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白い結婚!?それなら、私の戸籍をあげちゃいます!〜え?拾った彼は公爵様でした!?  作者: しぃ太郎
第二部 公爵家で頑張るお嬢様

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40 ちょっと拗ねた彼からのご褒美の要求

よくあるゆるふわ設定です。

ご都合主義でも温かい目で読んで下さると嬉しいです。


甘々になっているでしょうか。ジェイド、ステイ!と何度言ったことか。困ったキャラです。




「やっぱりご褒美が欲しくて来たんでしょう?」

 予想通りの彼の行動が可愛らしい。

 いつもと同じように月明かりの下のバルコニーで彼は静かにノックしていた。

 こうして月明かりで見る彼は私だけの特別だ。


「それは――。うん、やっぱりそうなのかも。あんなに必死で君の為に命を懸けたのに、妹に取られるなんて納得がいかない……」

「珍しく本当に拗ねてるじゃない」


 本当に珍しい。拗ねるふりは多いが、彼が本当に拗ねてる所を見るのは初めてかもしれない。


「じゃあ、今回はこうね?ほら――」

 私は自分の両腕を広げて、彼に言った。

「今回は私が抱き締めてあげる番でしょう?――来ないの?」

 すぐに伝わると思ったのだけど、彼は固まって動かない。首を傾げてもう一度聞いた。

 

「ほら、ジェイド。抱きしめてあげるから、こっちに来てよ」

「もう!お嬢様のそういう所!狙ってやってる!?」

 

 ガバリと抱きついてくる。ふわりと亜麻色の髪が顔をくすぐる。ちょっとクロエと髪質が違うのよね。

 彼はもう少し柔らかい。


「凄く凄く格好良かったわよ?なんで気にしてるのかわからないけど。あそこにジェイドとレイアスが居なかったら私達危なかったじゃない」


「――レイアスにも嫉妬しそうだから止めて。あいつの方が俺より強いし……」


(何を嫉妬しているんだか……)


 今回はお互いに、いやそれ以上にジェイドは大変だったのだ。彼は幼い頃から頑張りすぎて、早く大人にならなくてはいけなかった。

 私とクロエも知らない場所でどんな目に遭ったかなんてきっと教えてくれないだろう。

 

「うん、わかった。お疲れ様。それとありがとう。何だか今回色々あって、普段の貴方が見せない部分を沢山知ってしまったわ」

「……怖くなった?危険な目に沢山遭わせてごめん。火事の時も結局俺は役立たずだった」

 

 謝りながらも、離すまいとするように、もっと力強く抱き締めてくる。だから、レイアスに嫉妬してるの?

 本当に馬鹿で愛おしい。


「バカね、もう。ずっとずっと昔から言っているじゃない。大好きよ、私の――」

 

 うーん。なんて言ってあげればいいのかしら。

 いつも宝石に例えちゃうから駄目なのかしら。

「私の――」

 婚約者?恋人?

 今更定義するのが難しいけれど……。これ(・・)が一番ムズムズとして恥ずかしいかもしれない。


「私の大好きな未来の夫で、旦那様――でしょう?」

 

 今までは彼らが私のものだって言い続けてたけれど。私が彼のものになった気がして、気恥ずかしい。

 彼に全部全部あげてしまいたくなるこの気持ちは何かしら……。ちょっと顔を上げられない。

 彼の胸から顔を上げることが出来ない。


「ちょ………っと、待って……。ちょっと無理……!あざとい!あざとすぎる……!え、天然?いやいや、天然?」

「もう!何があざといよ!貴方達双子の方がよっぽどあざといじゃないのーー!それにジェイドの方がよっぽどアレよ!」


 せっかく勇気を出して言った言葉に、返って来た言葉があまりにも残念過ぎる。

 ――もう言ってあげないんだから!お願いされても絶対だ。


「ごめんごめん。許して。余りにも可愛らしかったから動揺しただけ。――ご褒美を強請ったら何処までくれるの?」

「もう、調子がいいんだから。いつもよりは少しだけ進んでもいいわよ、こ、恋人なんだから」

 

 いつもの、大量のチュッチュッと軽くするキスのちょっと先ならそこまでじゃ無いはず。

 その位ならきっと普通の婚約者もやっていると思う。


「ジェイド?」

 

 彼は数秒の間、何かを唱えて呼吸を整えていた。

 え、何?何かまた変な事を言ってしまったのかしら?


