それは…
ミナのいる部屋のドアの前で、外の朝日を見ながらガジはタバコを吸っていた。アネゴは冷静に鋭い目つきで聞いた。
「テメェ…何しにここにいやがる」
ガジとは、裏の情報を専門にもしている情報屋と個人で車の修理屋やっているじいさんだ。
「今、お前と話す余裕なんてねぇーんだよ。だからそこをどいて…とっとと帰りやがれ…。それにここは禁煙だ」
アネゴは冷たい表情でガジの肩を掴み、退かそうすると…ガジはタバコの煙を吐きながら言った。
「お前さんにしては相当、堪えているようじゃな。全く、情けないの一言に尽きるのー?えー?」
アネゴはその言葉にカチンとき、ガッとガジの服の胸ぐらを掴んで怒鳴った。
「あん?喧嘩売りに来たんならそういえや!!!こっちは色んな情報が入って頭ん中無茶苦茶なんだよ!!!何も知らないくせに知ったような口で喋ってんじゃねーよ!!!俺が…俺がどれだけ苦労してると思ってやがる!!この性悪クソジジがよ!!!」
アネゴはガジに怒鳴り散らした。ガジは顔色を全く変えずに言った。
「それはお前さんが招いた結果じゃろ。もっと考えて行動すれば、また違った結果になっていたはずじゃ。違うかい?」
「くっ!!」
図星を突かれたアネゴは、ゆっくりガジを下ろした。アネゴは地面に膝をついて……………涙を流して言った。
「だったらどうすりゃー良かったんだよ。俺が死ねばよかったのか!?マイが死ねばよかったか!?それともミナか!?それとも…」
いつもの強気なアネゴの姿はもうなくなっていた。取り乱すアネゴを見て、ガジは優しく言いながら説明した。
「んんや、誰も死んじゃいけなかった。お前さんもマイちゃんもミナさんもじゃ。ワシはただ…もう少しばかり、周りの人に助けを求めてもよかったんじゃないか?と、ワシは思うんじゃよ。お前さんの事情もマイちゃんの事も知っていることだったしな。手を貸せと言えばいつでも手を貸せたんじゃぞ。まぁ…だが、お前さんも相当焦っていたんだろと思う。どこで情報が漏れているかなんてサッパリ分からなかったんじゃろうからな。毎日、気が気じゃなかったはずじゃろうよ」
アネゴはまたガジの胸ぐらを今度はゆっくり掴んで言った。
「わかってんならよ……なんでそんな事を言うんだよ!助けなんて呼べるわけねぇだろ…。俺は…俺は嫌われ者なんだからよ。それが俺と言う…真実なんだ………。誰も俺のことなんか理解することなんてできねぇーだからよ!」
顔を真っ赤にして、悔しそうな、怒り狂っているようなそんな顔で。
「嫌われ者か…。お前さんの場合は自分から嫌われようとしているように見えとる。ワシにも苦い経験があるからの。よくわかるつもりじゃ。お前さんの過去に何があったかは知らんし、ワシには関係のない話じゃ。……だが、お前さん自身を変えることはできたはずじゃ。意地を張るだけじゃ人は守れんしな。まぁ…そこでじゃ。ただただお前さんをいじりに来たわけじゃない。ほれ、特別な情報を持ってきたぞ」
「え???」 アネゴは涙を拭き、顔をゴシゴシし、立ち上がった。
「一回しか言わんぞ。まず一つ、お前さん達の一件の一部始終を見させてもろたぞ。二つ目に裏でマイちゃんとミナさんを悪意的な利用をしていた黒幕を捕縛した。三つ、それでそいつなんだが、今頃はもう消されたことになっている頃じゃよ。だからもう…何も心配することはないと言うことじゃよ。アネゴ」
アネゴはそれを聞いてポカーンとなった。
「え!?な、、ななな!まてよ!どう言う事だよ!いきなり何が起きていやがるてんだ!?」
ガジは後ろのポケットから手紙を出して、アネゴに手渡した。アネゴは困惑した。
「なんだよこれ…」
手紙の後ろを見るとそこには名前が書いてあり、そこにはアネゴの姉「ミサ」からの手紙だった。ガジは言った。
「中身は、ミナさんとマイちゃんと一緒に読むようにねって、伝言じゃよ。後はお前さんら次第じゃ。じゃ、要は済んだことだし、ワシは帰るとするよ。あともう少しじゃ、頑張れよーアネゴよ。じゃあな」
ガジはそう言うと下駄の音を鳴らしながらアネゴの前から去っていった。
アネゴの姉「ミサ」とは、羅刹総合病院のナースである。昔は喧嘩が強く、頭脳明晰で暴走族総勢200人トップを背負った女性である。アネゴはそれの影響で今も不良をしている。
「そうか。またアネキに貸を作っちまったってことなんだな…。……まさか、姉貴も裏で探っていてくれたのか。本当…よけないなお世話だっつーの…全く……」
一呼吸置いて、部屋に戻ったアネゴは暗い部屋の電気をつけ、すぐに寝ている二人を起こした。疲れて寝ぼけている二人に、ガジにあったことをアネゴは二人に説明した。ミナとマイは寝ぼけながらもアネゴの説明に何も言わずに頷き続けた。
そして、ガジからもらった手紙をゆっくり開けた。ミサさんからの手紙の内容とは…………………




