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メールした内容・一部要約

件名:

市の文化財と市民の連携を強化する「貴重な書籍のデジタルアーカイブ寄付制度」導入のご提案


拝啓

貴市の文化振興へのご尽力に対し、心より敬意を表します。


1. ご提案の背景と目的

現代社会において、情報や文化のデジタル化は不可逆的な流れとなっています。

本制度は、このような貴重な資料を単に保管するだけでなく、市民の皆様にご寄付いただいた電子データを、図書館が公的なデジタルアーカイブとして整備・公開することで、以下の目的を実現することを意図しています。

・文化遺産の保存:劣化のない長期保存

・市民アクセスの向上:場所や時間に制約されない閲覧環境

・参加型アーカイブ:市民が文化財保全に関与できる仕組み

・新たな資源の創出:個人資料を公共財産化し研究・教育に活用


2.仕組みとセキュリティ対策

制度は以下の流れを想定します。

・寄付の申請: 市民が寄付を希望する書籍の情報と電子データ(PDF、JPEG、TIFFなど)を、オンライン申請フォームまたは専用窓口を通じて図書館に提出します。この際、

「ご寄付いただいた電子データについて、著作権が存続している場合は、将来的な著作権消滅後の公開を目的として図書館が保管することに同意します」

という同意事項へのチェックを必須とします。

・審査と無害化チェック:専門員が資料価値を評価し、専用システムでマルウェアやスクリプトを除去。

安全な隔離環境で確認後、保存用ストレージへ移行します。

・著作権とプライバシーへの配慮: 本制度の根幹は、著作権法と個人情報保護の厳格な遵守にあります。

・著作権の確認と時限保管: 寄付された書籍データは、著作権保護期間を確認します。

著作権がすでに消滅しているものは速やかに公開に向けた手続きを進めます。

一方で、著作権が存続している書籍については、寄付者の同意に基づき、公開用のデータとして著作権消滅まで厳重に保管します。

これにより、時代を問わず貴重な資料を収集し、未来の市民が利用できるデジタルアーカイブを構築することが可能となります。

・プライバシーの保護: 寄付者の個人情報は厳重に管理し、本制度の目的以外には利用しません。

また、個人情報やプライバシーに関わる記述が含まれる書籍データについては、その部分を匿名化・非公開とするなど、適切な措置を講じます。

・デジタルアーカイブとしての公開: 著作権の確認が完了したデータは、図書館のウェブサイトや、国立国会図書館のデジタルコレクションといった既存の公的アーカイブと連携する形で公開します。

・著作権保護の明確な表示: 公開するコンテンツには

「本サイトに掲載されているコンテンツの著作権は、著作者または市図書館に帰属します。個人的な利用の範囲を超える複製(スクリーンショットの公開・転載など)は、著作権法上の違法行為となる場合がありますのでご注意ください」

といった利用規約を明示します。

・電子透かしの導入(検討): 高画質な画像データには、不正な複製を防ぐための電子透かし(ユーザー名や日時などの情報)を埋め込むことを検討します。

これにより、不正利用の抑止力と、万が一の際の追跡可能性を確保します。


3. 実現に向けた体制と期待される効果

制度運営には専門職員、無害化システム、安全なストレージ、公開用サイト整備などが必要ですが、これは文化を未来に残す「社会的投資」です。

米国や国内大学図書館の先行事例からも実現可能性は高く、市立図書館が市民寄付を基盤にしたアーカイブを整備することは先駆的な試みとなります。

効果としては、次の点が挙げられます。

保存:災害や劣化から文化財を守る。

利用:24時間オンラインで研究・学習・観光振興に活用可能。

教育:地域の資料が授業教材となり、児童生徒の郷土理解を深める。

誇りと参加:寄付者の名前を記録することで文化継承への参加意識を高め、市民一人ひとりが文化政策の担い手となる。


4. 結び

この制度は、単なるデジタル化事業ではなく、市民一人ひとりの文化財を守りたいという想いを、公的な仕組みとして結びつけるものです。

この共創の仕組みを通じて市の図書館が市民の文化活動を支える中核拠点としての役割をさらに強化し、

地域の歴史と未来をつなぐ役割を担うことができると確信しております。

何卒、本提案をご検討いただけますようお願い申し上げます。


敬具

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