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エリス・ミドル  作者: 飴色茶箱
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2011年3月6日 使える男

2011年3月6日


高橋一真の美容クリニックのプレミアルームでアールグレイのミルクティーを飲みながら二人は話していた。


「一真先生!先日、御堂賢一の葬儀に行ってきました。」


「ほう、それで、どうでしたか?彼は・・」高橋一真は自分の手術した長門大我の経過が気になるようだ。


「ええ、まだ車椅子でしたが体調は良さそうでした。先生の腕は確かですね。順調にエントリーしてきそうだわ。最強のニート決定戦に・・」自分の思惑通り事は進んでいる。そういう表情を絵栗珠が見せた。


「まあ、ここまでは絵栗珠さんの計算通りと言ったところですか・・・」


「そうですね、まあでも、それは、あちらも計算通りと思っているでしょうね。」


「どういうことですか?」高橋一真は少し表情を変えた。


「私が、御堂賢一に遺産の有効な譲渡方法をアドバイスに行ったとき・・彼はすでにもう気づいているんです。人が損得勘定無しで・・見知らぬ他人にアドバイスをすることなんてありえない。ってね!」


「つまり、絵栗珠さんが自分の遺産を狙っているってことはもう気づいてるってことでしょうか?」


「ふふ、当然気づいてるわよ。頭のいい御堂賢一ならね!でもね、私がアドバイスした方法がベストな選択だと思ってるはずよ。彼にとっては。長門大我っていう縁も所縁もない他人に譲渡して世間に不審に思われるよりも。私の案に乗って最強のニート決定戦で優勝して金と名誉を手に入れた方がいいって考えるはずよ」


「では、絵栗珠さんの挑戦を受けて立つ気でいるってことかな彼は・・」


「そういうことになるわね・・でも最強のニート決定戦に出るのは亀井絵栗珠じゃないってのは彼も思ってないんじゃない?見えない敵と戦うのは容易ではないわ」



「出場するのは絵栗珠の教え子の相良晋吾君だっけ?」


「そう相良君!」


「彼が優勝したらどんな配分で賞金をわけるんですか?」


「別に何も約束してないわ。ただ、勝ったら高級レストランで奢ってねって言ってるけど」


「ふふ、絵栗珠らしいね!」


「でも、相良君なら何も言わなくても、私の研究室に寄付くらいはしてくれるでしょ。100万円くらいはね」


「ははは、そんなに少ないの?優勝賞金は200億円だよ、で・・・相良晋吾っての使える男なのかい?」


「そうねぇ、一真先生くらい使えるかも知れないわね」


「そいつは、相当使えるな・・・やばいくらいに」自信たっぷりに高橋一真は断言した。



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