2011年4月30日⑧ インタビュー
2011年4月30日 午後14時40分 一次試験 東京会場
「こ、こちら、リポーターの新藤亜由美です。一次試験東京会場、開始から5時間40分、早くも、問題をすべて解き終わったという人があらわれたようです。」
会場の出口から出てきた、三輪裕太に慌てて詰め寄り、新藤亜由美はインタビューを開始した
「お疲れ様です。一次試験、最初の退席者になりますが、試験はどうでしたか?」
「う~ん、思ったより、簡単だね。どれも基本的な問題ばかりで・・・ちょっと拍子抜けだな。もっと、骨のある問題を出してほしかったね。」
自信満々に三輪裕太は答えた。
「すごく、自信がありそうですね?」
「自信も何も、一次試験なんてただの足切りでしょ?ま、お姉さんにはちょうどいいレベルの問題かも知れませんね」
新藤あゆみに向かって、三輪裕太は皮肉っぽく言った。
「失礼ですが、クイズ番組でよくお見かけする、三輪裕太さんですよね?」新藤亜由美は聞いてみた。
「ふ~ん。よく知ってるね。さすがは、テレビ局のアナウンサーさんだ。二次試験はもっと難関な試験にしてほしいね。上の人に言っておいて!」
一次試験は突破したも当然のような口ぶりの三輪裕太は答えた。
「は、はい、上の者と相談してみます・・」半分演技でやや上ずった声で亜由美は返答した。
余裕に表情を見せつけるクイズ王を前に亜由美は
(なに、この自信家!一次試験で落ちちゃえばいいのに)と心の中で毒づきながら、
「三輪裕太さん。今日は、おつかれさまでした~二次試験も頑張ってください」
新藤亜由美は笑顔で言った。