2011年5月8日⑫ 大都会の宝石箱
2011年5月8日 午後11時37分
品川プリンスの最上階39階トップオブシナガワで斉藤密流はプレミアムモルツを飲んでいた。
「ふぅ~、こののどごしがたまんないね」
「あれ~、斉藤さん!こんなところで余裕ですね~」
何やら聞き覚えのある声がしたので振り返ると長門大我が後ろから近づいてきた。
「うわ~いい景色だなぁ、街の光がまるで宝石みたいですねぇ。あっ横いいですか?」
「ああ、構わないぜ!しかしここは、お子様の来る場所じゃないぜ!」
「まあまあ、いいじゃないですか!じゃあとりあえずウーロン茶にしておこうかな・・」
メニュー表をみて大我が言った。
「ウーロン茶、飲みに来たのか?」
「いえ、こういうところ一度来てみたかったんです。あっ東京タワーが見えますよ!今日は青色ですか・・凄いなぁ」
ウエイトレスを見つめた大我はパッと手を挙げて注文を頼んだ。
「・・・・前から思ってたんだが・・」(おまえはいったい何者だ?)
大我を横目で見ながら斉藤は言った。
「なんですか?」大我は斎藤に対してにこやかにほほ笑んでいる。
「・・・いや、なんでもない!」斉藤はグィっとビールを飲み干した
「なんなんですか~気になるじゃないですか。」
「なんでもないよ」
「今日はこれからまたゲームに入るんですか?」
大我が質問した。
「いや、昨日の箱根からずっと休み無しだ・・そろそろ限界だ。これからデリヘルでも呼んでスカッとやって寝るとするよ」
「あははは~元気ですねぇ」
「ふっそんなわけないだろ・・本当にもう寝るわ、疲れすぎだ・・」
斉藤は苦笑いしつつ手をあげて会計を頼んだ。
「ご一緒でよろしいですか?」
「ああ、こいつのウーロン茶も入れといてくれ」