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エリス・ミドル  作者: 飴色茶箱
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2011年5月7日③ 京急で休憩

2011年5月7日 午前6時20分


歩き始めて二時間半が経過した、十km通過、京急青物横丁がみえてきた。


自販機で買ってきた温かいコーヒーを志穂に渡した。


「うわ~ありがと、昭芳」少しつかれた顔で笑いながら志穂は言った。


「志穂さん、スコアどれくらい?いい感じ?」昭芳は聞いた。


「う~ん、勝ったり負けたり。今5勝3敗、スコアは112点だよ。昭芳は?」


「俺は、今104点、四勝零敗!」


「すごーい、何のゲームやってるの?」


「普通に将棋でやってるんだけど、一手三十秒ってのが俺には合ってるみたい。」


「志穂さんは?なんのゲーム?」


「私は花札のこいこい、ここって結構穴場かも参加人数が十人くらいしかいなくて一通りあたって五勝三敗、いけるかも?」


「だな、花札で継続した方がいいよ。大体最初、みんなそうだが、一番自信のあるゲームに参加してくる。途中から参加してくる奴は、他のところで負けてゲームを変えてくる人。だから、新規プレイヤーをどんどん叩いていけば効率よく勝てると思う。」


「なるほどね、そうかもしれないね。」

志穂はDSを操作しながらそう答えた。「やったぁ~えへへ、六勝目♪」


「う~ん、完敗だ・・・TAIGAって奴とはもうやらない。スコア121点?もうこいつ、クリアしてるじゃん・・」昭芳は携帯のメモ帳機能にその名前を書き留めた。


各プレイヤーの名前はアルファベットで表示される。個々にDSが配布された時、初期設定ですでに登録されていたのだろう。


それと、もう一つ気がついた事がある。対戦が終わると双方の現在のスコアが表示される。これは、勝てば勝つほど対戦相手が見つかりにくくなることを避けるための試験運営側の配慮だろう。


「負けたの?」志穂が様子を伺うように聞いたきた。


「ああ、将棋ルームにプロ並みの奴がいる、全く手も足も出ない。」


志穂はくすくす笑った。


「何?なにか面白いことでも?」


「いや、昭芳が焦ってるとこ初めて見たから・・あっ、ねえ、もう2時間半以上歩きっぱなしだよ。朝御飯食べるついでに、ちょっと休憩しようよ。」志穂が言った。


「休憩って言ってもな~止まると置いて行かれちゃうしな」


「すぐ、横、電車走ってるじゃん。コンビニでサンドイッチでも買って、電車で食べようよ。後一時間もすれば通勤ラッシュで込むよ、今なら座ってゆっくり食べれるよ」

 

「それもそうだな、ちょっと流れが悪いから、休憩するか・・」


志穂の案に昭芳はあっさり同意した。そうした方がプラスと判断したからだ。


昭芳と志穂は立会川から、蒲田まで京急線で朝御飯を食べながら移動することにした。


第一京浜から横道にそれて立会川駅に行くため商店街を歩いていると後ろから、DSを持った、高校生に声をかけられた。


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