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エリス・ミドル  作者: 飴色茶箱
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2011年5月7日② 箱根駅伝

2011年5月7日 午前4時


係の者が、参加者に一枚の紙を配りだした。


「これって、・・地図だよね・・ええと行き先は」神田志穂は地図をあまり見たことがないようだ。


地図読めないのか?羽賀根昭芳は思いつつ、「箱根だな!」と答えた。


「えっ」志穂は意味がわからなかった。


「箱根駅伝のコースだよこの地図は」


「あっ、正月にやってる、マラソンでしょ」


「マラソンじゃないよ、駅伝」志穂の間違いを訂正しつつ、昭芳は思った・・まさかこのコースを走れって言うんじゃないだろうな。冗談きついぜ・・・


「全員に紙は行き渡りましたでしょうか?」女性アナウンサーが力強くしゃべった。

「それでは、二次試験のご説明をさせていただきます」


「これから、皆さんには箱根までの百八㎞を歩いてもらいます、しかしただ歩くだけでは、試験にはなりませんのでゲームをしながら歩いてもらいます。」


「ゲームをしながら?」DSか・・・昭芳は咄嗟に理解した。なるほど、通信対戦でゲームをしながらって訳か・・


「まずは、特別仕様のDSの電源を入れてください・・」各自がバックなどからDSを取り出し電源を入れだした。


「電源は入りましたでしょうか?このDSは特別仕様で中にはGPSを内蔵しています。

それでは、通信モードをONにしてください」


スコア100と表示された。


「皆さんは、はじめ男性は100点女性は110点を持っています、これを箱根に到着するまでに、120点にしなければなりません。通信で1勝すると一点、一敗するとマイナス一点です。で、通信のできる範囲ですが、ペースメーカーが専用のアンテナを持っていて半径百Mまでしか通信できないようになっています。」


「ペースメーカーは時速4キロで箱根を目指し箱根駅伝で言う第四小田原中継所までいきます」


「そこからがいよいよ本番です120点以上点数を持っている者のみ箱根駅伝で言う山登りを行います。最終的に二次試験の合格者は八十名の予定です。」


「ここまでで何か質問はございますでしょうか?」



「とりあえず第四中継所までに120点集めればいいんだろ?つまり、集め終わったら、後はペースメーカーから離れて、公共の交通機関なんかで移動しても構わないって訳か?」


「はい、構いません、ただし、120点以上取った者はアドバンテージとして1点につき1分第四中継所からの山登りで先にスタートする権利が貰えます。また、この第二試験に限り、女性は最初の設定は110点になっています。つまり平均してみれば女性は男性よりも十分早く山登りをスタートすることができるのです」



「十分か・・箱根の五区はいつも逆転劇が展開される一番のエース区間で長丁場、まあそれでも女性にはやや不利な感はあるが、妥当なところか・・・」昭芳は思った。


「それでは試験開始です、皆様スタートラインに着いてください」


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