第八話 暗黒騎士、弟子に嫉妬する
ルージュ戦で英雄である暗黒騎士の異名を持つラヴィリンスが目覚め戦ってくれるという経験から修行も手抜きになっていた
なんとかなれば現役時代の肉体と魔力と剣技を持ち合わせたラヴァリンス本人が自動的に目覚めて戦ってくれるという安心感で修行をサボって村人と話す方が個人的に面白い二代目ラヴィリンス
カイネスとシャイラスの眩しい恋を嫉妬はあるもののシャイラスはいい男だしモテるのもわかる
俺は眩しい眼差しで自分を尊敬しているシャイラスに対して複雑な感情を抱いている。
修行をサボっていた。
場所はカルティシアの広場。
屋台の串焼きを片手に、ベンチでのんびり。
本来なら今頃、剣技千本素振りの時間である。
だが今日は違う。
今日は“メンタル調整日”だ。
そう、これはサボりではない。
戦略的休養だ。
隣ではシャイラスが心配そうにこちらを見る。
「師匠……遊んでもいいんですか?」
「いいんだよ。いざとなったらラヴィリンス本人が戦ってくれるし。へーきへーき」
「ラヴィリンス様って師匠ですよね?」
「そうとも言う」
シャイラスは首を傾げながらも串焼きをかじる。
こいつは本当に真面目だ。
真面目で、礼儀正しくて、努力家。
……そして最近、やたらとカイネスと距離が近い。
あれは距離感がおかしい。
剣の稽古をすれば隣。
会議をすれば隣。
雑談してても隣。
まるでカップルみたいじゃないか。
いやいやいや。
俺は師匠だぞ?
弟子の成長を喜ぶ立場だ。
嫉妬とかじゃない。
断じてない。
……ないよな?
「お前はいいよなぁ……」
思わず本音が漏れる。
「見た目かっこいいし、強いし、頼もしいし」
「そりゃあカイネスも惚れるわな」
シャイラスがむせた。
「な、な、何をおっしゃっているんですか!?」
「図星か」
「違います!」
顔が真っ赤である。
わかりやすい。
俺は空を見上げる。
……認めよう。
彼女がいないコンプレックスを拗らせた結果、
弟子に嫉妬している。
情けない。
暗黒騎士、器が小さい。
最近では立場が逆転しつつある。
シャイラスの方が、なぜか俺を励ます側だ。
「カイネスさんは、親しくなればなるほど魅力的な人ですからね」
「……ああ」
「でも、ああ見えてラヴィリンス様のこと、ちゃんとリスペクトしてますよ」
は?
「俺のどこにリスペクト要素があるんだ?」
「ええと……優しいところ、とか?」
語尾が弱い。
「あと、誰も切り捨てないところとか」
「あと、ちゃんと弱音を言えるところとか」
……それ、強みなのか?
「師匠は強いですよ」
シャイラスは真面目な顔で言う。
「戦う覚悟がなくても、それでも村を守ろうとしている」
「それは僕にはまだ出来ません」
……やめろ。
弟子に人格評価されるの、なんかくすぐったい。
俺は大きくため息をついた。
「はぁ……」
そして、空に向かって叫ぶ。
「あー彼女つくりてー!」
通行人が振り向いた。
シャイラスが小声で言う。
「師匠、声が大きいです」
「うるせぇ! お前はリア充予備軍だからいいんだよ!」
「予備軍ってなんですか!?」
遠くでカイネスがこちらを見ている。
腕を組んで、呆れ顔。
……あれ?
「師匠」
「なんだ」
「たぶん今の発言、全部聞こえてます」
またカイネスに文句を言われるのか・・・
「あんたは毎回ネガティブなのよ エンリケさんはお前の事を高く評価しているし 村人もあんたの事を頼りにしているのよ」
そりゃメンタルが崩壊しそうになったらエンリケに泣きつくし、村人には英雄であるラヴァリンスのように無理して接してるしな
「なぁ・・・カイネス 俺って彼女出来るかな?」
そもそもカイネスがここにいるのもシャイラスとの時間を作りたいからだろうし
「さぁーね シャイラスと装備品を見に行きたいから弟子を借りてもいい?」
「あぁ、どうぞ シャイラスよ カイネスみたいな可愛い子はめったにいないから大切にな」
孤立してしまった
サキュバスが経営しているBARに行くかな
「あら、いらっしゃい♡」
サキュバスBARは可愛いサキュバスと話しながらエールを飲んでゆっくり出来る
「ラヴィちゃん♡ 今日も浮かない顔してるわね」
「自慢の弟子のシャイラスがカイネスに奪われちゃってさ・・・孤独なんだよね」
二代目ラヴィリンスは初代の本人であるシャイラスが肉体に魂がある事で慢心になっている
二代目ラヴィリンスの傷は決して浅くはない。
何故なら初代ラヴィリンスの意識があるということはペンダントをくれたミティシは俺の中に眠っているラヴィリンスの意識が目覚めたら恋に目覚めてしまう恐れがあるからだ。
そりゃ英雄で?元超大国の将軍で他種族を救った暗黒騎士ラヴィリンスというかっけー奴を選ぶだろうし。
せっかく異世界に来たのに人間性が悪いせいでモテないし
唯一の理解者はドワーフのエンリケで、気を紛らす為にサキュバスバーで金を貢いでサキュバスさん達に酒の相手をしてもらうしかない。