「じゃあ、そんな事を男に言ったらどうなるか身をもって知っておいてね。駄目だよ、本当に危なっかしいんだから」


 ヒョイッと抱き上げられて、部屋の中央に連れていかれる。ズンズンと進む彼の目指す先は、まさか!

 ま、待ってーー!!その流れは流石に駄目だとわかるわ!駄目ーー!


「そ、それは随分と先に進むわけじゃないのよね??」

「ん?お嬢様は詳しい段階を知っているの?」


 いや!最終的にしか知らない!でも何か騙されて言いくるめられる気がする!私はクロエ曰くチョロインというやつなんだから。


「キスのちょっと先でしょ!?なんでわざわざ部屋の中へ!?」

「うん、ちょっと先に進むだけ、ね?」


 その先はベッドしか無いじゃない!クロエの小説でよく出る、朝に小鳥がチュンチュンする場面に自分が登場しちゃうわ!

 私が騒いで暴れているのを見下ろして、彼はその綺麗な顔で微笑んだ。いつもの悪戯っぽい表情よりも、もっと――。


「緊張してるの?」

「それは、するわよ……。ジェイドばっかり余裕で狡いわ」

「多分ね、俺の方が緊張してるよ。あの時の可愛らしい天使を本当に俺のものにしちゃっていいのかって罪悪感もある」


 前から思ってたけど、幼い頃の私をちょっと美化し過ぎな気がするわ。


「その天使ってやつ。止めてくれない?本当に恥ずかしい……。ただの我儘で無知な子供だっただけじゃない」

「うーーん。だって俺の人生で一番光を見た気がしたんだ。金髪碧眼の幼い女の子が、ずっとずっと心の中に、その光景と一緒に刻まれちゃったんだよ」


 そんなに素敵な出会いだっただろうか……。

ジェイドには、ほぼ意識がなかったから幻をみたのかもしれない。


「じゃあ、お嬢様呼びは何で?――名前で呼んでくれてもいいのに……」

「これは、ちょっと俺たちだけの特別な呼び方っていうか……。だって、ずっと愛しい俺のお嬢様だったから。趣味かな?」

「趣味!?え、趣味――性癖!?」


 クロエとエマとメアリーに聞いたわ。男性は特殊な状況下ではなくては駄目(何が?)だったり、特殊な衣装じゃないと、燃えないらしい。


「何処でそんな言葉を覚えちゃったのかなぁ?どうせクロエだろうけど。いけないお嬢様ですね。それに、そう呼ばれるの嫌いじゃないのは知ってるよ?」 

「それは……!……私にも性癖ってやつがあるのかしら……」


 ジェイドのマント姿やら、公爵仕様の豪華な衣装も格好良い。でも、侍従姿の彼も好きなのだ。

 最近は、『公爵モード』の俺様から、私にだけ『お嬢様』と言って敬語を使ってくれる彼も好きなのだ。

 ――性癖?これが……。

 真剣に悩んでいると、耳元で囁かれた。


「お嬢様?」

「ぴっ!」


 耳がぞわぞわする。

 やっぱりあざとくて計算高いのは私じゃないわ。


「ちょっと俺に集中してくれないと、、このお口を無理やり塞いじゃうよ?」

「なっ……!」

 

 唇をチョンっと指で触れられる。

 ――甘すぎる。やっぱり私は何かのフラグを立てた?回収した?それとも全部が無関係?

 

 駄目!うちの婚約者の色気が危ない……!

 クロエーー!!朝に小鳥がチュンチュンする間に起きる事を教えてーー!騙されちゃう気がするわ!

 

いつも、読んで下さる方、ブクマしてくださる方、評価してくださる方、リアクションしてくださる全ての方に支えられています。

ありがとうございます!本当に励みになっています。

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