2011年4月30日③ 問題は千問
2011年4月30日 午前8時30分
「え~、朝早くから、お集まり頂きましてありがとうございます!」若手男性アナウンサーの石橋海人は元気よく第一声を発した。
髪型は七三分けで元気のよさが自慢の新日本テレビの人気アナウンサーだ。
「これから、皆様には、案内はがきの予告どおり、学力検査をさせていただきます」
「持ち込みは原則自由です電卓も、電子辞書も、教科書など何でもOKです」石橋海人は試験についてハキハキと説明をした。
「それでは、これから問題を配付いたします」
十数人の係が手分けして、問題のプリントと思いきや?????プリントじゃないな・・
本を配りだした!!まるで、問題集だ。
「みなさま、問題は行き渡りましたでしょうか??」
「ごらんのとおり、これから、こちらの本に掲載されている問題、千問を解いて頂きます」
「せっ、千問??」周りからどよめきが起こった。
アナウンサーの石橋海人は気にせず説明を続ける。
「スタートは午前9時、終了は午後8時半です」
「最初に目次が書かれています。国語、数学、理科、社会、英語、中学生で習う五教科各100問で500問、スポーツ、芸能、雑学クイズ、パズル、時事問題、各100問で、500問、合計1000問です」
アキヨシ>1000問か・・
シホ >音楽がないよぅ残念(>_<)
アキヨシ>英語があるだけよかったじゃないか
アキヨシ>あ、試験が始まったら、(>_<)とかいらないから!
シホ >なんで?
アキヨシ>時間がもったいないだろ?一問でも多く解け!!
アキヨシ>とりあえず、シホは俺に英語を教えてくれ、俺は時事問題で確実に分った問題は教えるから!
アキヨシ>それと、最初の一時間はパソコンの電源切っておいた方がいいよ。
シホ >最初は、自分で問題を解いた方が効率いいって訳?
アキヨシ>まあ、それもあるけど、長丁場だ11時間半もパソコンのバッテリー保つか?
シホ >問題ないよ!!換えのバッテリー持ってきてるから(^o^)
なかなか使えるじゃないか、足でまといにだけはならないな、と思いつつ。
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アキヨシ>じゃあ、別にパソコン切らなくてもいいよ。何かあったら連絡くれ。俺も換えバッテリーもってきてるから
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「禁止事項は、この体育館での他人との会話、他人の答案を見るカンニング、独り言や携帯電話でのおしゃべりも迷惑になりますので厳禁です」
「なお、休憩時間は特に設定しておりませんが、体育館を出ての休憩は自由です、席を立つ際、問題集と解答シートだけは持ち出さないでください、持ち出しを発見したら即、失格です。」
「何か質問は、ありますでしょうか?」
ひょろっとした、眼鏡の男が手を挙げた
「すみません、ここで昼食を食べながら、試験を解いてもいいのでしょうか?」
「申し訳ありません、臭いや音で試験に集中できなくなる方もいるかも知れませんので、大学の食堂や、コンビニがございますのでそちらでお済ませください」
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シホ >ざんねんだね~コーラとじゃがりこ(^^)
アキヨシ>うるさい!!!!!
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「他に何かありますでしょうか?」
後ろの方から声がした
「え~と、解答用紙を見ると、すべてマークシートの五択だけど、もし、間違った答えを選んだら減点とか、あるのかな?」
「減点はありません、ただ、得点できなかったというだけです。つまり問題が分らない場合は取り敢えずマークシートを埋めておけば五分の一の確率で正解できるというわけです」
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アキヨシ>よかったな、間違った答え教えても減点されなくて
シホ >大丈夫だよ、中学英語なら、ほぼ分かると思うよ。
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「他にはありますか?」
もう一度、後ろの方から同じ声がした
「もう一つ、ジャンルは違っても、全問同じ点だよな」
「はい、全問一点で千点満点です」
「他に質問はございますか?」
「合格ラインは何点ですか?」
左隅の席から低い女の声がした
「合格ラインはございません、5会場で2000人近くがエントリーしています、主催者側は、一次試験で300人まで絞り込みたい考えです。ですから何点取れば安全とかはないとお考えください」
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シホ >精神的にきびしいね(>_<) 何点取ればいいか分からないなんて・・
アキヨシ>上位15%か・・確かに厳しいな、だが2人で力を合わせれば必ずクリアできるよ
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「それでは、もうすぐ9時ですので、質問はここで締め切らせていただきます」
「1分前です。皆様ご準備ください」