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エリス・ミドル  作者: 飴色茶箱
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2011年5月21日④ 隊長の命令

2011年5月21日 午後22時19分


遠藤球男はゲーム内の警察組織に所属していた。

フリーター生活の今の自分が現実世界では決してつけない憧れの職業だ。

「うひょ~一度、こういうミッションをやってみたかったんだよな!!血が騒ぐぜ!!」

プレイヤーのタマオが喋った。


「こらこら!タマオ君、ゲームの中だといって油断しないように。実際ゲームオーバーになったら警察といっても我々も終わりなんだからな・・」

【リュウ】というプレイヤーがタマオに釘をさした。

「へーい、へい。分かってますって」

タマオはだるそうに返事をした。

「おい!リュウの言う通りだ。遊びじゃないんだぞ。殺るか殺られるかだ。」

【カズマ】というプレイヤーもタマオに続けて苦言を吐いた。

「え~皆さん!今回の作戦を取り仕切ることになりました私はマモルと申します。」

マモルが丁寧に自己紹介をした

「では、早速ですが15分前に【エリス】というプレイヤーからネオトウキョウの警察本部に連絡が入りました。ネオシブヤのライブハウスで賞金首ランキング一位の【セイシロウ】というプレイヤーが暴れていると・・このセイシロウというプレイヤーなんですが我々、警察組織の仲間も四人やられています。」

マモルが今の状況を説明する。

「作戦は、わたくし、マモルとリュウ、カズマ、タマオの四人で行います。」

「マモル隊長!こんなにのんびりしてていいんすか?十五分も経っているんっすよ!」

タマオがいら立った様子で言った。

「え~我々は増援部隊だ。第一陣は12名ですでに出発している。現地からの情報だとまだホシはライブ会場で暴れている。で、状況だが、ライブ会場をラジコンカメラで撮影すると真っ暗だそうだ」

マモルは答える。


「隊長、それで?第一陣は突入したんですか?」

リュウが聞いた。


「いや、今は外で待機しているそうだ」


「オイオイ、そんなにゆったりしている場合じゃないんじゃね?そうしている間にも、犠牲者が増えてるんだぜ!俺達が先に突っ込もうぜ!」タマオが言った。


「タマオ君、生きて帰ることも我々の使命だ。安全策をとって外で闘う気なんだろう。第一陣は・・おそらく敵は暗闇でも動けるアイテムを持っていると推察できる」

マモルが考えを披露する。

「たしかに・・」その考えにカズマが同意した。


「まあ、賞金首ランキング一位の超大物だ。多少の犠牲は仕方のないところだ。本部からの指示によると第一陣は外で、セイシロウとシュウジというプレイヤーと戦うことになる。敵は劣勢になったらテレポートウイングで逃亡を図るはずだ。ライブハウスの中だとテレポートウイングは使えないが、我々もリスクがあるから外で闘わざるをえないところだ。そこで、敵が逃走を図ったところで我々も敵と同じ場所にテレポートウイングを使う。本部からこのレアアイテム【テレポートウイング】を10個貰っている。どこまででも追いかけるぞ!」


「敵がテレポートウイングを使う瞬間はどうやってわかるんですか?」

カズマが聞いた。


「第一陣の一人がライブ映像を届けてくれる予定だ」マモルが言った


「なるほど、ではその映像が入ってくるのをとりあえず待っていればいいんですね」

リュウが理解したように言った。

「けっ!逃げ出して、戦意喪失している相手を狩る仕事か・・楽勝だぜ!」

タマオが笑いながら言う

「まあ、窮鼠猫を噛むという諺があるように。油断するとこちらがやられますよ」

今の作戦を聞いてあまりリスクがないと感じたのかリラックスした表情でカズマは言う。


ピロピロリーン

マモルのゲーム内携帯電話が鳴った。


「おっ本部からだ・・」

マモルは素早く携帯にでた。

「はい!マモルです。はい!ええ、え?あ・・・そ、そうなんですか・・で・・私たちはどうすれば・・はい、はい。わかりました・・ええ。失礼します」

マモルの表情が青ざめている。

「どうしたんですか?隊長!」リュウが聞いた



「第一陣は全滅だ・・」


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