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白い結婚!?それなら、私の戸籍をあげちゃいます!〜え?拾った彼は公爵様でした!?  作者: しぃ太郎
第二部 公爵家で頑張るお嬢様

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35 ジェイドと再会、婚約破棄に物申す!

よくあるゆるふわ設定です。

ご都合主義でも温かい目で読んで下さると嬉しいです。


第二部でも、これは書きたいストーリーでした。





「ねぇ、私に婚約破棄してほしいんですって?レイアスから書類も渡されたわ」

「あぁ、うん。――俺に何かあった時の為にね」


 色々あって先延ばしにしていたけれど、私の心が納得出来ていない。

 ちゃんと伝えないと、また同じ事を繰り返すだろう。


「それに、私に貴族籍を作ってくれたんだって?偽造までして。王子殿下にも余計な貸しを増やしたんじゃないの?」

「それは……君に言われたくないけどね。どこの誰が結婚したくないからって、貴族籍をあげて平民になるんだよ」


 ――そこは否定出来ないわね。でも、あの時はジェイドとクロエと夜逃げする事も考えてたから……。どうせ捨てるならって――。というか。


「傷ついたわ!貴方が私と別れる準備をしていた事に、物凄く裏切られた気がした」


 そう。傷ついたのよ。いくら私の為とか言ってもただの言い訳よ。そんなに簡単に私を手放さないでよ。

 その話を出したら、彼は慌てだした。


「あの時は、ルフィーナを巻き込んでしまう事を心配して。俺が手放してあげたら、こんな目に遭わせずに幸せになっていただろうと思って……」


 バツが悪そうに視線を逸らしながら言い訳をしているけれど。勝手に私の幸せを決めつけて、勝手に手放す準備をしないで欲しい。


「ジェイドが私の幸せを勝手に決めつけないで。なにそれ?自分と居るとまた不幸にするとか考えちゃった?何、悲劇のヒロインごっこやってるの?」


 ――私達が出会ってから、不幸だった事が一瞬でもあった?私は、貴方達に救われた。

 お母様が亡くなっても一人ぼっちにならなかった。

 実家で邪魔者になっても笑い合う人がいてくれた。だから強く居られた。

 

それ(・・)は私が決めることでしょう?今回、私も貴方に相応しくないと思ったわ。火事の時は逃げるしか出来なかった。私よりも小さい子供すら助けられず、レイアスに助けてもらっただけだった」


「――それは君のせいじゃない。精一杯生き延びた君に感謝しているよ。あれは俺の見通しが甘かったから起きた事件だった」


 ほら、やっぱり。全部自分で背負ってしまうのね。馬鹿な私のジェイド。


「今や市民に大人気の公爵様には、私なんて勿体ない。私の方が貴方に相応しくないわ。もっと貴方に相応しくて幸せにしてくれる女性もいるはずよ」

「違うよ!君にそんな事は求めていない!俺が好きだから一緒に居たかっただけだ!」


 ――そう。そこに気付いてよ。私だってジェイドが側に居ないような幸せを求めていないの。


「じゃあ私の方から身を引こうか?私が公爵閣下に相応しくなくて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()って!――何それ!自分で言ってて腹が立つわ。ジェイドの癖に生意気ね!それを言われて貴方は幸せ!?」


 試しに言ってみるけれど、やっぱりこの考え方に腹が立つ。そんなに簡単に手放していいものじゃないでしょう!?ずっとずっと一緒に過ごしてきたじゃない!


