3人から2人に…【旅行編】
なぁ。運が悪いって、どういう時に使うんだろうな。自分に不利益が起きた時か?それとも、予想しない出来事が目の前で起きた時か?…それとも…大事な仲間が死にかけている時か?言い出したらきりがねぇ…。
私は…、悪子なのかもしれない…。私がいたせいで…大切な人たちが少しずつ、傷つけてしまう…。…私は、なんどもそう…思ってしまう…。
そう、あの日。俺たちは、車でホテル帰る途中だった。本当に…帰る途中だったんだ。普通のどこにでもある信号、俺たちは車の中で今日の出来事を楽しく会話しながら…その青信号を進んだ。会話の隙間のすり抜けるようにサイレンが遠くで小さく、そしてどんどん大きく鳴り響いていたことだけは覚えている。だが、あの時の俺は浮かれていたのだろう。その音に対して、まったく気にしなかった。…俺は…このサイレンの音にもっと耳を傾けていればと…後々、俺は後悔した。
車で移動中こと…………。空は暗く、俺たち外食を終え…夜中の石垣市内を移動していた。
「おっし!この赤信号をまっすぐに行けばすぐホテルやで〜!荷物下ろす準備しといてや〜!」
「おう!ナナ!今日は本当に助かったぜ!本当に…いい旅行ができたと思うぜ!」
「ん〜?あ!もちろん後でお代はいただくデー?タダなわけないやん!はっはっは〜!」
「あん?お前のあの重〜い悩み聞いてやったんだからそれでノーカンだろ???」
「たっー!それ言われたらおしまいやな!まったく…あ!そやな!マイちゃんくれてもええんやで〜?」
「あん?おいナナ!人権って〜知ってるか?」
「知っとるで〜。だから!マイちゃんが私と居たいと言えば問題ないわけやんな??」
「チッ!知ってやがったか。だが残念だったな!マイはもう俺らの仲間だ!抜くならリーダーである俺の許可取ってからいいな!」
それを聞いたマキは、ナナとアネゴの会話に割って入って言った。
「アネゴアネゴ!マイで取引をするなんてやめてくださいっすよ!不謹慎っすから!」
「はぁ…。冗談に決まってんだろ。全く…変なところで真面目なんだかんな〜マキは」
暗い車内、暗闇を照らす赤信号と街灯と住宅街、どこにでもある普通の光景。
「はぁ…じゃないっすよもう!!冗談でもいわないでくださいっす!ねーマイ!」
「…?マキ。取引ってなに?」
「え…とっすね!子供に分かりやすく言うと…取引っていうのはっすね!ほら!マイがお買い物で、お金を出して食べ物を買ってるじゃないっすか?あれがいわゆる取引なんっすよ!」
「…そうなんだ」
「まぁ、アネゴの取引は取引と言えない場合の方が多いっすけどね…」
「そうなの?」
「まぁ!今は気にしなくていいっすよ!さぁ!ホテル着いたら、お風呂にはいって、明日には帰るっすよ!」
「…うん」
「ほ〜?俺が黙っていりゃ好き放題言いやがって、てめぇら二人は後でベロにワサビぬりぬりの刑だかんな???」
「じょ!冗談っすよ!!!やだなーあねごーはっはっは!!!」
「ふ。話は終わったみたいやね!じゃ!行くでー!」
ナナは俺たちの乗った車を発進させ、青信号の交差点にはいった。その瞬間だった……。
車が交差点の真ん中に差し掛かった瞬間、ドーーーーン!!と激しい衝突する音が街中に響きわたった。これが俺の記憶が途絶えた瞬間だった。
次に俺が目を覚ますと、最初に見えたのは見知らぬ白い天井だった。いや…、これはよく知っている天井でもあった。俺は病院の個室用のベットで寝ていた。俺はゆっくりベットから身体を起き上がらせて座った。自分の周りを見渡すと、俺の手を握って、座って寝ているマイが側にいた。そして…外を見るともう夜も明けていて、日が差していた。
