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白い結婚!?それなら、私の戸籍をあげちゃいます!〜え?拾った彼は公爵様でした!?  作者: しぃ太郎
第二部 公爵家で頑張るお嬢様

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SS ルフィーナ、ジェイドの部屋で彼の『秘密』を発見する

思いつきのSSです。少しでも楽しんでくだされば嬉しいです。

☆よくあるゆるふわ設定です。

ご都合主義でも温かい目で読んで下さると嬉しいです。



「ねぇジェイドー!今日こそ一緒にお買い物行こうってば……って居ないわね」

 

 侍従が止めるのも聞かずに、彼の執務室を開けたがレイアスすら居ない。

 今日も王宮に呼ばれて仕事をしているようだ。

 別にジェイドは公爵様なんだから、毎日出仕する必要は無いのに。陛下はこき使いすぎ。私のジェイドなのに。

 

「暇だから、ジェイドの寝室に悪戯を仕掛けておきましょうか」

 

 彼が疲れてベッドに入る時に、不自然な膨らみがあったら驚くかもしれない。私だと思って少しは期待してくれるかしら。


 最近、あまり顔を合わせてないから、私は少し拗ねているのよ。

 ああ、でも命を狙われる機会も多いって言ってたし……。

 ベッドに縫いぐるみでも仕込もうかと思ったけれど、串刺しの縫いぐるみは可哀想だわ。

 

 うーーん。じゃあ、クロエから借りた小説でも貸してあげようかしら?推理ものなんて、好みかもしれないし。

 

 そう決めて、私はクロエに相談しに行った。

 彼女は部屋で読書中だったみたい。お邪魔をしてしまった。


「え!兄を癒やしたい!?お嬢様、それならコレがオススメです!これ以外はあり得ません!いえ!許しません!」


 ――相変わらず、意味の分からない圧が強いわ!

 こくこくと首を縦に無心で振って、クロエからそれを受け取った。


「それを部屋に置いておくだけでも大丈夫です!」

「えー……。わかったわ」


 クロエに急かされて彼の寝室に向かった。

 後ろからはいつも通り、エマとメアリーが付いてきいてる。

 うん、これで安全面も文句ないでしょう。

 基本的に、メイドが部屋を片付けたり掃除をするから、そこまでプライベートな物は置いてなさそうよね。

 

 それでも、やっぱり婚約者の部屋とはいえ勝手に入る後ろめたさ――は全然ないわね。

 何度も淑女の寝室にお邪魔してくるやつのことなんて無視の無視よ。

 

「へぇ。ここがジェイドの寝室かぁ。前に来た時は暗かったからよく見てなかったわ」

 

 落ち着いた色調であまり飾り気がない。

 床には、手織りの柔らかな絨毯が敷かれ、他には中央にベッドと窓際にマホガニーの机が置いてある。

 

「物が少ないわ」

 とりあえず、仕事で疲れて帰ってきた彼がちょっとでも元気になる方法を――。

 

 さっき言われた通りにそれを実践しなければ。

「エマ、クロエが特別に用意してくれたものを頂戴?」

 

 彼女はスケスケでひらひら~な女性のシュミーズを取り出した。これをぬいぐるみに着せて、ベッドに置いてみようかなと思いついた。


 クロエは不満そうだったけれど、そこはね、ほら――貴方のお兄様ちょっと暴走する時があるじゃない。

 まぁ、ベッドに置いておくだけでも大丈夫だって妥協もしてくれたし。


 癒やしって、ちょっと疲れた時にクスッと笑えるくらいで丁度いいのよ、多分。


「さてさて――。このクマさんを……?ん?」

 ベッドの上に登ろうと近づくと足下で何かを蹴ってしまったみたいな感触がした。

 なにかしら?大事なものだったら大変だわ。

 床に屈み、手を伸ばしてそれを手に取る。


「は!これは……!」

「ルフィーナ様、それはアレですよ。男性の秘密ですよ。駄目なやつです」

「いえいえ!こんな無造作にベッドの下に置いておくなんて閣下らしくありません!きっと大した事ない物ですよ、見ても平気な筈です!」


 エマは私を窘めるが、メアリーが煽る。

 いやいやいや。諜報員やってた〜とか自分で言ってるんだからこんなに無防備なはずがないわ。どうしようかしら。


 見る?――いや、流石に日記らしい物はねぇ。駄目駄目。

 日記のように見えるけれど、ただのメモ代わりに使っている物かもしれないし。

 日記みたいに、そんなプライベートの塊をあのジェイドがこんな所に隠す筈がないし。


「よし、十秒だけ見てみましょう。とっても言葉に出せないような物だったら証拠隠滅に元通りにして見なかったことにするのよ!……共犯だからね?」


 エマが首を横に振って、メアリーが首を縦に振っている。

 シンプルでわかりやすい。


「えーーと……なになに――」

 1ページ目を開いてみた。


 ◇◇◇


『お嬢様が無自覚に抱きつく時の受け流し方――。危険度SS』

『お嬢様にキスしなさいと命令された時の対処法――危険度SSS』

『クロエがお嬢様を独占してドヤった顔をしている時の対処法――』


 ◇◇◇


「ぎゃーーーー!!!」

「えー、まだ十秒経ってないですよ?」

「封印!危険だったわ!男の秘密は暴いちゃ駄目なのよ!」

「――どちらかというと、お嬢様の秘密ですね……」


 エマが小声で突っ込んでいる。

 あの短時間で、どこまで読んだのあなた達!

