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エリス・ミドル  作者: 飴色茶箱
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2011年2月14日 美味しいチョコレートのお話

2011年2月14日


「どうぞ、相良君!これ手作りなの」絵栗珠は晋吾に綺麗にラッピングされているチョコレートを手渡した。


「いやいや、絵栗珠!これダロワイヨじゃん!バレバレですよ」

晋吾はすぐに突っ込んだ。


「あら、市販のチョコレートの方が美味しいのよ。だって、手作りって言ったって、一回溶かして、また固めるだけじゃない。相良君。美味しいチョコレートってどんなのか知ってる?」絵栗珠が得意げになって聞いてきた。


「美味しいチョコ?ん~わかんないな」


「チョコレートは夏になると溶けやすくなるでしょ。そこでチョコレート会社はカカオバターをわざわざ抜いて他の植物油をいれて溶けにくくするの。でもね。そうすると、風味や口どけが悪くなっちゃうのね。だから本当に美味しいチョコレートっていうのは今の季節しか食べられないような溶けやすいチョコなのよ」


絵栗珠はチョコレートうんちくを晋吾に披露した。


「へぇ~そのままだと美味しいのに。保存のために美味しさを犠牲にしているのか・・」


「そういうこと!ひとつお利口になりましたね。相良君」微笑みながら絵栗珠は言った。


「とりあえず、ありがと。絵栗珠!うれしいなぁ。超人気美人教授からもらえるなんて」


「なあに、そのわざとらしい持ち上げ方」そう言いながら絵栗珠は晋吾に顔を近づけてきた。

「て、照れ隠しだよ」絵栗珠の鮮やかな瞳に吸い込まれそうになった晋吾はそう言うのが精一杯だった。


「フフフ、可愛いわね、それでは、今から出す問題に答えられたら、いいところにつれていってあげる」


「いいところねぇ・・・まあ、とりあえず問題を出してみて」どんな問題なんだろうと思いながら晋吾が答えた。


「それでは、これから私と一緒にレストランに行ったとします」


「うんうん」


「注文した料理が運ばれてきたところで相良君の料理だけオーダーした料理と違っていたとしたらどうする?」


「・・・絵栗珠の料理は違っていないんだよね・・そうしたら、そのまま食べちゃうかな・・」


「どうして?」


「だって、作りなおしをお願いしたら絵栗珠と一緒に食べられないじゃん。どうしても時間差ができちゃうからね」


「まあ、なかなかの回答ね。及第点!じゃあこれからレストランにデートに行きましょう。今日は奢るわ!」


「えっ!!デート!やったぁ!!」


「打ち合わせも兼ねてだけどね!」


「えっ打ち合わせってあの、この前言ってた遺産相続者を決める、試験の話?」


「そうよ。いいでしょう?」少し強引に言った


「う~ん。まいっか。絵栗珠と一緒にご飯が食べられるだけで僕は満足です」謙虚に晋吾は答えた


「じゃあ行くわよ」絵栗珠はエルメスのバックを持って立ち上がった。


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