0話目。去年の夏。
3/20 詳しい描写を入れました。
去年。
第162回高等学校野球選手権大会群馬県予選第1日目第1試合。
大前西・野田・大前農連合 対 清明学園。
アナウンス「ただいまより大前西高校・野田高校・大前農業高校連合対清明学園高等学校の試合が始まります。まず守ります連合チームのピッチャーは・・・」
連合チームはほとんど初心者で寄せ集めチームだ。
清明学園はここ数年実力不足でベスト8が精一杯だったが、既にプロから注目される1年生エースが入部し大いに期待されていた。
テレビ中継にて
「打ちました~!満塁ホームラン!先制点は満塁ホームランです!」
「多田!152kmを記録!3者連続三振!」
「打った~!多田!打撃でも魅せます!62-0!」
「まだ諦めない連合チーム!しかし攻撃の手をゆるめません清明学園!123-0!全国大会予選記録を塗り替えました!」
「連合チームの野田高校大田!4回から好リリーフで6者連続三振!しかし点差は138点!前代未聞です!」
「清明学園エース多田最後は今日最速の156kmで抑えました!15者連続三振の完全試合!!」
開幕初戦の試合だったため大山県内で放映されたこの試合は様々な衝撃を与えた。
清明学園としては復活を遂げた。そして超天才投手の力を見せつけた。
しかし負けたチームはどうだろうか。高校野球史上3度目となる県予選大会での3桁失点。さらには大前農は16年連続初戦コールド負け。野田は22年ぶりに高野連に復帰した初戦がこれだ。創部してから1度もまだ勝利経験がない。
勝った清明学園は次の試合第一シードを8-0で破ると全試合無失点で全国大会へ。
全国大会でも大暴れし清明学園初のベスト8へ。
秋の大会でも敵なしで優勝。地方大会でも準優勝で全国大会出場決定。
春の全国大会もベスト8だった。
あれから一年。また夏がやってきた。