 伊達に元ギルド員じゃないって訳ね……。


「元の通りに隠しましょう。部屋に入った事も無かったことにしましょう」


 私は二人に約束させた。

 赤裸々に色々なことが書いてあったらどうしましょう。

 いや、いやいやいや。


『閣下の事だから、ワザと置いた気がしますね』

『ええ、お嬢様を構いたくて仕方がない症状が出ているんでしょう。末期患者ですから』


 ああーー!何故、事細かく変なことを書いてるのよ!

 馬鹿ジェイド!!


 私は心の中でずっと愚痴を言いながら、深夜に彼が帰ってくるのを寝ないで待った。

 絶対に止めさせなくては。あの後のエマとメアリーの生ぬるい目といったら!


 ジェイドが帰宅したと連絡が来て、私は玄関ホールまで迎えに行った。もう日付が変わっている時間帯だ。

 叱ってやろうと思ったけれど、想像以上に疲れている様子なので頭を撫でて労ってあげることにした。

 仕方がない。

 後でゆっくり話し合えばいいもの。


「おかえりなさい。こんな時間までお疲れ様」

「ああー。癒やし……。ただいま、お嬢様。漸く寂しくて俺の帰りを、待っていてくれるように――」

「う……。いつも先に寝ちゃってゴメンなさい」

 

 でも、いつ帰ってくるかわからないから先に寝ててって自分から言うのに。

「久し振りに部屋でお話しない?最近は、その……。お疲れみたいだし、いつもみたいに、ほら――」

 

 使用人の前で抱き締めてあげるとは恥ずかしくていえないので言葉を濁す。

 

「ええ、いつもみたいに――お願いするね、ルフィーナ」

「う、うん。――ぴぇっ!」

 

 いきなり抱き上げられて、令嬢らしくない声が出た……。って抱き上げて階段登るの!?


「お嬢様を抱き上げるのは難易度Bですから」

 小声でクスリと笑って言った。

 筒抜けか。そりゃそうか。それに、あんな所にあんな日記を置いておくほうがおかしい。


 予想されていた。そろそろ寂しくて寝室に突入して何か悪戯することも予測されていたと。単純で悪かったわね!

 ジェイドの部屋に着いて、彼はすぐに侍従を下がらせて、私をベッドに座らせた。


「因みに、すぐ閉じたから私は少ししか読めなかったけど、エマとメアリーはバッチリ読んだみたいよ。生ぬるい目で今日一日中見られて過ごしたわ」

「うわ~……。エマとメアリーはギルド員時代の先輩なんですよ。絶対に影で笑われてるわ……」

 

 それでも、そこ迄のダメージは食らってないのかぁ。そうかぁ。私はいつも振り回されているのに。


 彼は着替えるために後ろを向いている。

(やってやろうじゃない。その余裕を崩してあげようじゃない)


「ジェイド、とにかくもうあんな悪戯は止めてね。全部記録されてたらもう何も出来ないわ」

「軽いスキンシップしか書いてないですけど、それにただの――」


 着替え終わった彼が笑いながら私の方を振り向く、その瞬間を狙って、はらりとシルクのガウンを脱いだ。


「待って待って待って!え!駄目だよ!」

 

 ジェイドが慌てて顔を隠す。ふふふ。引っかかったわね。

 裸だとでも思ったのかしら。

 スケスケはハードルが高い。いつものナイトドレスは色気がない。だから、無難な所で選んだのがコレだ。


「じゃーーん!実はジェイドのシャツを着ただけ!驚かせた!?クロエからの提供された衣装は難易度が高いから流石にねぇ」


 彼が普段着ているシャツをクローゼットから借りて、上から絹のガウンを羽織っていたのだ。


「――そういう所。その格好なら平気とか思っちゃう世間知らずな所が心配だなぁ。因みにここにレイアスが居たら、あいつの事消してるかも」


 ――怖っ!笑っているのに、笑顔がドス黒い!

 膝上まで隠れてるのに何で!?何がいけないの??レイアスがここに居なくて良かった!


「お嬢様に、その格好がいかに危険なのか身を持ってお勉強してもらいましょうね?」

「いやいやいや!座学でわかりますーー!」

「え、座ったままがいいって?」


 そんな事は言っていないーー!!

彼の日記による所の難易度SSを目指したのに、何故か私が返り討ち!見事にギャフンされた夜だった――。



 

いつも、読んで下さる方、ブクマしてくださる方、評価してくださる方、リアクションしてくださる全ての方に支えられています。

ありがとうございます!本当に励みになっています。

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