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白い結婚!?それなら、私の戸籍をあげちゃいます!〜え?拾った彼は公爵様でした!?  作者: しぃ太郎
第二部 公爵家で頑張るお嬢様

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34 意外な情報提供者、そして彼が帰ってきた

よくあるゆるふわ設定です。

ご都合主義でも温かい目で読んで下さると嬉しいです。



「犯人」が側妃だとして、「実行役」は誰だろう?

 やはり劇場関係者の可能性が高い、が。

 ジェイドの息が掛かった所謂敵のテリトリーでそこ迄の危険を冒すだろうか。


 買収するにしても、その後消すにしても証拠は残りやすい……気がする。


 生き残った後に不審な死を遂げた人物が居ないか、羽振りが良くなったり、行方不明になった人が居ないか等はギルドの方で探してくれるらしい。


 現状は私に出来ることは無かった。


「ジェイドに会いに行こう!」

「いやいやいや。ルフィーナ様。それはネイムレスに止められているでしょう。まずは、大人しくしておいてってば」


 そう!それはわかっているけど……。

 ネイムレスが言っていた、『監獄に入れられていた』って所が気に掛かるのだ。


「監獄に入れられていたなんて大丈夫かしら」

「まぁジェイドなら大丈夫でしょ。僕ともっと大変な目に遭ったこともありますし!『彼』も脱出したって言っていたじゃないですか。それより……」


 レイアスが、一歩近づいて来て耳元で囁く。


「お客様が来てるよ。――情報提供、ありました」

「本当に!?」

「しかも、意外な相手からです。ヘレン・ラスマン伯爵令嬢から。ね?驚くよね」


 確かに意外な!

 え、彼女が火をつけたって事?いやいやいや。

 まさに温室育ちの彼女がそんな事を考えつくとも思えない。


 応接室に行くと、手で顔を覆って泣いているヘレン嬢が居た。嘘泣きじゃない、作った笑顔でもない彼女と話すのは初めてだ。


「お久しぶりね、ヘレン嬢。お話があると聞きましたけれど」


 私が声をかけると、バッと顔を上げて涙が溢れた顔で必死に訴えた。――少し驚いた。随分と憔悴している。


「わ、私じゃないわ!誓って私じゃない!――でも見てしまったの。あの時、側妃様と私が一緒に居たのは偶然じゃないわ。貴女を劇場内に留まらせるように言われていたの」


 そういえば、側妃と一緒に声を掛けてきたのよね。

 あの時は上手く取り入ったとしか思っていなかったけれど、側妃から頼まれた?


「でも、ジェイド様にあしらわれてしまって居づらくなって、その――逃げてしまったでしょう?」

「確かにそうだったわね……」

「その時に、舞台装置の方に向かって行った側妃様の護衛騎士と侍女を見てしまったの!――服装は違っていたけれど、いつも側妃様と一緒に居る二人だから見間違いないわ」


 ――側妃の側近?成る程、怪しすぎる。


「あの時、私も死んでいたかもしれない……。それに目撃した事を知られたら、私、これから殺されちゃうかもしれないわ!側妃様に頼まれた事も、私を殺す前提だったら……!」


 確かに、私を劇場内に留めるように命令するなんておかしい。ドリンクに混入していた毒か薬。その後の火事。

 繋がった気がするわ。

 ジェイドじゃなくて、私を狙っていたのね。


「だからお願いします!ジェイド様に会わせて。あの方なら助けてくれるでしょう?側妃様と対立しているもの!」

「今の話は本当なのね?」

 

 もう一度念を入れて確認をする。

 頷く彼女の表情はとても真剣で――。

 その瞳には恐怖すら浮かんでいる。

 レイアスの方を見ると、私の目を見て頷いている。


「わかった。ちょっとジェイドは留守にしているけれど、貴女を守れる人を紹介するわ」


 ◇◇◇


「連絡役から返事が来たよ。これから匿う場所と護衛を用意して暫くの間、彼女には姿を消してもらうって。その間にもっと詳しい話が聞けると思うよ」

「ありがとう、レイアス。ネイムレスから人が送られてくるまで、ヘレン嬢の護衛を任せていい?」


 取り敢えず事態が少し動いた気がする。

 これで、もっと詳しく火を付けるなりを目撃した人が見つかれば完璧だ。


「それは、いいんだけどね。まだ何か仕込まれている気がするんだよね……」

「まだ他にも?」

「だって、何故かルフィーナ様を狙ったのも要するにジェイドが狙いでしょ?そのジェイドが逃げてしまい、目論見が外れたら、そこで止まるかな?」


 止まれない、もう引き返せない人達が黙って捕まる訳が無い――か。


「じゃあ、クロエと私も狙われる可能性があるって事ね。でも、警備は万全なんでしょう?これからはクロエと一緒に過ごすわ。それで大丈夫かしら……」

「うん。出来れば二人は直接ネイムレスに預けたいくらいだけど……。この公爵邸には人手が多すぎるからね」


 そうね。私も信用していない。

 ジェイドも信頼していないから、ギルドからエマとメアリーを連れてきてくれたのだ。


 そういえば、クロエは何処?

