2011年5月8日④ ディナービュッフェ
2011年5月8日 午後8時
二次試験合格者たちは品川に移動した後、プリンスホテルのリュクス ダイニング ハプナで夕食を食べていた。
ここはブュッフェスタイルの食べ放題形式でデートにもぴったりな上質な空間が演出されている。
2次試験合格者達から、少し離れた席で女性アナウンサーの武田美枝子、新藤亜由美、
大野明日香の3人も一緒に夕食をとっていた。
「明日香ちゃんは、もう慣れた?」春に入社したばかりの大野明日香にベテランアナウンサーの武田美枝子は聞いた。
「いえ、まだまだ、慣れないことが多くて・・皆さんに迷惑かけてますが・・でも毎日凄く楽しいです。新人なのに、この番組に参加させて頂いて感謝してます」
「私も、明日香ちゃんに負けないように頑張らないとなあ・・」苺のレアチーズケーキを食べながら新藤亜由美が言った。
「あら、亜由美はもう、すっかり人気アナウンサーじゃない」武田美枝子は亜由美に向ってそう答えた。
「武田先輩のようには、なかなかうまくいかないですよ~もっと勉強が必要ですね」
「あっ、このケーキ美味しいよ」亜由美は明日香に向って言った。
「ほんとですか?じゃあ私も取ってこようかな・・」
「それにしてもあいつよく食べるわね」武田美枝子は遠藤球男の皿を見ながら言った。
ローストビーフが山盛りに盛られている
「ええと、確か・・・遠藤さんですよね」明日香は言った。
「今日の最後の追い込み、凄かったよね、あの体で・・・」亜由美も言った。
「武田先輩は、遠藤さんに注目してるんですか?」明日香は聞いた。
「まあね、彼は面白いと思うわよ、ただ次の三次試験を突破できたらの話だけど・・たぶん一番苦手なジャンルじゃないかな」紅茶を啜りながら美枝子が答えた。
「明日香ちゃんは?注目している人、誰?」
「そうですね・・やっぱりクイズ王の三輪さんですかね」
「彼はいいわね、意外だったのは案外、運動神経がいいのよね・・でも、彼の友人の相良晋吾だったかな・・彼の方が私はいいわね」
「どうしてですか?」明日香が尋ねた。
「性格よ!相良の方がずっと大人な感じがしない?」
「確かに・・・」一次試験のインタビューを思い出しながら亜由美は頷いた。
「亜由美は?」美枝子が続けて聞いた。
「わたしは、やっぱり斎藤さんです。ちょっと心の中で応援しちゃったりして・・」
「ああ、斎藤君ね彼も試験に参加してたわね。優秀なプロデューサーだったのにね・・思い切ったことをしたわ。彼も・・」
「さて、このディナーが終わったら、早々に開始されるわよ三次試験・・仮想空間での長丁場が・・・」