第五話 暗黒騎士、魔女に励ましてもらう
居場所がなくなった二代目英雄ラヴィリンスは次第に戦う事を本気で考える。
報復の魔女ルージュと戦う事に怯えながらもミティシに励ましで異世界で本気で戦う覚悟が芽生え始める
自分はラヴィリンスではないがラヴィリンスも最初は弱かったはず
次第に成長していく二代目ラヴィリンスだった
「魔力を付加させた矢で敵を仕留めるんだ」
アイネスが弟子のシャイラスに弓の稽古をしてやがる・・・
「いいねー! シャイラス お前は才能があるよ」
俺の弟子のシャイラスを奪うなよっ
「ふむ まあまあだな」
逃走計画以降からアイネスが俺に対する口調が劇的に変わった
「お前はさー 戦う根性なしなんだから一々話しかけてくるなよ」
はいはい。シャイラスと仲良くなってよかったね
ミティシも逃走計画から自分に話しかけることがなくなった
居場所がない
「そうですね・・・ 私は鍋以外にも酒を造るのが好きでしてね 飲んでみますか」
エンリケはずっと優しい
「うん ありがとうエンリケ」
「アイネスさんが仲間になってくれたおかげで頼もしいですな」
「ラヴィリンス様は戦うメンタルさえ変われば戦えますよ」
「私もラヴィリンス様がいたころは戦えたのですがいかんせん高齢で戦えないのが残念でなりませぬ」
エンリケは心のケアをしてくれるから十分戦力さ
「ルージュとかいう魔女はそんなに強いのか?」
「強いですね ラヴァリンス様が生きていた頃から主力として後方魔法で必要不可欠でしたからね」
「そ、そうか・・・容赦なく命を奪う感じ?」
「えぇ 今じゃ迫害された報復として報復の魔女として徹底的に破壊してます 人も町も何もかも・・・」
ミティシはあの日以来やたらと距離がある。
前は普通に話しかけてきたのに。
今は必要最低限。
無視って一番傷つくやり方だよ
冷たい。
居場所がない。
暗黒騎士、孤立。
自業自得だけどさ 人間向いてる事と不向きな事ってあるでしょ
ちょっとは考えてほしいな
そんな俺に、そっと救いの手が差し伸べられる。
「そうですね……私は鍋以外にも、酒を造るのが好きでしてね。飲んでみますか?」
エンリケ。
あんたが天使か。
「うん、ありがとうエンリケ」
差し出された木杯を受け取る。
ほんのり甘い香り。
「アイネスさんが仲間になってくれたおかげで頼もしいですな」
「……そうだな」
頼もしいよ。
強いし。
俺より前線向きだし。
敵だったのにいつの間にか仲間だよ
「ラヴィリンス様は、戦うメンタルさえ変われば戦えますよ」
さらっと言うな。
一番難しいやつだぞそれ。
エンリケは少し遠くを見た。
「私も、ラヴィリンス様がいた頃は戦えたのですが……」
「いかんせん高齢で、今は斧を振るうことも叶いませぬ」
その声に、悔しさが滲む。
「……エンリケはさ」
俺は杯を握りながら言った。
「心のケアしてくれるだけで十分戦力だよ」
「ありがたいお言葉でございます」
エンリケは高齢の為に戦闘は出来ないが村の大工を積極的にしていて
村の人々から尊敬されている
しばらく沈黙。
ふと、気になっていたことを口にする。
「ルージュとかいう魔女は……そんなに強いのか?」
エンリケの表情が真剣になる。
「強いですね」
即答。
「ラヴィリンス様が生きていた頃から、主力の後方魔法使いでした」
「戦場では不可欠な存在でしたな」
勝てるのか?
嫌な予感しかしない。
「そ、そうか……容赦なく命を奪う感じ?」
エンリケは静かにうなずいた。
「えぇ」
「今では迫害された報復として、“報復の魔女”と呼ばれております」
その声は重い。
「人も、町も、何もかも……徹底的に破壊しておられます」
……マジか。
俺、そんなのと対峙しようとしてたの?
無理だろ。
困ったな
ふと視線を上げると、少し離れた場所でミティシがこちらを見ていた。
視線が合う。
ほんの一瞬。
彼女は何か言いたげな顔をして――
すぐに目を逸らした。
……なんだよ。
暗黒騎士、孤立気味。
だけど。
酒の温かさが、胸にじんわり広がる。
逃げたい。
でも――
この村が壊れるのも、嫌だ。
俺はエンリケの酒で酔った勢いでラヴィリンスの銅像の前で立っていた
「ラヴィリンス様よ 俺はあんたの力を継承したのに戦えない情けない男だよ」
銅像は何も言ってくれない
「ごめんね 冷たくしてしまって」
背後からミティシが話しかけてきた
「私、いや 俺の方こそごめんな お前の理想としてたラヴィリンスのようになれなくて」
「仕方がないわ 戦闘経験がないんだもの」
沈黙
「あなたのおかげでシャクラスは成長しているし、敵だったアイネスも今では仲間になったしさ」
「私は一人でラヴィリンス様のカルティシアを守る事が不安だったの」
「私が勝手にあなたをこちら側に呼んだから 思いつめないでよ」
ミティシは優しいのに俺は弱くて何も出来ない
「私はあなたがいるだけでそれでいいから戦えないのなら私があなたを守るからね」
「エンリケから話は聞いてるよ あなたが悩んでいる事も」
「ミティシ ありがとな」
「あなたは自分が思ってるよりもいい男だから自信を持ちなさい」
「ペンダントをあげる」
ミティシは自分が身に着けてるペンダントを外して手渡した
「私だって弱かった時もあったし あなたは強くなれる あなたは一人じゃないんだから ね?」
ペンダントを身に着けた
「頑張ってみるよ」
初めて異世界で素直になれた気がする。
次第に戦う決意を決めたラヴィリンス
まだまだ弱い自分に自己嫌悪するものの
村の人々を守る事に前向きに熱くなっていく
シャイラスにアイネスといった戦える仲間が増えていくにつれてルージュと戦う時は真剣勝負でミティシだけに負担をかけずに異世界転生して成長していく