 ――いや、さっき会ったわ。

 エマとメアリーがクロエについてくれている。


「ちょっとレイアス!クロエが心配になっちゃったじゃないの!そういうのを小説では『フラグ』って言うのよ!」

「え!なんかゴメンなさい?」


 思わずレイアスの襟元を掴み寄せ、鼻先に指を突きつけて、思い切り文句を言ってやる。

 ジェイドに続いてクロエまで狙うですって?

 私の大切なものを次々と!


(絶対に絶対に許さないわ!)

 

 今日は久し振りにずっとクロエと一緒にいよう。

 ここ数日は怒涛の日々だった。


 私は物理は強くはないけれど、守りたい物は自分の手で守りたい。自分の知らない所で、誰かに傷つけられたりしたくない。


 ――だから勝手に動いて、今もここに居ないジェイドが心配で仕方がない。

 

 大人しく待っていろ?当然だ。私は弱い。

 誰かが解決するまで隠れている?そう。私は守られるしか出来ない。

 でも、本当に死にそうになった時に思った。

 もう一度会ってから。出来るなら彼らの目の前で。


 迷惑は掛けたくない。でも、後悔もしたくない。

 我儘は言いたくない。でも、私を蚊帳の外で隔離しないで。

 仕方がない。

 私が弱いから仕方がない。

 足手まといで弱点で狙われるから仕方がない。


「ジェイドのくせに生意気よ……。全然戻って来ないじゃないの」

「ちょ……、ルフィーナ様!――離れて下さい!僕の命の危機が……!」

 

 襟首を掴み上げられたレイアスが慌てた声を出す。

 あれ、つい本当に締め上げちゃったのかしら。


 ――そこで懐かしい声が聴こえた。

 

「ほら、やっぱり俺が居ないとすぐに浮気する。レイアス、お前には色々と感謝してるけど、早く消えてクロエを守ってろ」


「ジェイド!心配したのよ!というか何よ投獄って!」

「うん、大変だった。こっちこそ心配したんだよ。良かったよ、目が覚めてくれて」

 

 今度は入り口から登場だ。

 まぁ、警備を固めている中でまたバルコニーから来られると不安になるけれど。


「後で詳しい話よろしくね。クロエも大分心配してたんだよ。後でクロエの部屋に来てね!じゃあ、邪魔者は消えまーす」


 私からサッと離れて、ジェイドと入れ違いで部屋から出て行った。素早い。そしてやはり軽い。

 レイアスが退散した後、部屋に微妙な空気が流れた。

 心配したからかしら。

 今までだって三〜四日くらい会えないこともあったのに。


「お嬢様、これはこういう時に使うんですよね?」

 

 そう言って、彼は自分の両手を広げた。様になっている。

 これだから美形ってやつは。そしてチョロインってやつは。


「ほら、飛び込んで来てくれないと。俺が格好悪いだけじゃないか、ルフィーナ」

「ジェイド!合格ーー!おかえりなさい……!」

「ただいま、お嬢様。――あ〜、本当に癒される。もう、頭のおかしい連中と一緒に居たくないよ」


 ギュウギュウと抱きしめて愚痴を言っている。

 ふふふ。あまり格好ついてないわよジェイド。

 ――でも、彼らしくていい。

 火事の時に、もう会えないと思った彼だ。

 そうだった。クロエにも伝えたように、彼にもまた伝えないと。

 まだまだ言い足りないと後悔した言葉を。


「ジェイド、また会えて良かった。大好き。もっともっと沢山伝えたかったって、あの時凄く後悔したのよ。大好き、大好き。無事で良かった」

「俺もです。ずっと離れなければ、って後悔しました。愛しています。愛してる」

 

 チュッ、チュッと、キスを降らしてくるジェイド。

 ――うーん。いい加減止めないと。

 クロエとレイアスが待っている筈だ。


「ジェイド!取り敢えずクロエの部屋に行こう!情報共有は基本でしょ!」

 無理やり引き剥がして、彼を止めた。

「えー……。えーー!もうちょっと!後五分だけ!」

 

 そんな事を言っている彼の背中を押して、クロエの部屋に向かおうとした。ふふふ。ジェイドらしくて涙が出るくらい笑っちゃうわ。


 ――あ、でも待って。

 彼にちゃんと伝えないといけない言葉と、私の気持ちがあった。

 また再会したら絶対に言ってやろうと思っていたのだ。

 これだけは見逃せない。ちゃんと彼にわからせないと、同じ事を繰り返すだけだろう。


「ねぇ、私に婚約破棄してほしいんですって?」



 

 

いつも、読んで下さる方、ブクマしてくださる方、評価してくださる方、リアクションしてくださる全ての方に支えられています。

ありがとうございます!本当に励みになっています。

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