買い出しと屋台
目が覚めると丁度、九時の鐘が鳴っている所だった
。こっちに来て色々あり、思ったより疲れていたの
か起きるのが遅くなってしまった。下に朝ご飯を食
べに行くとエミリーがカウンター席にいたので、挨
拶しようとすると向こうから声がかかった。
「龍崎さんおはようございます!」
「ああ、おはよう!それと、俺のことは双太でいいよ!」
「はい!分かりました。・・・双太さん!」
少し照れながら名前を呼んだエミリーと別れて食堂に行き
ラグーンさんに朝食を頼んだ。
「ラグーンさんおはようございます。朝食お願いします。」
「おう!ちょっと待っとけ!すぐ持ってく。」
「よろしくです!」
少し待っているとパンと野菜スープと卵焼きとベーコンが出
てきた。パンは少し固そうだがおそらくスープにつけて食べ
ればいいんだろう。ベーコンの香ばしい匂いが食欲をそそる。
「ラグーンさん美味しいです。」
「ハハハそうか!」
あっという間に朝食を腹におさめて買い物に出かけることに
した。王様に貰ったお金があるのでまずは服を買いに行こう
と思いラグーンさんにいい店を紹介してもらい出かけることに
した。玄関先ではジェニーさんが掃き掃除をしていた。
「おはようございますジェニーさん」
「おはようソウタ!お出かけかい。」
「はい服とかを買って教会に行こうかと。」
「そうかい気をつけて行ってきなよ!」
「はい。ありがとうございます。それじゃ行ってきます」
まずはラグーンさんに教えてもらった商店街ぽっい所に行くこ
とにする。宿から出て右の方に歩いて行くと色々な店があり
興味をそそる店が並んでる。でもまずは服だ!着替えだ!
昨日から着替えてないから少し汗くさい。
「えーっと確かこの辺のはずだけどな。あ、あれかな?」
「多分ここだな看板に服の絵柄が描いてある。なになに、ファッションエバーナか。いい服があるといいけど」
「お邪魔しまーす。」
「はーい。いらっしゃいませ。ファッションエバーナにようこそ。あらぁんなかなかいい男じゃなぁい。」
挨拶をして入りながら見回すと二メートルくらいの超絶マッ
チョがオネエ言葉であらわれた。
『うぉ!ビックリした~異世界にもやっぱりいるんだな~』
「どうも~ラグーンさんの紹介で来ました。ここは服屋さんですよね?」
「あらぁんラグーンちゃんの?そうよ、パーティーから日常生活で着れる服まで何でもそろってるわよ~。ラグーンちゃんの紹介ならサービスしちゃうわよ!」
『ラグーンさんちゃん付け!!』
「よかった。それじゃあ日常的着れる服と冒険者になったので丈夫な服それに肌着と下着もお願いします。」
「あらぁん冒険者に?それにそんなにいっぱい買って貰えるならもっとサービスしちゃうわよ」
その後簡単な採寸をして(ちょっと手つきが怪しいかったけど)オススメを選んで貰ったり自分好みを選んだりして結構な量を買うことにした。この世界でも量産品的なものがあり1から仕立てる必要は無かった。
「こんなにたくさんどうもありがとう。日常的に着れる服3着に冒険者に人気の丈夫な素材で作られた服3着それに下着肌着も3着ずつで銀貨3枚銅貨30枚の33000メニーの所をラグーンちゃんの紹介ってことと初回サービスで銀貨3枚の30000メニーでいいわよ。」
「ありがとうございます!でも大丈夫ですか?こんなにいいものを安くして貰って。」
「いいのよぉでもまたこのお店で買いに来てね。待ってるわ~。」
「はいもちろん買いに来させて貰います。それじゃあ失礼します。」
「はぁいありがとう~。またね~。」
服を買って店を出ると時刻はもう昼を知らせる鐘の音が鳴り響いていた。腹が減っていることに気がついて適当にその辺の屋台で食事をすませることにした。辺りを見回して美味そうな肉串を見つけたので買いに行く。
「すいませんこれは何の肉ですか?」
「いらっしゃい。これはライトボアてゆう魔物の肉だぞ!一本どうだい?」
「それじゃあ2本お願いします。」
「はいよ毎度あり!」
肉を焼くまでの間に情報収集することにした。まず教会について聞いてみる。
「あのう教会ってこの辺にありますか?」
「うん?教会は貴族街と市民街の境界付近にあってここから歩いて行くと二十分くらいかな。王都の教会はそりゃあ立派なのが建ってるからすぐわかるよ。」
「なるほど分かりました。職業をもらえるって聞いたんですけど本当ですか?」
「あんたその年でまだ職業選択してないのか。教会に寄付まあ名目上だけどな普通は料金だな、を払えば選択出来るぜ。銀貨1枚からだな相場は。普通は成人するときに親の最後の仕事として教会に行くもんだがな。」
「アハハ・・・。や山奥に祖父と二人で暮らしていて祖父が亡くなっったので山を下りてきたんんですよね。だからその辺の常識に疎くて。」
「へーそうかいそりゃお気の毒だったな。いい職業につけるといいな。」
「いえいえありがとうございます。」
「ほら出来上がったぞ!串焼き2本で銅貨12枚だけど職業選択祝いで銅貨10枚でいいぜ。」
「ありがとうございます。それじゃあ銅貨10枚で!」
「おう!ありがとよ!」
早速この暴力的な匂いをさせている肉串に齧りついてみる。すると肉汁がジュワッと出てきてその肉汁が甘くてなんともいえない旨さが口の中に広がった。
「うめー!めちゃくちゃ美味い!肉自体も柔らかいし臭みもない。美味すぎる!」
その時どこからか視線を感じて辺りを見回してみる。すると薄暗い路地裏から子供達がこちらを凝視していてその視線はなんか肉串に集まっていた。何だろうと屋台のおっちゃんに聞いてみる。
「あのう、あの子達は何をしてるんですか。」
「ああ、あの子達は孤児院の子達だよ孤児院は教会やその土地の領主が面倒みてるんだけど人数も多いから飯の量が足りなくてああしておこぼれが貰えないか見てるんだよ。」
「・・・なるほどそれじゃあおじさんこれで。また来ます。」
「おう!またよろしくな!」
そう挨拶をして屋台を離れて行くとさっき視線を感じた薄暗い路地裏に向けて足を向けるのだった。