「私が貴方達に出会って幸せだった瞬間を否定しないで……!」

「ごめん。ごめんね。二度とあんな事しないし、これからは絶対にルフィーナを諦めないから。泣かないで」


 おろおろと戸惑いながら、必死に謝ってくるけれど簡単には許せないんだから。

 ジェイドが、私に決心させたんじゃない。

 本当は公爵様だって正体がわかった時に。

 貴方が別人みたいに感じて手放そうと思った私に、教えてくれたんじゃない。


「お願いだから、貴方達も幸せだったと思わせてよ。ずっと一緒に居たのに、それが不幸だったみたいに言わないで。ねえ、本当に私達は一緒に居ないほうがいいと思ったの?」


 そんな事は無いってわかっている。でも、ちゃんと言葉で聞きたい。我儘で弱い、本当は愛に飢えている『私の心』が納得しないみたい。

 だって死を覚悟した時に浮かんだのが、貴方だったんだよ。貴方達を泣かせてしまう事が後悔だったんだよ。

 その後に、既にサインが入った婚約破棄の書類を渡されたのよ。


「そうじゃない!俺達は、お嬢様に会えて幸せだったよ。ずっとそう思ってる。でも危険に巻き込みたくなかったんだよ。俺は命すら狙われてたじゃないか」


 理屈はわかる。弱点にしかならない私が邪魔なのも理解できる。理解してあげたいけれど。

 それとは別に、私の心がずっと傷ついて泣いていた。


「でも、話し合えばいいだけじゃない。身を引くって、何?私に対して失礼でしょう!今までの私達の時間に対して失礼でしょう!私の気持ちに!物凄く失礼でしょう!」


 自分でも気づかないうちに随分と溜め込んでいたみたいだ。既に八つ当たりになっている。わかっているけど、何故か涙は止まらなかった。


「ねぇ、もう本当にごめん。君に泣かれたらどうしたらいいかわからないんだよ。ごめん、ね?お願い。馬鹿な男のプライドだったんだよ」


 ジェイドが私をそっと抱き締めてくる。

 私はこの温かさがとても大切で失いたくない。


「悲劇のヒロインぶって、私の為になんてもう一度言ってごらんなさい。ぶん殴ってやるわ!」


 彼の胸を手で押しのけて、彼の顔をしっかりと見て伝える。その翡翠色の瞳を見つめながら。


「ジェイドの癖に生意気よ!貴方に関わって不幸かどうかは私が決めるのよ!そしてあの日に戻っても、私はあの時あの場所で双子を拾うわ!後悔なんてない!」

「うん。……うん、ありがとう。そんなルフィーナだから俺も大切で大好きなんだ。もう絶対に自分から手放そうなんて馬鹿なことはしないよ」


 少しは反省してくれたかしら。

 勝手に、一方的に相手と関係を断つって物凄く残酷で酷い事だと理解してくれたかしら。


「ねぇ、私の気持ちと私達の積み上げてきた時間を否定された事が一番の不幸だわ」

「大切な俺のお嬢様。もうしないって約束するから。いいよ、君が望んでくれるなら一緒に生きて、一緒に死のう?」


 そう言ってまた、両腕を広げた。

 不安げに少し眉を下げて、首を傾げている。

 あざといわね。アレはわざとやっている。私には分かるわ。人をあざとい呼ばわりしてるけれど、あれは計算でやっているからもっと質が悪いわ。


 伊達に何年も一緒に過ごしていない。少しの変化で分かってしまうのよ?

 でも、気づかない振りをして許してあげる。


「ふふふ。私が抱きつくんじゃ、格好つかないわ。貴方が懇願して愛を囁く場面なんじゃないの?」

「ありがとう。――愛してる。それに、こんな俺を愛してくれてありがとう」

 

 彼は、切なげな笑顔で私を抱きしめた。

 その加減を知らないような力強さが、彼の愛情の証のような気がする。

 ――仕方がない。こんな顔で甘えられ、こんなことされてしまったら。


「ねぇ、ジェイド。こういう時に言う最大限にロマンチックな台詞を言ってみて」


 彼は数秒押し黙り――。妖しい微笑で顔を近づけて言った。


「言葉より、こっちの方がいいな」

 

 優しく口付けをしてきた。

 最初は優しく。時間が経つにつれエスカレートしてしつこくなってくる。


「私は言葉を要求しているんだけど?」

「愛してる。もう絶対に手放さない。俺が死んだ後も絶対に他の男なんかに譲ってあげない。全部俺のものだ」


 ――うん、言ってくれた。

 うん、もういいか。

 意地を張っていてもお互いにいいこともないし、私が寂しい。

 ご褒美に、もう一度。今度は私から彼にしてあげた。

 

「私だって、いっぱいいっぱい愛してるわ!ずっと一緒にいようね。私は何があっても貴方の手を離さないわ」


 全然意外じゃないけれど、キス魔のジェイドから逃れるのは結構大変だった……。


 焦れたレイアスがノックするまで逃げられなかった。

 ――くっ!恥ずかしい……!

 ニヤニヤとしてジェイドをからかっているレイアスはやっぱり本当に性格が悪い。


 

いつも、読んで下さる方、ブクマしてくださる方、評価してくださる方、リアクションしてくださる全ての方に支えられています。

ありがとうございます!本当に励みになっています。

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