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白い結婚!?それなら、私の戸籍をあげちゃいます!〜え?拾った彼は公爵様でした!?  作者: しぃ太郎
第二部 公爵家で頑張るお嬢様

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03 メイド〜アン視点

よくあるゆるふわ設定です。

ご都合主義でも温かい目で読んで下さると嬉しいです。


 


 公爵家で働いて六年。


 数ヶ月前、この邸宅に公子様と公女様がお戻りになり、公爵位を継承された。

 

 整った顔立ちに明るい亜麻色の髪。そして印象的な翠の瞳。誰もが一瞬で目を奪われた。


 愛人でもいいから、あの方が欲しい。

 私はそう思い服をはだけさせたり、さり気なく誘ってみたりもしたが相手にもされなかった。



 ――後で知った事だが、公爵様には長らく想っていた方が居るらしく、その女性とすぐに婚約してしまった。

 更には行方不明だった幼い公子様とその令嬢のロマンスも話題になった。


 とても敵わなかった。


 

 

 そして、邸宅に現れたのは確かに公爵様とお似合いの金髪碧眼の儚げな美少女だった。

 

 しかしこれならば、泣き寝入りするのでは。

 少しくらいの嫌がらせならいいのではないか。


 ――少しくらいなら。

 

 そう思ってしまった時に、公爵家の重臣のご令嬢から声をかけられた。

 

 その方はジェイド様の幼馴染の女性で、一度は婚約話が出たと聞く。


「あんなにか弱そうな女性では公爵夫人に相応しくないでしょう?少し痛い目を見たら逃げ出すのでは無いかしら?」

 

 その言葉が、毒のように心の中に広がっていった。

 時間が経つほどに致命的に、取り返しようもなく。

 

 そして、メイド長も前公爵から随分と甘い汁を与えられていたらしく、邸宅の女主人を気取るのが止められないようだった。


 そのご令嬢から金銭も受け取ったみたいだ。


  (あの方は、再び現れたクロエ様と公爵様の婚約者が気に食わないのね)


 ルフィーナ様付きになった私達は、誰しもが新しい公爵に忠誠を誓いながらも、しかし新しい女主人を認めてはいなかった。


 そう。クロエ様だってそうだ。

 昔の面影はあれど。

 突然の帰還にはやはり戸惑いが残る。


 お二人が帰還した直後に、王家とジェイド様が連名でベルンスト公爵の罪を告発し、そのまま公爵が投獄された。


 世間も私達も驚いている間に、本来の正統な後継者である、ジェイド様の公爵位継承と婚約が決まったのだ。


 ――しかし、あまりにも突然過ぎた。


 なので侮ってしまった。私達は、まだ若いというだけで彼の事を見誤ったのだ。

 

 そして思い上がってしまった使用人の末路とは――。

 




 冷たい石造りの牢の中。


 事情聴取という体で縄で縛られた私達四人。

 目の前に佇む男性が二人。

 そして彼の冷たい翠の瞳――。

 

「どうしようか?予想を裏切らないというか、愚かというか。大体の裏は取れているし、使用人達はそこまでの罪はないみたいだけど?」


 公爵様に馴れ馴れしく話しかける彼は誰だったか。

 黒髪黒目。軽薄な口調で少し細身な彼は……。

 確か、ジェイド様の乳兄弟の――。


「あまり酷い罰を与えたとバレるとお嬢が傷つくからね。本当に君たちをどうしようか?」


 ぶるり、と悪寒が走る。


「折角ルフィーナの好みの部屋も準備して、彼女を歓迎して。彼女の新しい居場所になるように、安心して過ごせるように調えたつもりだったのに」


 そこで、ジェイド様は私の隣で縛られているメイド長を睨む。


「まだ叔父上の影響下にあった人間が居たなんてあまりにも見過ごせない俺の失態だ。全てを急ぎすぎたせいだな。でもまさかここまで愚かだとは思わないじゃないか?」


「まぁまぁジェイド、落ち着けって。妥当な所では追放だけど色々とペラペラと口が回る人間だと面倒だよな。それなら、ちょっとアレだけど薬で飛んでもらおうか?」


「ん……!!」

 猿轡をされたメイド長が何かを訴えているが。


「彼女達は死なない程度に。少し記憶が飛ぶ程度で済ましてくれ。余りルフィーナの耳に入れたくはない」


 興味も無さそうに公爵様が手を振る。


「メイド長は、前公爵の影響下といっても金品などで私腹を肥やしていたって所だな、資料によると。後は無駄なプライドかな?ね、メイド長?」


 黒髪の男性は、手に持った紙をヒラヒラと仰ぐ。


「明日、貴族の物を横領していた女は僕が憲兵に突き出すよ。他の者は、有り難くも五体満足で追い出してあげるね?その後はどうなるか知らないけれどね〜」


 だが、そこで公爵様が私を睨みつけた。


「でも、彼女が高熱で魘されているんだ。誰の責任だろう?お前たちの浅はかさを見抜けなかった俺かな。俺に矢鱈と執着してくるあの女のせいかな?それとも分不相応にもすり寄ってきたお前たちかな」


(あの方のことまでバレているなんて……)


 ――何故、この人が素敵な貴公子だと思ったのだろう。その瞳にここまで、残虐な色を浮かべて居るのに。

 その美しい微笑みにゾッとする。


「まぁ、これを期に全員に後悔してもらわないと気がすまないよね。お嬢は嫌がるかな。彼女が自由に過ごすのを見るのは楽しいのに、色々と邪魔が入る」

 

 そう呟きながら公爵は去っていき、私達は縛られた姿で牢に置き去りにされたのだった。



 

いつも、読んで下さる方、ブクマしてくださる方、評価してくださる方、リアクションしてくださる全ての方に支えられています。

ありがとうございます!本当に励みになっています。

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