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エリス・ミドル  作者: 飴色茶箱
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2011年5月1日 ボスに報告

2011年5月1日 午前10時


ピロピロピロピロ・・ピロピロピロピロ


う~・・・うるさいな・・・

なに?この音・・・


ピロピロピロピロ・・ピロピロピロピロ


虚ろな意識の中、神田志穂は部屋の電話を取った。


「そろそろ、チェックアウトの時間でございます!ご準備をお願いいたします。」

チェックアウト?ああ・・ここってホテルか・・


まとめられた荷物と一緒に一万円と書置きを見つけた。


志穂さんへ

ホテル代ないと困るだろうからこれ置いていきますね


え。これだけ?メッセージって・・・

普通、二次試験で会いましょうとか、昨日は大変だったね。とか書くでしょ・・・

と、思いながらも志穂は急いで支度をしてホテルを後にした。


あっ、いっけない!!もうこんな時間!! 


外縁が銀色で中の文字盤がオレンジのエルメスの腕時計を見た志穂は焦った。

(今日は有給貰ってるけど早く報告しなくちゃ)


バックから携帯を取り出した志穂は福岡県警に電話を入れた。


「おつかれさまです、神田です。本部長はお手付きでしょうか?」


「やあ、神田君。どうだった試験は?」


「ええ、問題ありません。問題の量は多かったものの、難しいと思えるような問題はありませんでした。全力を尽くしましたので突破できると思います。」


「そうか、それはよかった。では、今日はゆっくり休め。疲れただろう?」


「ありがとうございます。少し・・」(まあ飲み過ぎて疲れたのが大きいけど・・)


「本部長、一つ聞いていいですか?」


「なんだ?神田君!」


「私の、職業の設定って、なんでピアニストなんですか?」


「ハハハ、神田君、深い意味はないよ。ただ警察官と公表してしまうと脅迫文を送ってきた犯人に警戒されるからな。それに君は音大出身。バイトで弾き語りとかやってたんだろ?」


「まあ、そうですけど・・・」


(正直、昨日仲良くなった羽賀根昭芳と仕事の話をしている時、少し罪悪感を感じた・・やっぱり、嘘をつくのは苦手だな・・)


「二次試験は君の他に二名、別会場からも優秀な人材を送りこんでくるそうだ」


「他の会場からも来るんですか?聞いていませんでしたので、試験に協力してくれそうな人を自分で探してしまったのですが・・」


「さすが、神田君だ!しばらくは別行動でいいだろう。二次試験までは警察が誇る優秀な君たちだから単独行動で大丈夫だ。ただ、三次試験からは私ではなく警視庁の指示に従うように・・」


「・・了解しました。本部長・・最後に一つ聞いていいですか?御堂賢一はなぜ、このような遺産相続試験をやろうと思ったのでしょうか?」


「それは、私にもわからんよ・・天才の考えることはよくわからん。君は忠実に任務をこなすことだけを考えろ!」


「ハイ!では、明日、一次試験の詳細な報告を行います」そう言って神田志穂は携帯の通話を切った。


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