王様と王族
謁見の間の前まで来ると二人の騎士が扉の両脇に立
っていた。準備はいいか聞かれ一回深呼吸をして、
できましたと言うと騎士が扉を開けた。そこには一
番奥にはおそらく王様らしき人が、十段ぐらいの階
段をあがった所に豪華な椅子がありそこに座ってい
る。その横俺から見て左には普通の騎士より豪華な
格好をした騎士が立っており、右側には文官らしき
人が立っていた。そして階段下には五個の椅子があ
りそこには、さっきまでいしょにいた王女様と他に
3人の女の人と一人の男の子が座っていた。そして
左側一列には騎士とか騎士とは別の鎧を着た連中が
並んで、右側には豪華な洋服を着た連中、多分貴族
であろう連中が並んでいた。俺は部屋の中央まで進
むと片膝をついて頭を下げた。さっき執事さんが教
くれた。
『確かこれでいいんだよな?』
「そなたが、我が娘アリスを助けてくれた龍崎双太だな?」
「はい!たまたま襲われているところに出くわし、微力ながら助太刀致しました。」
「いや、そなたの助けが無ければ危なかったと聞いた、礼を申す。」
「勿体ないお言葉痛み入ります。」
「アリス!」
「はい!本当に危なかったところをありがとうございました!」
「いえ、本当にたまたまです。」
「それで、褒美をとらせようと思う。」
そう王様が言うと王女様と一緒にいた執事さんがお
ぼんのようなものに布袋に入った何かを持ってきた。
「金貨五十枚を褒美とする受け取ってくれ!」
「あ、ありがとうございます!」
金貨がどれぐらいの価値なのかわからないが恐らく
結構するだろうと思いながら受け取った。
「大儀であった下がってよいぞ!」
「はっ!失礼します。」
そう言って立ち上がり扉の外にでた。そして元の客
間に戻った。もう帰ってもいいのかメイドに聞くと
もうしばらく待ってくれと、言われたのでお茶とお
菓子貰って待っていると、ノックがされ先ほど階段
下の椅子に座っていた五人が入ってきた。
「失礼します。先程は挨拶出来ず申し訳ありませんでした。」
そう言って頭を下げる二十代後半ぐらいに見える女
性、すると、アリス王女が紹介してくれた。
「わたくしたちの母で王妃のマリア・ダイアリィ・スコールです。」
「マリアです。娘アリスがお世話になりました。本当にありがとうございました。」
「妹がお世話になりました。第一王女カトリーヌ・ダイアリィ・スコールです。」
そう十代後半ぐらいの女性が自己紹介してくれた。
「同じく姉の第二王女アリエーヌ・ダイアリィ・スコールよ!」
次に十代半ばぐらいのちょっと生意気そうな娘が挨
拶した。ちなみにアリス王女は12歳くらいだ。
「姉君がお世話になりました。弟のゼルビ・ダイアリィ・スコールです。」
最後に10歳くらいの男の子が挨拶してくれた。
「いえ、たまたま居合わせただけですから。お礼も貰いましたし、気にしないでください。」
王族勢揃いでかしこまる俺、わたわたしていると、
アリス王女が質問してきた。
「双太はこれからどうするの?」
そう言われまだこれからどうするか考えていないこ
とに気がついた。
『これからか~。どうしようかな?取り敢えずお金はあるから街で止まるところ探してあとギルドにも行ってみないと、お金稼ぐならその方がいいだろうしな~・・そうしよう!』
「取り敢えず街で宿取ってギルドに入ろかと思ってます!」
「やっぱりね!そうだと思った!クロウも言ってたし。あっクロウは一緒にいた近衛騎士の第四隊隊長で紅い髪の奴よ!」
『ああ、あの人か!でもアリス王女の言葉遣いが、ぜんぜん違うような?・・・もしかして猫かぶってた?』
そうやってしばらく雑談と言うか色々質問責めにあ
い、(どこで鍛えたとか、どこから来たとか)なんと
か無難に答えることに成功した。そして、城から出
る事になった。
「また会いましょう!」
そう別れ際にアリス王女に言われ何となくそうなり
そうだと思った。
『よし!宿っとってギルド行くぞ!』