「いっつ!!!」頭がいてぇ…。俺はそっと頭を触ると、頭にはタンコブ2箇所できていた。
とりあえず、俺たちに何があったのかを確認するために、ベットの近くにあったナースコールを鳴らしまくった。数秒後、主治医とナースがきて、俺の容体を調べた。俺の場合はタンコブ以外は問題はなかったそうだ。そしてその主治医に、寝てるマイの側で現状の話を聞いた。頭に氷を当てながら。
「冷てぇーし、頭いってぇし。先生さんよう、なんとなくだが想像がついている。回りくどいのは嫌いだからよー。何が起きたのかだけ教えてくれ」
「うん〜そうですね〜。まぁ…意識がはっきりしているようですのでお答えいたしましょうか。その代わりですが、自分たちを決して…決して責めないでくださいねっとだけ…」
「回りくどいぞ!!!早く言ええ!!!」アネゴはマイを起こさない程度に静かに怒鳴った。
「わ!わかりました!すいません…。えっと…そうですか。では、一からお話しいたしましょう。そうですね…まずは、あなた方には昨晩の出来事を私が知っている範囲でお話しいたしましょう。私も警察から聞いた限りの話ですので、すべてはいえませんので、ご承知ください」
「そんなこたーわかってんだよ!本題に入れ」
「………はい。では…、まず、あなた方はですね。車同士の事故に巻き込まれてこの病院に運ばれてきました。ここはまではお分かりでしょう。そして…事故が発生してから、まず、最初に運ばれてきたのは、あなた方4人のうちの1人、重症の須賀田 (すがた)マキさんって方でした」
「なに!?マキが重症だー!?どういうことだ!!今はどういう状態なんだ!!マキは!?マキは生きて無事なんだろうな!?」アネゴは主治医の先生の胸ぐらを掴んで揺らした。
「お!落ち着いてください!メメさん!大丈夫ですから!て、手を離してください!」
「…………チッ」アネゴは手を離した。
「はぁ…はぁ…。つづきですが、重症のマキさんは今は手術を終え、現在は集中治療室で治療を最優先で受けておられます。すぐに運ばれてきたことで、手早く手術ができことが本当によかったと…私は思います。ですので今は命に別状は今はありませんが…、まだ意識がもどっておられません。ですが、今後はマキさんの気力次第で回復すると思われます」
アネゴは静かに拳に力を入れながら聴き続けた
「あと容体ですが、運ばれた時点で、折れた肋骨の骨が肺を突きささり、出血多量でかなり危険な状態でしたってことと、左腕の複雑骨折と左足の骨折です。以上が今のマキさんの状態と状況になります」
「そうか。なぜマキだけがそんな重症に…。他の奴らは?ナナの容体は!?」
「福田 ナナヤさんはあなたと同じで、今の所の容体は一緒ですね。今は気を失っておられますが、時期に意識が戻るでしょう」
「そうか…ナナとマイだけは…大丈夫だったんだな…」
「はい。ここからは私ではなく、警察からの事情聴取となりますので、詳しいことはそちら方でお聞きください。簡単な聞き取りだけだそうなので時間はあまり取らせませんので、警察が来るまで病室で少々お待ちください。それでは」
そういうと先生はさっさと病室からでていった。…俺は寝てるマイを揺らしてみるが起きる様子はなかった。全く…なんでこいつだけ無傷なんだか…。
「ん?これは…」マイの服を見るとべっとりと固まった黒い血液がついていた。
マキのやつ、あの一瞬の出来事をとっさにかばったってーのか…マイを…。
「……………………………」
しばらくすると俺の元にサツがやってきて事情聴取が始まった。そして、詳しい状況をサツの人と話をし、わかったことがいくつかあった。
