表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エリス・ミドル  作者: 飴色茶箱
41/91

2011年5月7日⑤ 蒲田でマッサージ❤

2011年5月7日 午前7時40分


歩きながら時計を見た斉藤密流は後ろでなにか呟いている人がいることに気づき、振り返った。


「四六歩、次の手は?ああ、了解!」


一次試験の休憩中に会ったニートのガキだった。携帯に専用のイヤホンとマイクを使い、棋譜を読み上げていた。


「よう、また合ったな、兄ちゃん、最後方でなにブツブツ言ってんだ?」


長門大我は、二次試験の詳細を聞き終わると同時に、秘書の紺野に協力してくれるプロ棋士を捜させた。そしてプロの棋士と携帯電話で連絡を取りつつリアルタイムで次の手を教えてもらっていた。


「ちょっと、将棋の上手い知人にアドバイス(次の一手)をもらっているんです。おかげで、順調に勝ち星を伸ばしています」


「へぇ~さすがだね、俺ももうすぐ、120点は突破できそうだが、後は、アドバンテージをどれだけ伸ばせるかだな。一スコアで一分はやはりでかい。出来るだけ稼いでおきたいところだな。」


「ですね。僕も走るのは得意って訳じゃないので、ここで最大限勝負しようとおもっています、現にもう疲れてきましたしね。そろそろ休憩しようかな・・・」


カン カン カン 赤い光が点滅している。


「おっと、少し走れ!踏切がなってるぜ!置いて行かれると通信が切れるぞ」斉藤密流が言った


「ああ!」長門大我は答える。


箱根駅伝で数々のドラマが繰り広げられた京急蒲田の踏切をダッシュで二人は越えた。


「ハア、ハア、ふう~お互い一勝分得したな!」斎藤が大我に向って息をきらせながら言う。

「そうですね」大我が涼しい顔で返事をした。

お互いにまた歩き出してDSを操作しながら言った。


斉藤は長門大我の表情を伺った・・!息が切れてない、つい一週間前合った時は病み上がりのような感じだったのにな。ってことは、最近まで入院してたって話は本当なのかもな・・凄い回復力だ。若いっていいね~

と思いつつプレイ中のチェスの次の手が閃いた「チェックメイト!!っよし勝った。」


「しかし、ペースメーカも大変だね。時速四キロで正確に不眠不休で俺たちを小田原中継所まで案内するんだから」


大我は鼻で笑って白い歯を見せた。

「別に一人でペースメーカをやるとは限りませんよ、途中でどこかで交代するかも知れないですよ。」


「それもそうだな、俺はそろそろ疲れてきた」

歩き出してそろそろ四時間か・・足が棒になってきた。そろそろ休憩するか

「あ、俺、休憩するから、またな。兄ちゃん名前は?」


「長門大我!」


「俺は斉藤密流、よろしくな」

斉藤密流はゆっくりと足を止めて手を挙げた。


そして第一京浜でタクシーを止めすぐに乗り込んだ。


山登りに備えて今のうちに疲労を取っておくか・・「お客さんどちらへ?」「蒲田周辺で腕がよくてここから近いマッサージ屋へ頼む。あっ疲労回復のマッサージ屋だぞ」


斎藤は念を押してタクシーの運転手に言った。


「はいよ、了解です!」注文が多い客だなと思いつつ、運転手は気持ちよく返事をした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