雪女(ゆきめ)
少しエロいです♪( ´▽`)
昔ある登山家がいました。冬山専門で登山に挑戦する男でした。いつもはチームなのですが、その登る山というのは誰も単独登頂した事が無かったので試してみたかったのです。男は高橋といいました。
高橋は入念に道具をチェックしていました。これらが壊れると命に係わるからです。そして食べ物も二週間分用意しています。予定では一週間で終わる予定ですが念のためです。
決行の日が来ました。友人の車に乗せられ登山口まで来ました。友人とは固い握手を交わし「健闘を祈ってるぞ。くれぐれも無理するな」との言葉を貰いました。「分かっている」
この友人とは長い付き合いで飲みに行った時など自分がなぜ山に登るのか等を力説しているので信頼関係が構築されています。
高橋は今までの登山経験からしてこの山の頂上に到達するのは容易そうだなと算段していました。実際三日で六合目付近と予定通りのペースです。
「案外楽だな。なぜ今まで誰も単独登頂に成功しなかったのだろう?」高橋は疑問に思いましたがすぐにそれは氷解しました。高橋は知らなかったのですがこの山は地元民の間では「悪魔の山」と呼ばれていて天候が非常に変わりやすいのです。さっきまで晴れていたのが、急激に雲が垂れ込め恐ろしい程吹雪きだしました。
高橋は「これは危険だ」と察知しテントを張ろうと思いましたが風が強すぎて上手くいきません。その内気温も下がり高橋は意識が混濁してきました。「しまった……私としたことが油断した。もう少し情報収集をするべきだった」そう考えましたが、今更そんな事言っても始まりません。次第に高橋の意識は遠ざかっていきました。
声が聞こえます「おじさん、おじさん?」
なんだ?ここは天国なのか?
「 私の声が聞こえますか?良かった……」
そこには驚くべきことに15歳くらいに見える浴衣を少し着崩している少女がいました。
「凍えそうでしょう?すいません……全部私のせいなのです。貴方とても素敵ですね」
何が素敵なのか分からないがその少女はおもむろに浴衣を脱いで裸になりました。
「貴方女性と寝た事無いでしょう?そのままで死ぬのは忍びない事です。そして貴方が助かる為には私が消えなくてはなりません。さあ私を抱いて下さい」少女はそう言いました。
確かに私はこの年まで女性を抱いた事がありませんでした。その私が裸の少女を目の前にして我慢できるはずもありませんでした。そして乳房に触れ抱きしめました。不思議と温かく高橋は幸せな気持ちになりましたが、少女は少しづつ水へと変化していきました。「ああ、消えないでおくれ!」「仕方がない事です。私の名前だけ覚えて下山して下さい。名前は雪女です。私の中の熱が貴方を救うのです」
雪女は溶けて太陽の石になりました。そして辺り一面に花が咲き誇りました。春が来たのです。高橋はほっぺを抓りましたが痛かったです。夢ではありません。高橋が家に帰ると自分の遺影が飾られていました。唯一の肉親のお婆さんが「キャーお化け!」と叫びました。事情を説明しましたが、どうせ信じてもらえないので高橋は諦めました。
雪女の乳房の温かさだけが、これは夢じゃないと告げていました。
(おわり)