13 三人で相談
この話は本編と全く同じです。
読み飛ばしても大丈夫です。
「お嬢ーー!とりあえず、屋根裏ではなかったですけど、本当にこのまま結婚するんですか?堂々と愛人を囲っている相手に?えー!俺は嫌です!」
まだジョンが文句を言っているわ。
不貞腐れたジョンに言い訳しないといけないなんてね。あなた、私よりも歳上でしょう。仕方のない人だわ。
「それは、私もそろそろ結婚した方が便利だしね……。将来は辺境伯夫人の権力が手に入るのよ?実家で飼い殺されるよりマシじゃない」
「こら、ジョン!お嬢様に愚痴を言わないの!」
ジェーンがジョンの頭を小突く。
ふふふ。これがいいのよ。私の大切なものが全てここにあるんだもの。
「ねぇ、ジェーン? ギュッとしてもいい?多分疲れちゃったの……」
ジェーンの胸に抱きつき、二人でベッドに転がり込む。いい匂い。大好き。
ジェーンが、後ろ手でジョンを追い払っているのも面白い。二人とも私のことを好きでいてくれるわ。
「俺も疲れましたぁ!ギュッとして下さい」
「それで、あなた達から何も報告を聞いてないんだけれど?」
いつもの事なので無視無視。
流石にこの歳で男の人に抱きついたら破廉恥でしょうが。全く。
「メイドたちからはこれといって新しい情報は得られませんでした。ただ、その女性はこの屋敷に滞在しているらしく。美人で優しくて穏やかな女性らしいです」
「うわ、お嬢と真逆のタイプじゃん。これは勝負になりませんね」
――くそぅ。ジョンの言葉に否定出来ない自分が悲しいわ。
「それで、ジョンの方はどうなのよ?」
「あー……と、まだ不確かなんですが。定期的にその女性の所に医者が通っているらしくて。それに、お茶の種類や食べ物に気を遣うようになったそうです」
――それは。やはり……というべきか。
「それは、私の想像通りなのかしら?だから、いきなり結婚相手を探し始め、こんなに慌ただしく伯爵家まで私を迎えに来た……と」
――コンコンコン。
ノックの音と男性の声。
「お嬢様、お休みの所申し訳ございません。エーリク様がお話ししたいとお呼びでございます」
来たか。彼と話さなければ何も進まない。
お飾りとして妻になるにしても。
ここから逃げるにしても――。
「さて、何のお話が聞けるのでしょうね?」
「お嬢……」
「行きましょうか?二人とも」




