初日の出【旅行編】
石垣島旅行2日目の早朝。アネゴ達はホテルを出て、石垣島のとあるドーム状の丘の上に来ていた。そこには初日の出を見ようとする人と車がいっぱいだった。アネゴ達も同じで、初日の出を見ようと、丘の上に来ていた。空は薄暗く、少し肌寒い気温で、3人ともパーカーを着て、座って観れる所で太陽が昇るのを待っていた。
「ふぁ〜…。寝みぃ〜な〜。それに微妙に肌寒いし、もうちょっと着込んでこればよかったか」
「だから言ったじゃないっすか!外は寒いって!アネゴはさむがりなんすから「もう一枚着て行こう」って、提案したじゃないっすか!あっしの提案を無視したのはアネゴっすよ!あっしとマイはちゃんと1枚多めに着て、来てるんっすよ」
「あの時は寒くなかったんだよ!まさかこんな風が強いなんて思わなかったんだよ!風がなかったらこれで行けたんだよ!全く…」
「はぁ…仕方がないっすね。アネゴ!マイを抱いてください!あったかいので!」
「あん?お断りだ!なんで俺がそんなことまでしてそいつを抱かなきゃならねぇ…。そこまでして暖を……へっくし!!!」
「ほらアネゴ、風邪引いたら元も子もないっすよ?マイはあったかいっすから!あっしが保証しやすいから!さぁ!マイ!」
「…うん」
マキの隣で座っていたマイはアネゴの膝の上に座った。アネゴも嫌々ながらマイを受け入れて、マイをぎゅっと抱きついた。
「おお…以外にあったけぇーなー!風よけにもできるし、スゲェーあったけぇーわー。子供って、こんなにも体温がたけぇーんだな!これはいい…。それに…なんかいい匂いもする」
寒がりのアネゴはそれはそれは喜んだ。あったかい気候にある石垣島でも今朝の気温は18度。昼間と違い−7度も変わっていたのだ。
「アネゴ…、ちょっと苦しい…」
そんな光景を見ていたマキは羨ましそうに眺めた。
「あー…なんか幸せそうっすね〜。(後であっしも抱き付こう!うん!そうしよう!)」
しばらく待った後、待望の太陽が日を差した。その瞬間、周りで初日の出を待っていた人たちは拍手をして、今年の始まりを祝った。マキとマイも拍手に参加して祝った。アネゴは…マイを抱きながら眠っていた。
「あ!アネゴ!起きてくださいっす!初日の出っすよ!もう!」
「…あん?あ………そうか、日が昇ったか。んんー!!じゃぁ帰るか。マイも、もういいぞ」
「えっ!?それだけっすか!?もっとこう…感動…とかないんっすか…?」
「あん?見れればそれでいいだろ。もう何回見てるんだし、そこまで感動はないな。帰るぞー」
「なんていうか、さすがアネゴってところっすね。マイはどうだったすか?初日の出!」
マイは太陽を眺めながら答えた。
「…うん。すごく綺麗…。まるで宝石みたい」
「宝石っすか。いい例えっすね!光るものは皆宝石。ロマンチックっすよね〜。あと、初めてアネゴに抱かれた感想はどうっすか?まさか本当に抱くなんて思ってなかったすけど!」
「震えてた…かな?後…いい匂いだった」
「な…なるほど!そりゃよかったっす!(二人して匂いって…。うん〜…二人の距離が縮まったと思えば、一歩前進っすかね?)」
それからアネゴ達はホテルに戻り、朝食を食べ、部屋で10時になるまでゆっくりした後、ナナさんとホテルのエントランスで合流した。外はすっかり明るくなっており、気温も24度にもなっていた。
「オッス!アネゴにマキさんにマイちゃん!あけおめやで〜!いい年越ししたか〜?」
「ああ。初日の出も見たし、…今年のイベントはもうしばらく打ち止めだと思ってるぜ」
「何言っとるん!?まだまだ島の観光しとらんやんけ!これからやで〜イベントは!それで?今日はどこ行こうと思っとるん?」
「今日は竹富島に観光かな?案内頼むぜ!ナナ!」
「おう!まかしときー!と言っても、竹富島はそこまで見れるとこないけどな!はっはー!車乗ってやー!」
アネゴ達はナナさんの車に乗り、一緒にフェリー乗り場に向かった。その船着場から竹富島・西表島と言った、島に行ける。アネゴ達は車を駐車場に停め、フェリーに乗り、竹富島に向かった。ここでナナとマキが一緒の座席に座った。このタイミングとばかりマキはナナさんに疑問に思っていたことを聞いてみた。
「ナナさんって、なんで関西弁なんっすか?ずっと気になっていやしたが…」
「それはね…、あちしの実家が大阪やからやで〜。なんや?珍しいか?」
「そうなんっすか!?じゃー大阪からこの島に嫁いできたってことっすか?」
「せやでー!家にいるときは関西弁は使わんけどな!でもあんたらが来てくれてホントよかったわ!いいストレス発散になるし〜!敬語もつかわんでいいしね!しかしな…、アネゴは大分変わりはったなー」
「そうなんっすか?あっしにはいつもと変わらない気がしやすが…」
「ちゃうちゃう!髪よ!髪!髪の話やで!神様ちゃうで!」
「いや、なんども言わなくても…。ん〜髪っすか?今は赤髪っすけど…昔は違ったんすか?」
「うん!昔はね、紫でイキリまくってたで!「紫は強者の証」なんってこと言ってたぐらいやしね。しかも、ポニーテールって、まさか…どこかの男でも狙っとんのかいな?」
「…いや…どうなんすかね…?アネゴは謎が多いですし…詮索はあまりしてないっすけど…」
「え?でももう結構コンビ組んどるんやろ?なんも知らんの?」
「アネゴはいつも何か考えていて、今のあっしでもまだわからないことばかりなんっすよ。最近わかった話でも、アネゴには姉さんがいるってことと、ナナさんについてのことですっすよ?」
「ふ〜ん。そうなんや。って事はまだあの話はしてないみたいやね。まぁ!いいわ!話してる感じでは、昔とあまり変わっとらんし!そこは安心したわ!」
「え?なんか…、アネゴ昔なんかあったんすか?」
「うん…まぁ色々やね!今はその話は置いといて…マキさんはなんで金髪ロングにしとるん?」
「えぇ…あっしですか!?あっしは単なるオシャレっす!深い理由なんてないっすよ!」
「ホントかな〜?髪ってね、結構色々わかっちゃんものなんだよ〜?感情・疲労・ストレスとか色々ね?」
「ふ…深入りはしないでくださいっす!なんでもないっすから!」
「ふ〜ん。じゃ〜マキさんの深入りはしないでおいてあげたる!じゃ〜島に上陸したら、あのマイって子の話を聞かせてね〜。お!やっと着いたなー!先に降りとるでー」
「あ!あぁ…(マイの話はまずいっすね…。後でアネゴとなんとか口裏を合わせないといけないっすかね…)」
アネゴたちが乗ったフェリーは何事もなく竹富島に着いた。空は快晴。上陸したらバンが何台か港に止まっていた。バンは町の中心の自転車置き場までのバス代わりで使われていた。アネゴたちはその中の一台を選び、島の中心部向かうのであった。




