてしまい、野田VS佐竹工科は17時プレイボールとなった。
試合開始が遅れたことや野田高校から比較的に球場が近いこともあり、地域住民が応援に駆けつけてくれた。
そして試合が始まった。
<<おねがいします!>>
先攻は佐竹工科。先発は田津。もし勝てばあの清明学園戦となることもあり、去年好投した大田ではなく田津を起用した。
1回表にフォアボールとエラーでノーアウト2塁3塁にするものの、ここで野田は内野7人シフトを敷きピンチを乗り切る。
その裏、佐竹工科先発の石平の立ち上がりが悪く4つのフォアボールと暴投と犠牲フライで3点先制。
2回表もピンチになるがここでも内野7人シフトで乗り切る。
裏の攻撃は3者凡退。
田津の球威が弱いこともあり終始佐竹工科ペースだが、佐竹工科に一点も入らずに迎えた7回表。
この回もフォアボール2つと送りバントでワンアウト二三塁。
正平「ここで抑えないと・・・」
焦って投げたボールは大暴投。
一気に2人帰ってきて3-2とされる。
正平「やってしまった・・・」
責任感を感じた田津は委縮してしまい佐竹工科打線につかまる。
ここでピッチャーを田津から北岡に交代。
勝てば清明学園戦となり、温存しておきたかったが・・・。
北岡は前の試合と同様に速球を走らせ2者連続三振に切り1点差リードで7回裏を迎える。
バッターボックスには田津。
正平「ここで打たないと清明学園となんか戦えない・・・!」
ここまで全く当たりのなかった田津だったが、奮起し内野安打を放つ。
そしてここで大田。
秀一「あれは清明か・・・?偵察なんてまさかね・・・」
そう呟きながらバッターボックスへ。
石平「2回以降はほとんど抑えてる。たかが1安打で動揺しちゃ勝てない。」
言葉とは裏腹にヒットに動揺したらしくストレートのフォアボールでノーアウト一二塁。
ここから下位打線に入る。
石部・真鍋と連続三振で石平が調子を取り戻した。
ここで野田が誇る頭脳上野沢に打席が回ってきた。
上野沢は今日ここまでノーヒットだが持ち前の脚力で全打席出塁を果たしている。
ツーストライクツーボールからの5球目。甘く入ったボールを強く打・・・つと思わせてセフティーバント。
石平「は?」
慌てて処理するものの送球は大きく逸れてライトがボーッとしていたこともあり上野沢が一気にホームまで戻ってきて6-2とリードを4点に広げる。
石平「クソがッ!!」
その後制球が定まらず2連続フォアボールで1番北岡の場面で佐竹工科は投手交代。
2番手投手は緊張からか甘い球しか入らず3者連続タイムリーで9-2となりまたもやコールド勝ち。
<<ありがとうございました!!>>
野田、初めてのベスト32へ。
詳細な名前を書いてる選手がいる高校は後々キーになるかも・・・?
更新ノロノロです(´;ω;`)