07 ジェイドの乳兄弟、レイアス
よくあるゆるふわ設定です。
ご都合主義でも温かい目で読んで下さると嬉しいです。
「お嬢様、お茶会の招待状です」
エマから、ロイヤルブルーに金縁が入った、王家の紋章入りの手紙を渡された。
見覚えがある。
前回とは多少模様が違う気がするが――。
(あ〜〜……またか。またいきなり大舞台に立たされるのか)
それは王妃様のご実家のウェンダース公爵家、その親戚ベルンスト公爵家。その配下家門、交友関係のある一門が招待された、盛大なお茶会の招待状だった。
明らかに、第一王子の地盤固めの為の集まりだ。
つまりは大物揃い。
「メアリー、辺境伯家のお義母様に手紙を書くわ。
……ねぇ、エマ。このお茶会の出席者の名簿が手に入るかしら?事前に参加者を確認して、相手との話題になる情報が欲しいわ」
「「かしこまりました」」
――参加しないなんて選択肢は無い。
そして、その場で孤立したり吊るし上げられるなんてとんでもない。
第一王子の足場固めなのだとしたら、男性の出席も多い大規模な物になるだろう。
そうなると、ジェイドと一緒に挨拶回りも多くなる。
(クロエとジェイドに相談しましょう!私にはまだまだ王妃様主催なんて荷が重いわ!)
エマから受け取った招待状を持って、ジェイドの執務室に向かった。
日中は大体ここに居ることが多い。
ノックをして、声を掛けると侍従が通してくれた。
「ジェイド!王妃様からお茶会の招待状が来たんだけれど!婚約者の私にまで来るんだから、貴方も参加するのよね!?」
執務室の机で書類に目を通していたらしい彼は、椅子から立ち上がって迎えてくれた、が。
「お嬢、ちょっと落ち着いて。ドアを閉めてから話そうか?……それに、それに!何か上に羽織ってきてよ。なにそれ部屋着のままじゃん! ――レイアス。あっち向いてろ!」
慌てて私に駆け寄って来ると、彼は側に居た黒髪黒目の侍従を押しのけて反対側を向かせた。
(ジェイドが普段通りに接してる人なんて珍しいわね)
それにこれは部屋着じゃないわ。最近はこのシュミーズドレスも流行していてそこまで変な格好じゃないんだけれど?
「これは、一応ちゃんとした流行りに乗っ取ったドレスなの!人を破廉恥みたいに言わないでよ」
「俺は薄着のルフィーナを誰にも見せたくないの!流行りとかは関係無いから!」
無理やり彼の上着を掛けられたがまぁいい。
「――そこの彼は初めましてね?」
ジェイドに目配りして確認する。彼がすぐに退出させないから大丈夫な相手なのだろうけれど。
「お会いできて光栄です。レイアスとお呼び下さい。
『公爵閣下の天使』が噂に違わずこんなに可憐なお嬢様だなんて。僕はジェイドの乳兄弟なんです。まぁ、ジェイド同様に気安くどうぞ?」
「雰囲気がジェイドと被っているわ」
「お嬢!それどういう意味!?こいつにまで抱きつかなくていいからね!そんな事したら、こいつの首が物理的に飛ぶからね!」
こらこら。レイアスがこっそり笑ってるわよ。
「人を浮気者みたいに言わないでよ。ちょっと似てるなぁと思っただけ」
前から思っていたけどその発言を止めて欲しいわ。私ほど一途な人は居ないわよ、もう。
「それより、ジェイド!あなた王妃様の甥なんでしょう!?その場で王妃様や第一王子に挨拶しなきゃいけないの?勿論一緒に付きっきりでガードしてくれるのよね!?」
「あ〜、面倒だけど大きなお茶会になりそうだね。うちの家門もほぼ出席予定だ。因みに第一王子のアンドレイは絶対にお嬢に絡んでくるから、寧ろ俺が離れたくない」
王族はジェイドに任せても大丈夫そうだわ。
あー……。マナーの確認をしなくては。
しかし『公爵家の配下家門もほぼ出席予定』ね。
――それじゃあ、ジェイドの婚約者候補だった女性も出席するかもしれない。
「ねぇレイアス。ジェイドにご執心の女性について教えて欲しいから、私の部屋に移動しない?あ、クロエも呼ぶから、ジェイドは嫉妬も立ち入りも禁止よ」
クククッとレイアスが笑った。
「流石、ジェイドを落としたお嬢様ですね。色々と面白すぎる。じゃあ、クロエを呼んで色々とお話しましょうか」
レイアスが執務室のドアを開けてエスコートしてくれる。やはり、ジェイドから聞くのとは違う視点での話が聞けるだろう。
「お嬢は、やっぱり浮気者だーーー!!」
「もう!だから、それを止めてってば!」
ジェイドが居ると聞きにくいことを、身近な二人に聞きに行くだけじゃない。
第三者から色々とアドバイスを貰いたいのよ。
喧嘩を売られたなら、素直に買わないで勝利だけを盗み取る。ピンポイントで止めを刺す。
これが私よ!自慢はできないけれど。
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