2話 第二次世界大戦 開戦編
かなり長いので開戦編と終戦編で分けます。
応援演説中に撃たれた世界最高の総理安倍晋三は、なんとも不思議な世界。枢軸国が第二次世界大戦に勝利した世界の2022年き飛ばされてしまう。おかしな世界に段々と気づき始める晋三は真実をついに知ることになってしまう…
朝日が眩しい。固い感触のする、畳から起き上がると森喜朗を名乗る老人がテレビを見ていた。
テレビの音が聞こえる。
独逸国は9月の党大会に向けて、連続ドキュメンタリー番組「総統の全て」を放送することが決定しました。東方生存圏、通称DU(ゲルマン民族共同体)の全域で放送することが義務化され、貧しいドイツ人にテレビを無償贈与することも決定されました。
やはり、私の知らないことばかりだもしかするとあのテレビは大掛かりな嘘なのだろうか?
すると森喜朗、いや彼が私が不思議そうにしていたと気付いたのだろう。話しかけてきた。
後で、サンフランシスコの街を案内してやるよ。ところで記憶がないから、もしかすると日本の歴史も忘れちまったか?
私は今まで不思議だったことを話してみようと思った。今まで不可解だったこと、私の知る歴史。
…そして私は真実を知るのだ。輪廻転生という言葉がある。死んだら生まれ変わるというものだ、しかしそこが別の世界ならどうだろう?私の知らない歴史。どうやら私は知らない世界に転生、、
つまり、異世界転生してしまったようだ。そして私はこれが神の思し召だと思った。歪んだ歴史…
そう、分岐点はあの日から始まっていたんだ。
1937年7月支那事変、日中戦争が開戦した。日本は史実通り北京、天津、上海、を制圧した。
初手は快進撃を見せた日本であったが、蒋介石は
周囲の諸軍閥と共に抗日民族統一接戦を宣言。
12月には南京を陥落させた日本軍であったが、11月に蒋介石は首都を重慶に移転させており政府機関としての機能を失うことなく、戦闘を継続した。
華北方面でも進撃を見せていた日本は北平に傀儡政権、中華民国臨時政府を結成した。
しかし、当初早期終結すると考えていた。日本だが、英米仏の支援、中華民国の奥地へ浸透できず、ゲリラ的抵抗により日中戦争すなわち支那事変は泥沼化することになる。
しかし、一つの変革が訪れた。1939年、ポーランドに侵攻した。ヨーロッパの同胞ドイツが1940年6月にフランスを降伏させた。この時、日本がインドシナを要求し、中華民国の支援ルートの一つ仏印ルートを遮断した。
ここからが私達の知る歴史と異なっていく。
1940年7月ドイツはロッテ戦術と大量の戦闘機を用いてドーバー海峡での戦いを始めた。数が優勢なドイツは史実とは違い、徹底した航空機の整備と爆撃目標を沿岸部に絞り、僅か2ヶ月でこの戦いに勝利した。のちにこの戦いはバトルオブブリテンと呼ばれることになる。
イギリスの空軍を殲滅したドイツ軍は史上最大規模の上陸、および空挺降下を利用した。ブリテン島上陸作戦を立案。
1940年10月、アシカ作戦を決行した。ロイヤルネイビーの抵抗により、甚大な被害を出しながらもドイツ海軍を結集させ対艦攻撃機を用いながらドーバー海峡の戦いに1941年一月に勝利。アフリカ接戦に師団を割いていたイギリスは本土が手薄になっており、ロンドンが陥落。
政府機関が崩壊し、国体が維持できなくなったイギリスは降伏した。1941年3月のことだった。
アジアに戻ろう。中華民国は英仏の支援を失い急速に弱体化、第二次攻勢を仕掛け日本軍はじりじりと戦線を上げていった。
この頃、アメリカはようやく事態の深刻化を確認。対日政策を格段に厳しくした。また、連合国を継承し、アメリカ的連合国を発足。南アフリカ、オーストラリア、カナダなど英連邦諸国が加盟し、ドイツに戦線布告した。1941年3月のことだった。
また、対日湯室禁止令を発令。日本はようやく勝てそうな日中戦争が継続不可能になると恐れ。アメリカとの交渉を行うも失敗。ハルノートにより、日本の要望が全面的に拒否されたため、軍部は開戦を決意した。
少し時を戻す。中東やアフリカではアメリカ軍が本格介入。スエズ運河の防衛を固めていた。ジブラルタル海峡は既にイタリア、ドイツ連合軍により、1941年4月に陥落したが、アメリカは海峡奪還計画を立案した。
イタリア軍がアフリカや中東で英国兵の残党とアメリカ軍で激戦を繰り広げる中、1941年6月ドイツが独ソ不可侵条約を破棄し戦線布告した結果、史実では最悪と言われた独ソ戦が始まる。
次々と敗退する敗退するソ連軍を見て日本の勝利に対する自信は確信へと変わっていった。
1941年12月7日、日本は真珠湾に奇襲を仕掛ける。同日、東南アジアの植民地に侵攻した。真珠湾での奇襲は大成功。史実とは異なり米国太平洋艦隊がハワイに集結していたためアメリカは太平洋艦隊再建の間日本軍に太平洋の進出を許すことになる。
日本は、1942 年2月に東洋のジブラルタルと言われた、シンガポールを陥落させた。その後も日本は快進撃を遂げた。さらに、1942年12月にはフィリピンが陥落。史実より遅れて、太平洋艦隊を再編成したアメリカは1942年12月の終わりにミッドウェーにて、日本軍主力と接敵。ミッドウェー海戦が勃発する。
ミッドウェー海戦は日本の大勝利に終わり、またもや米艦隊主力は壊滅、再編成をする羽目になった。
日本軍はソロモン諸島を制圧。ガダルカナル島の戦いでも勝利し、日本軍の指揮は一気に高揚。オーストラリアに圧力をかけるFS作戦が実行が映されるのであった。
続く
登場人物解説
安倍晋三 日本国元総理、不幸にも応援演説中に撃たれ、なくなってしまう。枢軸国が第二次世界大戦に勝利した世界の現代に転生した、この話の主人公。
森喜朗 史実では日本国元総理、アメリカの潜水艦が民間船と衝突し、学生が亡くなった事故最中にゴルフをしていたため支持率を失った。現在もオリンピックやスポーツ大会の運営に関わっている。この世界では、若い時に民主活動家をしていたが警察に何度も逮捕されたのち、サンフランシスコに住み始めた。
機関解説
DU(ゲルマン民族共同体)この世界では戦後冷戦時代に東方生存圏からDUに名前が変更された。ドイツ民族を中心とする統合国家で範囲はヨーロッパ、アフリカ、ロシア(ヨーロッパ側)まで広がる。史実のEUに似ている。