なぜ事故が起きたのか、それは昨晩、サツはパトロール中に無点灯の車をを見つけて、追いかけたそうだ。その車が、前と後ろのライトが切れた状態で走っていたそうだ。そして、速度制限無視、信号無視で…俺らの車の横っ腹に突っ込まれたってことだそうだ。なるほどな…、俺たちはそいつの無責任な野郎のとばっちりを受けたわけか…。運がなかったというべきなのか…。誰かの因縁か…。
次に、俺とナナが軽傷だったのは、暴走していた車が、俺たちの乗る車の車体の右横の真ん中に突っ込んだからだそうだ。警察から聞くかぎり、ぶつかった衝撃は相当すごかったらしい。俺とナナはその衝撃で車外に吹っ飛ばされていたらしい。そして俺たちの乗っていたバンは《く》の字に曲がっていて、廃車確定だったそうだ…。
マキとマイは、くの字の車の真ん中で、車体に挟まれて見つかったらしい。マキがマイを包みながらな…。
それなら後部座席の左側に座っていたマキが重症なのは…なんとなく…うなずける。ぶつかってきた後部座席の右側に座っていたマイが無傷で無事だったのは、おそらく…マキの奴がとっさにかばった結果だったんだろうな…。
あと、ぶつかってきた加害者だが…、どうやらどこかの富豪だったそうだ。今はサツに捕まってしかるべき罰を受けるために留置所で待っているそうだが…。
しかし…シートベルトしていなかった俺とナナは車外に吹っ飛ばされたっていうのに、タンコブだけで済むって、俺とナナはどんな超人だよまったく…。
「状況はだいたいわかったな…。さて…俺たちをここまで追い込んでくれたあの加害者の野郎をどうぶっ潰すかだな…。相当ひどい事故だったからなー、ナナと一緒に裁判でもするかー。そうなると弁護士も呼ばねーとだな…」
独り言をブツブツ喋っていたらマイがゆっくり起き上がり、目をこすりながら目を覚ました。
「う〜ん……」
「お?目を覚ましたか」
「うん…アネゴ…大丈夫?」
「俺はタンコブできただけだ。心配はいらねー。…ただ、マキが…やばかったらしいな…」
…………しばらく沈黙が続いた。
「…ごめんなさい…マキは…私を守ってくれて…それで…」マイは真顔で涙を流しながらそう言った。
アネゴはそれを見て、泣くマイを自分の方に引っ張り、頭を撫でながら優しく言った。
「泣くなよ。みっともねえ。……お前は悪くねぇーよ…。大丈夫だきっと。マキは俺たち同じヤンキーだかんな。簡単にはくたばらねぇーからよ…。心配するな…」
「……うん…ごめんなさい…」
「まったく…お前は泣いてばっかりだな…本当…。もう謝るな…。あとでマキに会いに行くからよ、その時にマキに謝りな。あとお礼もな…」
「うん……うん………っ」
窓の外から吹く、島のそよ風が病室を緩やかに流れてくる。マイは、俺に頭を撫でられながら泣き続けた。俺もマイが泣き止むまで頭を優しく撫で続けた。正直、俺も不安でいっぱいで胸が苦しい。でも…俺は泣くわけにはいかない。どんなことがあろうが…。
……こいつが泣くのは正常なんだろうな…。
新年早々、俺たちはなんらかのバチがあったんだろうと思う…。病室の窓から見える景色は「そんなことはない」と言わんばかりの絶景だった。その日、関西に帰る日は俺ら全員、入院で中止になったのだった。
読んでくれてありがとうございます!ちょっと、あげたり下がったりと心が乱れるかもしれませんが他の面白い作品を読んでリフレッシュしていただければと思います!
あと、次回話は7月20日になるかもしれません。
ちょっと個人的な理由なのでが、手術入院を7月初旬にすることになりましたので遅れます。かなり間がありますがこの小説を今後ともよろしくお願いいたします!
で、私の手術は痔の手術なので、ご心配無用レベルの話なのでお気になさらずにです!では!




